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黎明の翼 -龍騎士達のアルカディア-  作者: 八束ノ大和
第五章 中央編

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第95話 龍陣

『ん…ここは?』


アルクスが目を覚ますとそこは見慣れない小屋だった。

するとちょうど部屋の扉が開き、1人の男性が入ってきた。


『あ、起きたねー。他の皆ももう起きているだよー』


この喋り方はパストルかと思ったが、男性はパストルに似てはいるものの違う顔をしていた。


『あぁ、僕の顔と喋り方を聞いて、パストルかと思ったかねー?

 僕はカストルって言うねー、パストルの兄だねー』

『そうでしたか、あの貴方が助けてくれたのでしょうか?』

『そうねー、道に転がっていたから危ないから拾っておいたねー

 近くに山小屋があって、良かったねー』


アルクスはカストルの話を聞きながら、皆がいないことに気が付いた。


『ありがとうございます。そういえば他の皆は無事ですか!?』

『皆起きているねー、あっちの部屋にいるねー』


カストルに案内されて隣の部屋へ行くと、アルクスは皆が無事な様子を確認できてホッと息をついた。


『アルクスッ!』


部屋に入るとアリシアが泣きながら抱きついてきた。

皆で無事を確認しあっていると、外から1人の老人が小屋の中へと入ってきた。


『どうやら起きたようじゃな。』

『あの、貴方は?』

『この方はねー、老師だねー。

 君達を運ぶ先に困ったからとりあえずここに連れて来たんだねー。

 老師はねー、昔は街で領主をやっていたからとても強いんだねー。』

『昔のことじゃよ…』

『老師も来たことだし、僕は次の街に向かうねー。

 君達はゆっくりしていくと良いねー。

 老師、よろしくお願いするねー。』

『あぁ、任せておくが良い。』

『皆も八竜震天頑張ってねー。この先で会うかもねー。』


そう言うとカストルは早々に次の街へと旅立ってしまった。


『あの、カストルさんは?』

『ん、あいつは商人だから荷を運んでるだけじゃ。

 さて、お主達は道のど真ん中で倒れていたと聞いたぞ。

 黒い竜に乗った黒い騎士にやられたんじゃないか?』

『はい、その通りです。どうしてそのことを…?』

『この辺りの竜はまだ温厚だからな、八竜震天の試練を受けているとしても急に襲いかかったりはせんわ。じゃが、あの小僧は少しでも強そうな者を見かけるとすぐに戦いを挑みよる。

 あやつが龍脈の力を使うのも感じられたしの。』


黒衣の騎士達と戦った場所からは少し距離が離れているものの、老師がそれを知覚できていたということからその実力が伺えた。


『何じゃ、あやつに負けて落ち込んでいるのか?』


アルクス達が暗い顔をしていたのを見て、老師は急に笑い出した。


『お主達はあの小僧よりも弱いのだから負けて当然じゃろうて。八竜震天の地竜の試練を抜けたくらいではあやつには勝てんわ。お主達は龍陣も使えないだろうしの。』

『龍陣ですか?』

『そうじゃ、龍脈の力を扱う以上、龍陣を知らないままでは真の強者にはなれんわ。

 お主達、力を吸われた様な感じがして、動けなくなったじゃろう?こんな風に。』


老師が手に持っていた杖を足元に突いたかと思うと、急にアルクス達から力が抜けていき皆座り込んでしまった。

アルクスとスペルビアはかろうじて膝をつき立ち上がろうとしたが、立ち上がることができなかった。


『うぅ、力が入らない…』

『これくらいで倒れるわけには...!』


老師が再度杖を突いた瞬間に力が戻り、逆に力が溢れてきた。


『なんだ、急に力が漲ってきたぞ!』

『今なら何でもできそう!』


老師がもう一度杖をつくと元に戻った。


『これが龍陣じゃ。簡単に言うと限られた領域内の力の流れを自分の都合の良いように制御しているのじゃ。さっきは下向きの流れにしてお主達の力を奪い取り、その後上向きの流れにしてお主達に力を流し込んだのじゃ。お主達が黒衣の騎士から受けたのも同じじゃろうて。


 ここから先の試練では龍陣を扱う相手も出てくるかもしれんから、龍陣の対処方法くらいは身につけないといけんのぉ。

 そこの2人は立ち上がろうとする気力が見えたし、少しだけ見込みがあるのぉ。』


すると突然アーラが龍樹の中から怒りながら現れた。


『むむむ、幼龍が仲間にいるとは今回の八竜震天の挑戦者は珍しいのぉ。

 其方は龍の御子かな?ほれ!』


老師がアーラを杖で突くと突然アーラは身動きが取れなくなってしまい、困惑している様子だった。


『ふむ、御子殿もまだ幼いだけあって力の扱い方をわかっておられない様子ですな。

 どうじゃ、お主達。ここで少し龍陣の扱い方を学んでいかぬか?』

『え、よろしいのですか?むしろお願いしたいくらいです!』

『うむ、儂も山の竜達と暮らしているが如何せん暇でのぉ。

 あとそこのエルフのお嬢さん。君は龍脈の力はまだ扱えない様子じゃが、扱える様になる日は近いじゃろう。皆とは少し違う方法になるが、学んで行くと良いじゃろう。』

『あ、ありがとうございます!』

『うむ。滞在中は掃除や料理、食材を採取などはお主達に任せるようと思っておる。

 そうじゃ、お主達の名はなんと言うのか?』

 

自己紹介をしていなかったことに気付き、アルクスは名前と出身、今までの経緯などを老師へと話した。


『なかなかに珍しい者達じゃの。』


自己紹介が終わると外から複数の竜らしき鳴き声が聞こえてきた。


『おぉ、忘れとった。この辺りで儂と一緒に暮らしている竜達を紹介しようかのぉ。』


老師に連れられて小屋から出ると外には10匹近くの竜がいた。

そして老師は竜達にアルクス達を紹介した。

すると竜達は仲良くしようと言わんばかりにすり寄ってきた。

アルクス達が困惑している中、スペルビアだけは慣れた様子で竜達を構っていた。


『どうした、かわいいじゃないか?』

『そっか、スペルビアは竜人だもんね。』

『まだ慣れないけど、ここにいる間にはもう少し緊張せずに触れ合えると良いな。』


『さて、竜達への紹介も終わったことじゃし龍陣に関して教えようかのぉ。

 龍陣とは簡単に言うと力の流れを支配することじゃ!』

『力の流れを支配ですか?』

『そうじゃ。基本的には周囲の龍脈の力を流したり、止めたりするものじゃ。

 魔術でいうところの結界魔術とも少し違うのぉ。』


アルクスは老師の話を聞いて他の皆の様子を見てみたところ、皆頭に疑問符か浮かんでいる様な表情をしていた。

これは自分が気を引き締めてまずは習得しなくてはと心に誓ったのであった。


『ほっほっほ、特に急いでいる訳でもないなら少しずつわかって行けば良い。』


そうしてアルクス達は龍陣を会得するため、しばらく老師の世話になることになるのだった。


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