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黎明の翼 -龍騎士達のアルカディア-  作者: 八束ノ大和
第五章 中央編

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第94話 黒衣

八竜震天第4の試練が終わったというところで、領主のクァルトゥムから労いの言葉があった。


『よくぞ八竜震天の試練を半分合格した。ここに来るまでどれくらいかかった?』

『待っていた時間を除くと大体1ヶ月くらいでしょうか。』


その答えにクァルトゥムは驚きの表情を浮かべていた。


『そんなに早いのか!昔は何度も挑戦して少しずつ合格していったと聞く。

 だが今までの前半の4つの試練とは、違い後半の4つの試練は今までの様な基礎的な力を試されるだけではなく、より練度を試される試練となっている。

 八竜震天の中でも前半は地竜の試練、後半は天竜の試練とも呼ばれていてその名の如く天と地ほども難易度が変わるのだ。


 お前達が今まで歩んで来たのは大陸の外縁部だが、これから内陸に入り込んでいくと山岳地帯も移動することになる。聞いているとは思うが山脈では竜種が闊歩している。

 今までの試練は内陸部の山岳地帯を進む資格があるかを篩い落とす試練でもあったのだ。』

『内陸部はそんなに危険な場所だったのですね…竜種が闊歩しているとなると普段流通はどの様にしているのでしょうか?』

『面白いことを聞くな。竜種が近寄らない特殊な方法があるのだよ。まぁ試練に臨んでいるお前達には関係ないがな。あと内陸部にはあいつが…いや、関係ないだろう。』


そして今までと同様に宴が開かれて、次の日アルクス達は遂に大陸内陸部へと旅立った。


街を出ると少しずつ勾配が生まれていて、気付いた時には山道になっていた。


『外縁部とは全然違うね。』

『確かに。離れてはいるが、竜らしきものが空を飛んでいるのも見えるな。』


アルクス達が道を進んでいくと突如として山道を闊歩する竜が現れた。

警戒して戦闘態勢を取ろうとしたものの、竜はあまり興味なさそうに通り過ぎ去っていった。


『本当にその辺を竜が歩いているんだな。』

『すごい場所だね。』

『アウレアンにいる竜とも違うな。』

『あそこにいる竜はそこまで強くないからな。ここにいる竜はどうやらそれなりに実力がありそうだ。』


スペルビアが先程通り過ぎた竜に向けて威圧をかけてみたが、少しだけ振り向いたもののやはり興味なさそうに戻っていった。


『強者の余裕なのか、のんびりしているだけなのか分からないな。』

『ふっ、いきなり周囲を威圧しているからどんなやつかと思えば...大した奴らではなさそうだな。』

『誰だ!』


竜が過ぎ去った後、突然上空から黒い竜に騎乗した黒い兜を被った黒衣の騎士が現れた。


『気配を感じなかったよ…』

『あぁ、なぜ今まで感じ取れなかったのか分からないが、こいつからは肌がひりつく程の強者の風格を感じるな。』

『とりあえず要件だけ聞いてもいいですか?』


威圧感を隠そうともしない全身黒づくめの怪しい相手ではあったが、アルクスはとりあえず会話が可能かを探ることにした。


『なに、久しぶりに八竜震天の試練を受けている奴等がいるって聞いたからな。どんな奴か見てやろうと思ったんだ。

 どれ程の実力があるのか、俺が見てやろう!』


黒衣の騎士がそう言った途端、周囲の龍気が騎士に流れ込んでいくのが感じられた。

そして、騎士の内側から波動が迸ると今まで晴れた明るい場所にもいたにも関わらず、突然夜に変わったかの様に周囲が暗くなった。


『一体何が起きた!?』

『もしかして結界魔術?でも詠唱もなかったし、無詠唱でこれ程規模の大きい結界魔術は使えないはず。』

『彼に龍気が流れ込むのが感じられたから、おそらく龍術の空間術が一番近いと思うけど…』


アルクス達が周囲の環境の変化に驚き動揺していると、黒衣の騎士はつまらなそうな顔になった。


『なんだ、結界術も知らないのか?

 龍騎士って聞いてたけどまだまだひよっこか。大したことはなさそうだな。』

『おい、見た目で侮るなよ、前に負けたのもそれが敗因じゃないか。』

『はいはい、悪かったよ。そうだったな、気をつけるよ。』


黒竜に嗜められ、黒衣の騎士の目に力がこもるのが感じられた。


『あの黒い竜喋っているな。』

『あぁ、力があって知性を備えた竜の証だ。』

『何が来るか分からない、備えておいて!』


再び結界内の力が騎士へと集まっていく。


『ここまで来てるってことは、耐の試練は合格してるってことだよな。ならこれくらい防いでみろっと。

 これでも食らいな!』


騎士へと集まっていた力はその剣へと集い、溢れ出した力は光を放ちながら奔流となって迸る。


『俺に任せろ!』


バルトロがいつもの様に前に出るも、障壁が展開されず様子がおかしかった。


『バルトロ兄さん、大丈夫?』

『何故だ、龍気が使えない…!』

『え…!?』


バルトロの守りが展開されないことがわかり、騎士の攻撃が届く瞬間にスペルビアがクリオを、そしてアルクスがアリシアを庇った。

騎士が放った力の奔流は衝撃波となり、アルクス達を吹き飛ばした。


『なんだ、やっぱり大したことなかったな。期待外れだな。』

『たまたまだって。今回上手くいったからって驕るなよ。』

『わかったわかった。つまらねぇし帰ろうぜ。』


『ま、待て…』


倒れ込んだアルクス達から興味を失った黒衣の騎士と黒竜は空へと飛翔して去っていってしまった。

アルクスは黒衣の騎士が飛び立ったことは確認できたが、その場で意識を失った。



『おー、こんな所で人がー、倒れてるでねーかー。

 こんなところにいたら危ないだー。とりあえず荷台に積んでいくかー。』


しばらくして、倒れているアルクス達を見つけた男が、荷台へと乗せて街へと向かった。


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