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これは・・・ですが  作者: 斉藤一


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墓参りで

暑くなる前に朝早くに墓参りへ行った


墓は山の中腹にあり、あたりは木で囲まれているため薄暗い


他に墓参りに来ている人は居ないと思っていた


水を汲みに水道の所へ行く


すると、目の端に人影のようなものが見えた気がしたので、そちらを向くと誰も居なかった


「おかしいな?」


少し不気味に感じた私は、思った事を声に出していた


墓の花瓶に水を入れて花を添え、目をつぶる


目を開けると、いつの間にか墓参りに来た人が居たようだ。一番奥の墓の前で黒い服を着た女性が見える


「わざわざ喪服で来る人が居るなんて」


私は、そう呟いたつもりだった


「そう?」


いつの間にか、私のすぐ後ろにその女性が立っていた

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