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これは・・・ですが  作者: 斉藤一


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校庭で

うちは私立の高校だ


県大会が近いため、どこの運動部も暗くなるまで練習している


なんなら、暗くなっても練習している所もある


「もし、生徒に何かあった時に対応するため、教師は持ち回りで居残りする事」


校長先生から、上記のお達しがあった


部活の顧問はもちろん残っているのだが、顧問の居ない部もある


「ったく、体のいいサビ残じゃねーか」


俺は文化部の顧問をしているため、県大会には関係ないので特に部で遅くなることがなかったのだが、校長先生に言われては文句も陰でしか言えない


公立はどうかは知らないが、私立であるうちは部活で残っても仕事では無いので残業代はでない事になっている


待機中は仕事をしなくてもいいことになっているが、何もせずに待機するのも暇なので、つい仕事をしてしまう。つまり、俺は本当にただ働きなのだ


書類仕事に疲れたので、目を休ませようと校舎の裏にある校庭をなんともなしに見た


表の校庭は主に野球部やサッカー部が使用しているが、裏の校庭は特にどの部が使うとか決められていない


「お、今日は陸上部が使っているのか」


明かりの少ない、薄暗いトラックを、誰かが走っているのが見えた


「ん? 一人だけか?」


走っているのは男か女かも分からない一人だけ。それも、他の運動部が片付けてもう帰る時間に陸上部が走っているのは珍しい


俺は、転んでけがとかしないか心配で見守る


ひたすら、ぐるぐる、ぐるぐるとトラックを何周も走っている


時間も遅くなったため、職員室にはもう俺一人しか残っていない。俺は陸上部のあいつが帰ったら俺も帰ろうとしばらくみていた


しかし、もうすぐ21時だというのに帰らない。さすがの俺も、注意して帰ろうと思い、席を立つ


すると、校庭のそいつはピタリと走るのをやめ、こっちを見上げた様に感じた


暗かったので、表情どころか人型がぼんやりとみえるくらいだが、目が合った気がした


「と、とりあえず、俺も荷物を片付けて帰る準備をするか」


何か嫌な物を感じて俺は持ち帰る荷物をカバンへと詰める


すると、タッタッタッタッタッと廊下を走る音が聞こえてきた


普通なら、廊下を走るなと怒鳴るところだが、嫌な予感が強まる


音だけが職員室前を通り過ぎる


すりガラスではなく、普通に透明な扉のガラスには、誰も見えないのに音だけが通り過ぎる


冷や汗が出てきた。俺はゆっくりと扉に近づく


ペタペタペタと裸足で歩く音が聞こえた


俺はびっくりして扉から離れる


この学校では、部活中で死んだ生徒は一人もいないはずだ。それどころか、墓場の上に建てられたとか、変な曰くも無いはずだ


ペタペタペタという裸足の足音が、職員室前で止まる


扉のガラスには誰も見えない


トゥルルルル


急に電話が鳴った


トゥルルルル、トゥルルルル


10秒ほどして、俺は受話器を取った


「はい、こちら〇〇高校職員室です・・・」


「―――――――――――――――一緒に走ろう?」


長いまの後、ボイスチェンジャーで性別を分からなくしたような声が受話器から聞こえた

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