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嘘なのに
「知ってるか? 俺んちのアパートで昔、飛び降り自殺があったんだぜ」
学校のクラスメイトに、そう自慢する
きっかけは、たわいもない肝試し自慢だった
クラスメイトが遊園地のホラーハウスに行ってきたというのを聞いて、それなら俺はと嘘の怖い話をしたのだ
その帰り、自分ちのアパートに近づいたときだ
六階にある自分の家から何かが落下するのが見えた
「何が・・・まさか!」
家には母親がいるはずだ。何かの間違いで落ちたのかもしれないと、顔を青くしながら落下地点に向かう
しかし、落下地点には何もなかった
「気の所為だったのかな?」
それならいいかと思いながら家に帰る
それからだ
俺が嘘をつくたびに、それがホントのこととして見かけるようになる
交通事故を見たといえば、本当に交通事故をみる
しかし、その事故は俺にしか見えないのか騒ぎにもニュースにもならない
だったらと、嫌いな奴の家の中に幽霊が見えたと嘘をついた
俺は後悔した
それから、嫌いな奴の後ろにずっと俺にしか見えない幽霊がいるようにったのだ




