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これは・・・ですが  作者: 斉藤一


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人が増える

これは、よくある肝試しの後の話だ


その日、俺達は4人で肝試しをした


4人の名前はとりあえず、田中、佐藤、木下、山田としておく


肝試しの場所は廃校となった学校


ただし、廃校とはいえ勝手に入るわけには行かないので、校舎の周りをぐるっと回ってくるだけだ


恐らく、ゆっくり回れば10分くらいかかると思うので、5分間隔で出発する


全員が戻ってきたが、特になにもなかった。まあ、事件があったとか聞いたこと無い学校だし


ただ、帰る時になっておかしなことを言い出した


「あれ? 一人多く無いか?」


俺はみんなを見たが、自分を含めて4人。別におかしなことは無い


「本当だ、増えて無いか?」


「誰が増えたんだ?」


ただ、俺以外の3人が一人増えたと言い出す


佐藤が、数えると言い出した


「田中だろ、山田だろ、俺だろ、木下だろ、田中だろ。ほら、5人だ」


「いや、お前田中を2回呼んでるって」


「呼んでねぇよ!」


佐藤は急に逆切れしたように叫んだので、俺は黙る


「ほら、山田も数えてみろよ」


「わかったよ。田中、佐藤、木下、俺、田中・・・やっぱり5人だよな」


山田も田中を2回呼んでいる。もしかしたら、あまりにも何も無かったからふざけているのか?


俺が居ない間に示し合わせていたのかもしれないな


「ああ、それなら確かに田中2人いるかもなー」


「ハァ? お前、何言ってんの?」


「え?」


俺以外の3人は、真剣な顔だ。冗談抜きで5人居ると思っているようだ


2回呼ばれている田中を見ると、心なしかにやけている様に見える


俺は、お前も数えてみろよと言われる前に


「いいじゃん、とりあえず帰ろうぜ」


と、帰宅を促す


佐藤と山田は、ぶつぶつと増えた事を真面目に考えているようだが、校門前で解散する流れになる


「じゃあ、また明日」


そう言って別れたつもりだったが、田中が俺の所へ来て


「じゃあな、田中」


と言った

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