点滅
学校の廊下を歩いていたら、ある教室のドアが点滅していた
「普通の教室、だよな?」
学校の2階、だからこの部屋は高校2年生の教室のはずだ
まさか、ドアを開けたら異世界転移・・・なんてことあるはずないか
近づくと、点滅が消えた
「何だったんだ?」
まさか、教室の中で溶接していたわけでもあるまいし
一応、こわごわと扉を開けるが、中に異変は無かった
そのまま歩いて行くと、次の次の教室のドアも光っている
「今度こそ、開けてやる」
俺はダッシュで扉へ飛びつく
点滅しているのかしていないのか分からないうちにドアを開けた
「・・・何も無い」
異変が無いじゃなく、何も無い
部屋の中は、真っ白で何も無かったのだ
「本当に、異世界転移か?」
俺は一歩、教室の中へと踏み込んだ
「って夢を見たんだけど」
「夢の話かよ」
俺とダチは一緒になって笑う
そう、夢のはずなんだ
実は、ダチに話していない、本当の夢の中身
俺が開けた教室は、本当は真っ白なんかじゃ無かった
積み上がった死体、死体、死体
恐らく、その量はこの教室全員分の死体だ
床は血で染まり、一番上にはダチの死体
そこで夢が覚めたから、今日、ダチの姿を見てほっとして、この話を誤魔化して話した




