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これは・・・ですが  作者: 斉藤一


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同姓同名

都会での仕事に疲れたため、仕事を辞めて地元へ帰った


前職での知識は役に立たないが、あまり忙しくない会社へと再就職した


同期は当然若い人ばかりで、アラフォーの俺は取り残された感じがした


「はぁ、やっぱり仕事、続けてた方が良かったかな・・・」


そう口にするものの、あのまま前職を続けていけるとは思っていない


年を取るほどに辛くなる肉体労働、増える残業に肉体的にも、精神的にも耐えられるとは思えなかったからだ


試用期間の3か月が経過し、正式採用されたため、改めて新部署へと配属された


俺の教育係として、主任の先輩がつくことになる


その名前を見た時、高校の同級生の名前だと思い出す


「地元だから、こういう事もあるのか」


友達では無かったが、何度か会話はしたことがある


全く知らない人よりは、話しやすいだろう


しかし、実際に顔を合わせてみると、微妙に記憶と違う気がする


まあ、20年以上前の記憶だから、曖昧なのは仕方ないが


「よろしくお願いします」


「ああ、よろしく。今日は―――」


説明を受けつつも、自分の記憶を探る


相手も、俺の事を顔見知りとして話していない所を見ると、やはり別人なのか?


それから月日が経ち、会話も増えていった


しかし、「お前は俺の高校の同級生か?」という直接答えに繋がる質問は出来ていない


一応、家の場所は何となくわかったが、逆に高校のあいつの住所何て知らないから意味が無かった


それからさらに月日が経ち―――結果的に、同級生ではなかった


なぜなら、年齢が違ったから


だが、地元に同姓同名なんて、確率的にありえるのか? いや、実際にあり得るのだが


さらに、俺の記憶にある面影も似てるのに、年齢だけが違う


まるで、あいつが数年先の未来へ行ったと言われた方がしっくりとくる感じがする


そこまで話せるような関係になる日が来るのだろうか?

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