同人ゲーム
中古ショップで恋愛系のゲームを買ってきた
同人か何からしく、ネットで調べても情報が何も出てこなかった
つまり、自力でゲームをクリアしなければならないという事だ。燃える、いや、萌える
ゲームのシステム的に、デートなどをすると活動値が減る事が分かった
キャラによって活動値の最大値も、消費量も違うためデータの量が莫大になる
とりあえず、昔好きだった女の子に似ているキャラから攻略する事にした
普通に無難な選択肢を選んで進めても、最終的に彼女にならずに終わった
ある時、活動値がものすごく減るが、好感度もものすごくあがる特殊な行動を見つけた
「よし、好感度爆上がりだ。これなら……」
そう思っていたが、彼女は活動値を使い切ると死亡してしまった
「活動値って生命力みたいなものだったのか?」
残念だけど、もう一度最初からプレイだと思い、リセットボタンを押した
その瞬間、部屋の電気も消えた
「あれ、停電か? それとも、ブレーカーでも落ちたか?」
一人暮らしの大学生だから、そんなに電気を使ってないと思うんだけど……
そう思っていたら、うっすらとテレビの画面がついた
そして、そこには攻略に失敗して死んだ彼女の死体が映っていた
何故死体だと思ったかと言うと、明らかに肌の色が青白く、雰囲気も生きている感じがしなかったからだ
だが、その彼女の目が開かれると、テレビの電源が落ちた
「な、なんだったんだ?」
とりあえず、ブレーカーも落ちてないし、電気もつかないので、電球の寿命だったのかと思い込み、とりあえず夜も遅くなってきたので寝る事にした
布団に入ろうと思った瞬間、布団が膨らんでいることに気が付いた
恐る恐る布団をめくると、あの青白い肌の彼女と目が合った
「もう、離さない」
彼女はそう言うと、俺に抱き着こうとしているのか、にじりよってくる
好感度をあげすぎたから、こんな事になっているのか? いや、そもそもゲームのはずだ
とうとう、彼女は俺に抱き着いた。肌の温度は、まるでこんにゃくのように冷たかった
まさか、多大な行動値と引き換えに好感度を上げる方法……肝試しデートなんかでこんなことになるなんて
「ずっと一緒だよ」
俺は、死ぬことは無かったが、誰にも見えない彼女とずっと一緒にいる事になった