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これは・・・ですが  作者: 斉藤一


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友達の友達の家2

こんにちは、山内花林です。


Iさんの部屋で再び3人で会話している時、私はさっきの事に違和感を覚えました


家には盛り塩がしてあるので、あの霊は入ってこられないはずです


実際、仏間の窓に張り付いてはいたけれど、中へは入ってきていません


それなら、一体誰が仏間の入口を開けたのでしょう?


トイレに入っていたのは短い時間だったので、Iさんの家族の誰かが仏間に入り、閉め忘れて出て行った可能性は低いです


第一、トイレの前を誰かが通れば足音で気が付くはずです


私は、意を決してIさんにおばあさんの事を尋ねました


「私のおばあちゃん? 私が生まれる前に行方不明になったらしくて会ったことは無いよ」


家族が居なくなったけど、会った事も無いので実感が無いのか、Iさんは悲しむ様子が無かったのが幸いです


そろそろ帰ろうかなと思っていたころ、下の階で壁を叩くような音がしました


「何か、音がした?」


「? 何も聞こえなかったけど」


2人とも、何も聞こえなかったようです。というか、今現在も音が続いているので、完全に聞こえないみたいです


「そろそろ、帰ろう」


「じゃあ、最後にお菓子を食べようよ」


私は帰りたかったのですが、友達はお菓子を食べないと帰らないとごねました


仕方なく、お菓子だけ食べて帰る事にしたのですが、お菓子は1階の居間に置いてあるそうで、そこに移動する事になりました


だけど、どんどん壁を叩く音に近づいていっています


廊下のすぐ横から、壁を叩く音がします


恐る恐る居間に入ると、音の場所をつい見てしまいました


そこには、厳重に盛り塩がしてありましたが、一部の塩が黒く変色しています


この盛り塩は外から霊を入れないためじゃなくて、家の中の霊を外へ出さないためかもしれないと思いました


それに気づいた瞬間、背中がぞわぞわしました


音は、壁ではなく、よく聞くと床下から――


「ごめん、私もう帰るね」


「あっ、待って、私も帰るって」


私は友達が慌てて帰る準備するのを待てずに、飛び出すように靴を履いて玄関を出ました


そのまま、地面だけを見ながら家の方向に向かって走りました


霊の気配が、増えていた様な気がしました


「ま、待ってよ!」


友達が追い付いてきたころ、霊の気配もなくなっていました


それからしばらくして、Iさんの居間の床下から女性の白骨死体が見つかったそうです


おじいさんが車いす生活になるので、リフォーム工事しようとした時に発見されたそうです



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