うるさい
明日、早起きしなければならなくなったため、まだ夕方の6時ではあるが布団に入る
住んでいるのはマンションで、いつもは気にならない生活音が今日はやけに大きく聞こえる
隣の家族の子供の足音だろうか、どたばたとする音
上の住人のものか、コツコツと何かを叩く音
車のクラクションや、改造バイクの爆音など
「うるさい!」
俺は思いきり叫んだ――つもりだった
けれど、声が出せない。もう一度、今度は窓を開けて外に向かって叫ぶ
「うるさい!」
そこで目が覚めた。いつの間に寝ていたのだろうか。けれど、時刻はまだ20時で、ぜんぜん寝足りない
再び、目を閉じて眠ろうとしたら、耳元で
「お前の方がうるさい」
とボソッと言われた
当然、そこには誰もいなかった
そして再び目が覚める。自分では、寝ていたとは思えないほど、リアルな感覚があった
目がさえてしまい、眠ることが出来ない
それどころか、こんな夜なのに工事の音まで聞こえる
「うる……」
「うるさい!」
今度は、俺がうるさいという前にうるさいと言われてしまった
また、いつの間にか寝ていたようだ




