女難
私に、初めて彼氏が出来た
私はそこそこ可愛い顔をしているはずなんだけど、なぜか男が近寄って来ないのだ
彼氏は、女性に対して運が無いって言ってる
「最初の彼女は、俺をだまして金を持っていった」
「次の彼女は、家事が壊滅的で、手料理食って死にかけた」
「次の彼女は俺の運気を下げた。ギャンブルで負けまくった」
「次の彼女は――」
彼の愚痴を黙って聞く。彼はイケメンだから、何人もの女性と付き合ったことがあるみたい
まあ、今現在二股とかしてなきゃいいよ、別に
私はお金はあるし、家事も出来る。だから、彼を幸せにできるはずだ
「ね、そろそろ私の家に来ない?」
「いいけど、どこに住んでるの?」
「ちょっと他の家から離れるけど、一軒家だよ。一人暮らし」
「本当? いいよ、いくいく」
彼といっぱいおしゃべりして、飲み過ぎた彼に薬を飲ませる
そして、彼を地下の小部屋へと連れて行った
「あ、目が覚めた?」
「おい、ここはどこだ!」
「地下室だよ? ここなら、君をずっと見ていられる。私の手料理を毎日食べさせてあげられるし、君がギャンブルで負ける事も無い。他にも、前の彼女たちが出来なかったことをすべて私がやってあげる。だから……逃げられないよ?」
「ここから出してくれ! 助けてくれ!」
私は、彼を死ぬまで飼う事にした。それが、私にとっても彼にとっても一番幸せな事だと思う
一か月ほどしたら、彼はほとんど話さなくなったけど、私は幸せだ




