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これは・・・ですが  作者: 斉藤一


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彼女自慢

友人の彼女自慢がうざい


やれ弁当を作ってくれただの、センスのいい服を選んでくれただの、事あるごとに自慢してくる


「じゃあ、肝心の彼女を見せてくれよ」


「お前、そう言って俺の彼女を取る気だろ? だから、会わせるわけにはいかないな」


友人はそう言って会わせてくれることは無かった


せめて写真を見せてくれと言うと、写真を見せてくれたが、それはなんか合成っぽい写真だった


「本当に彼女、いるんだよな?」


「当たり前だ」


友人は、彼女と旅行へ行ったり、買い物へ行ったりした時にブログに報告を上げているのだが、そのどれも場所の写真だけだったり、買った物だけだったりと彼女が写ることは無かった


そこまで隠されると、気になるのが人というものだ。休みの日に、その友人を見張る事にした


友人から、彼女と買い物へ行く予定だと聞いていたからだ


部屋から出てきたのは友人だけだった。友人は、そのまま駅へと向かう。そこで待ち合わせしたのだと思ったが、待つことなく電車でデパートへ向かった


デパートで待ち合わせしたのかと思えば、そのまま中へと入っていく


「なんだ、やっぱり彼女なんていなかったんじゃないか」


もう演技はいいぞ、と友人に声をかける事にした


友人に近づくと、誰かと話している。しかし、彼の前には誰も居ない


「よう」


偶然を装って話しかける


「なんだよ、わざわざ来たのか。それなら、言ってくれればいいのに」


彼はバツが悪そうに頭をかいていた。じゃあ、一緒に遊ぶか……そう言おうと思ったが


「バレたならいいか、俺の彼女だ」


彼はそう言って、誰も居ない場所を紹介する


「え? どこにいるんだ?」


「あん? 何言ってるんだ、ここだよ」


彼はそう言って、再度誰も居ない場所を紹介する


「何も見えんぞ」


「そんな馬鹿な」


彼はパントマイムの様に、何もない空間をなぞる


「まあ、邪魔して悪かったな」


どうしても彼女が居る事にしたいのだと思った俺は、今回は素直に帰る事にした


その日、友人があげたブログの写真には、友人が写っていた。ただ、その肩には、黒い影が写っていた


それ以後、友人と連絡が取れなくなった

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