表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
これは・・・ですが  作者: 斉藤一


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

74/854

雪山で

「山小屋はどこだ」


我々登山同好会は、初めての雪山登山に苦戦していた


そろそろ、山小屋が見えるはずだ


天候が急に変わり、さっき通った道も、すでに足跡は無い


「仕方がない、ここで何か遮蔽物を作って野宿する」


風よけの木と、雪による壁で、直接の風雪を防ぐ


「隊長!」


若い青年が、彼女の様子がおかしいと訴えてくる


女性の様子を見ると、震えが止まらないようだ。おそらく低体温症だろう


強い風に濡れた体が原因だろう


今動いても、遭難するだけだ


青年は、一人ででも背負って下山すると言っているが、不可能だ


彼女は、青年に大丈夫だからと声をかけ、息を引き取った


青年も泣きつかれて、いつの間にか眠ったようだ


私も意識が飛んでいたのだろうか、目を覚ますと、いつの間にか風雪は止んでいた


すると、ライトのようなものが前方に見えた


誘われるように近づくと、山小屋があった


こんな近くにあったのかと思うと同時に、彼女が死ぬ前にここにこれたならと後悔した


ライトを照らしてくれたお礼を言おうと、山小屋へ入ったが、無人だった


私は迷わないように自分の足跡を辿り、青年を呼んだ


青年は、夢で彼女がこっちだよと手招きしていたそうだ


ただ、その方向は、私がライトを見た方向の様だった


私たちは、なんとか彼女の遺体を山小屋へ運んだ


次の日は、前日が嘘のように晴れ、警察に電話するとヘリコプターで迎えに来てくれた


私たちは、今でも彼女の墓参りを欠かさず行っている

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ