地震
ある日、地震があった
結構揺れ、本棚から本が落ちたり、外からはガシャンガシャンと鉢植えが落ちる音が聞こえる
めったに地震なんて起きないから、そんな対策なんてしていなかった
「あーあ、片付けが大変だ。まあ、もう暗くなるし、明日からでいいか」
幸い、ライフラインに異常は無く、部屋の片付けだけある程度した。食器棚が無事だったのは運が良かっただろう
その夜、何処からか声が聞こえた
「タスケテ……タスケテ……」
「誰だ?」
その声は、まるでボイスチェンジャーを使ったかのように、高音でひび割れていた
「タスケテ……タスケテ……」
声は聞こえるけど、どこから聞こえているのか分からない
今まで幽霊を見た事も無いのに……。まあ、今も姿は見えないんだけど
その声は、朝日が昇り始めるくらいから徐々に小さくなっていった
眠気がひどいが、家に居るのが嫌だったので外へとでようと思った。今日は、コンビニで飯を食うか
着替えすらしていなかったので、財布だけ持って外へ出た
ふと鉢植えを見ると、ほとんど落ちていた
「あー、やっぱ割れたか」
とりあえず、目についたものだけでも起こそうと手に取る
一つの鉢を持ち上げると、シュルシュルと白い蛇がその下から逃げていった
「アリガトウ」
その声は、昨日ずっと聞こえていた声だった。そうか、幽霊じゃなかったんだな




