部族
ある国で、一般社会とかかわらない部族があると聞いて取材に行く事にした
その部族は、もしかしたら数千年もの間、我々と違う生活を送ってきているらしい
ガラパゴス諸島の様に、未知の生物もいるかもしれない
まだ世界に、そんな場所があったのかと心が躍った
その場所は、当然道など無く、歩きでしか向かう事が出来なかった
地図も無く、歩くこと数日。やっとその部族へ接触する事が出来た
見た目は、普通の人間だ。さすがに数千年では見た目は変わらないか
服は、何かの動物の毛皮や草を加工したようなもので、原始的だ
当然、言葉も通じないが、私の服装や持っている道具が珍しいのか、思ったよりも友好的だった
族長らしき人物にライターを渡すと、大変喜び、宴を開いてくれた
見た事も無い料理が並び、見た目とは違って意外と美味しかった。まあ、自前の調味料をかけたが
数日間滞在し、名残惜しんで帰路へと着いた
その途中で、急に腹が痛くなった。何か変な物でも食べたのかと思ったが、食べたことの無いものしか食べていないので、原因は分からない
全身にぶつぶつと発疹が現れ、嘔吐する。全身の力が抜け、地面へと倒れる
未知の細菌か何かに感染したのかもしれない
すると、見た事のある人間が現れた。部族の族長と、数人の若者だ
族長は、何を言っているのか分からないが、私を指さして若者に指示している
「助かったのか……」
私を村へと連れ帰り、看護してくれるものだと考えた
私の荷物を持ってくれて、何故か服を脱がし始める。汚れたからだろうか?
族長を見ると、悪意のある顔をしているのが分かった
そして、何故かこう言ったと分かる
「二本足で歩く動物を食べるのは初めてだ」




