トンネルで
肝試しをしたいと言い出したのは誰だっただろうか
私たちは、使われなくなったトンネルの前に来ている
ツタに覆われたトンネルは、人が一人通れるくらいの狭いトンネルだ
昼間なら出口は見えるほどの長さだが、電灯もなく暗いため、どこまで続いているか分からない
4人なので、ペアになって入ることにした
懐中電灯はペアで一つだけだ
最初のペアが中に入る
電灯の明かりがゆらゆらと揺れているのがわかる
明かりが見えなくなったので、俺たちの番だ
トンネルに入ると、水はけが悪いのか水たまりができている
壁にそっと触れると、まるでスポンジのようにぐっしょりしていた
俺は懐中電灯を照らすと、前に進む
左手をそっと出すと、彼女もそっと握ってくれた
トンネルの終わりに差し掛かった時、急に手を振りほどかれた
どうしたのかとトンネルの中を照らすと、足元のツタで転んだのか、うずくまっている
「大丈夫か?」
俺がトンネルに戻ろうとすると、先にトンネルを抜けていた2人が引き留める
怪訝に思って転んだ彼女の足元をライトで照らすと、白い手が彼女の足首を掴んでいた




