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これは・・・ですが  作者: 斉藤一


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ただの道で

お通夜の帰り道だった


上司の母親が亡くなられたという事で、職場を代表してお通夜に行ってきたのだ


人数分の香典返しを持ち、くらい夜道を歩く。俺が代表して行ったのは、単に家がこの近くだったからだ。別に上司と一番親しいとか、上司の次に偉いというわけではない


「ったく、なんで残業もあたらないのにこんなこと……」


むしろ、こういうことは面倒だと思う性格だったが、先輩に「家が近いからお前が行けよ」と言われて断る度胸もなかった


それなりに思い香典返しを肩に担ぐ。ほかに歩いて帰る人は居なく、俺だけがとぼとぼと歩いていた


すると、前に人が居たのか、だんだんと近づいて行った。それは確かに人の後ろ姿だったが、身長が低い


見た感じ、小学生の男女だろうか


(こんな時間に小学生が二人であるいてるなんてな)


別に治安が悪いところでもなかったし、深夜というほどの時間でもないので、気にせずそのまま追い越そうと数メートルに近づいた時


急に男の子の方の首が180度後ろを向いた


「うわああ!」


その表情はすごくうれしそうな笑顔で、俺は気持ち悪くてすぐに来た道を戻る


「あはははは」


男の子は、顔はこちらに向いているが後ろ歩き状態でこっちに走り出した


俺は香典返しを捨て、全力で走った。怖くて後ろを振り向けなかった


気が付くと、さっきのセレモニーホールに戻ってきていた。見送りを追え、ちょうど中に戻ろうとしていた上司と目が合った


「なんだ、まだ居たのか。どうした? そんなに青い顔をして息を切らせて」


中へ入り、上司にさっきの出来事を話す


「そんな死亡事故があったとは聞いたことが無いが……そんなに怖いなら、一緒に泊まるか?」


俺は一人で帰るなんて絶対できそうもなかったので、その言葉に甘えることにした。上司の親せきなども居るので、それなりに人の気配があって落ちついた


何気なく外を見ると、女の子が立っていた。さっきのやつか?


俺はびくびくとしながらも、目を離せずにいた


その瞬間、ぽとり と女の子の首が地面に落ちた


俺の気も遠くなっていくのが分かった





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