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これは・・・ですが  作者: 斉藤一


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小さな怪我

「いったっ」


今思えば最初の怪我は紙の端で指を切ったことだろうか


「地味にいてぇ」


絆創膏を貼るまでもない小さな怪我。しかし、時間がたてば少しだけ血がにじんできた


書類に血が付くのも嫌だな、とセロハンテープを指に巻いて止血する


仕事を終え、帰宅する


階段を上り、2階へ向かう


「いたっ」


痛みに手を引き寄せる。見ると、木でできた手すりにささくれのようなものが出来ていて、それにひっかけたようだ


「ったく、ついてねぇな」


ささくれだった木を爪で取る。指先にささった場所から少しだけ血が出ていた


「もったいないけど、絆創膏を貼るか」


セロハンテープじゃ止められないほどには血が出ていた。痛みはそれほどではないが、やはり血が布団やタオルにつくのが嫌だったからだ


洋式のトイレに入る


「痛い!」


尻に画びょうが刺さったような痛みに襲われる。見ると、洋式トイレの便座が少し割れて、そこがとげのようになっていた


「なんか、怪我の度合いがひどくなっていっているような……」


最初は切り傷。次は刺し傷。次も刺し傷ではあるが、まるで何かに切られたかのように結構な傷になっていた


そろそろ寝るか……と、布団に横になる瞬間、嫌な予感がしたので振り返って布団を見た


すると、枕から人の人差し指が生えていた。それも、爪がひどく鋭利に尖っている


もし、あのまま横になったならば、その鋭い爪が俺の首に刺さっていた事だろう


俺は慌てて神社に走り、片っ端からお守りを買った。ちなみに、この神社は無人販売でお守りを売っている


これで大丈夫だろう。さて、帰るかと神社の階段を下りる瞬間、俺の足首を何かが掴んだ


そこからの記憶は俺にはない。幸い、頭を縫いはしたけれど命に別状はなかった


「さあ、点滴の時間ですよー」


そう言って入ってきたナースの肩に、白い手が乗っているのが見えた

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