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これは・・・ですが  作者: 斉藤一


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「助けてくれ!!」


俺は目が覚めると檻の中だった


今のところ檻の外には誰も居ない


しかし、檻の中にも誰も居なかった


「誰か! 誰か居ないのか!!」


大声で叫ぶが、誰も来ない


それからしばらくして、叫び疲れた俺のもとへ誰かが来た


「やっと静かになったか」


俺からは角になって見えないが、そこに誰かがいるようだ


「助けてくれ!」


「誰が助けるかよ。自分の立場が分かってるのか?」


「な……!」


そう言いながら現れたのはゴリラだった。予想外の状況に思考が止まる


ゴリラがしゃべっていることには驚いたが、これはチャンスだと思って話しかける


「ここから出してくれ! 気が付いたら閉じ込められていたんだ!」


「……気が付いたら? はははっ、記憶でもなくしたか?」


「な、無くしてなんか……」


そう言ったところで、ここで目が覚める前に何をしていたか、どこにいたのか、自分の名前さえも分からなくなっていた


「気が付いてないのか? お前は今、俺と同じ言語を話しているんだぞ?」


自分では日本語を話している気になっていたが、どうやら俺の方がゴリラ語を話しているらしい。頭の中に疑問符が山ほど浮かぶが、今は置いておく


「だ、だから俺は仲間だって! なあ、出してくれよ!」


しかし、そこから出してくれることはなかった。それからしばらくは果物や穀物の食事……いや、エサが与えられた。だが、俺は食事の皿の交換する際の隙を見て檻から抜け出した


「おい! やめろ! 逃げるな!」


「もう捕まるもんか! あばよ!」


俺はゴリラが通れないような狭い通路を通って逃げた。そこは動物園のようで、動物園ではなかった


檻に囚われているのは人間ばかり。しかし、言葉は俺と違って様々だが、ゴリラ語を話す奴は居ないようだった


俺のところへ来た奴みたいに、ゴリラが人間の世話をしているようだ


だが、俺は隙を見て動物園を逃げ出した


「やった! これで自由だ!」


動物園を出ると、そこは……肉食獣が跋扈しているサバンナのようだった


「……は?」


一瞬で俺に走り寄ってきたチーターに食われる


「馬鹿が! 俺たちが保護しなかったらそうなるに決まっているだろ! お前らの文明なんてとっくの昔に滅んでるっつうの。ちっ、せっかくクローンで蘇らせたのに……」







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