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これは・・・ですが  作者: 斉藤一


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UFOキャッチャー

人気のゲームセンターで、一台だけ誰も寄り付かないところがある


角に置かれたUFOキャッチャーだ


他の躯体とは離れて設置されているそこには、景品として奇妙なものが置かれていた


一つは、お札


一つは、藁人形


ただそれだけならば、ネタとして、友人同士の悪ふざけや身内の罰ゲームなんかでやりそうなものだが


しかし、誰も寄り付かない。寄り付きにくい雰囲気があった


感覚的に「あれは本物だ」と思わせる雰囲気がある


特に、お札なんてどうやってもキャッチできないだろう


それなのに置かれている、売れてないのに片付けられていない


そんな1台を除けば、人気のゲームセンターである


気になったので店員に聞いても、「店長が放っておけって言うから……」と歯切れの悪い返事だけだった


ある時、普段見かけない店員を見かけたので聞いてみた


話してみると、それは店長だった


店長に直接話を聞いてみる


「ああ、あれね。あれは、お客さんの悪い気を吸い取ってくれるんだ。だから、お客さんもイライラする前に景品が取れたり、当たったりするからストレスなく遊んでくれる」


そう言って、店長は理由を話して去っていった


私は、それならあの藁人形を取ったらどうなるのかと悪戯心が沸いた


お金はきちんと入れれるようで、100円入れると確かに動く


地面に置かれているお札にはアームが届かないので、藁人形の方を狙う


藁人形を挟むようにアームが動き、その瞬間--藁人形がアームを避けた


何が起こったのか分からないが、ゾクリと、藁人形に睨まれたような気がした


視線を感じて後ろを向くと、去っていったはずの店長がいた


ニヤニヤしながら


「その台をやるとね、今までたまっていた悪い気が移るんだよ。ご愁傷さまだね。これ、少ないけど気晴らしに使ってくれていいよ」


そう言って店長は私に1万円を1枚手渡してきた


私はその時「得した!」と思ったけれど、それからその数百倍損する出来事に会うとは思ってもみなかった……



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