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これは・・・ですが  作者: 斉藤一


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水たまり

雨の日は嫌いだ


雨の日の次の日も嫌いだ


なぜなら、高確率で水たまりがある


俺が水たまりをのぞくと、去年死んだ俺の姉の顔が見える


姉は、俺を庇って交通事故で死んだ


その日は雨で、車はスリップして止まれなかったらしい


どんな理由だろうが、姉は車に殺された


姉は活発で、クラスでも人気があったそうだ


顔も俺が言うのもなんだけど、可愛い方だと思う


俺がふと水たまりをのぞくと、姉の顔が見えた


姉はニコリと微笑み、俺に頑張れと言ってくれているようだ


最初は水たまりをのぞくのが好きだった


姉に会える


ただそれだけの理由で


しかし、だんだんと学校の授業についていけなくなり、姉の笑顔を見るのが苦痛になってきた


そして、テストの点数が悪く、親にものすごく怒られた日があった


その日も雨だった


俺は水たまりを見ていて、そんな俺に笑顔を向ける姉に怒りがわいた


俺は近くに落ちていた石を水たまりに向かって投げた


すると、「ぎゃっ」という声と共に、水たまりの姉のこめかみから血がにじんでいる


それ以来、水たまりの中の姉は、憎しみの顔と共に、だんだんと傷口が腐っていく様になった


今となったら、もう顔の半分は骨が見えている


俺は水たまりが嫌いだ



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