黒電話が
ジリリリリ
昔懐かしい黒電話の音がする
しかし、ここは駅の地下道だ。当然、電話なんてない
着信音が黒電話の音なのかと思って周りの人を見るが、誰も電話に出る様子はない
音の発生源を追って行くと、その音は動いている様だった
私にしか聞こえていないのか、誰もこの音に耳を傾けていない
音のする方へ歩いて行くと、駅から出てしまった
気味の悪さよりも、好奇心の方が勝った私は音について行く
すると、1件の古い建物についた
庭は草だらけで、ドアさえ腐って倒れている
あきらかに誰も住んでいないことが分かる
しかし、音は中へ続いて行く
「おじゃましまーす……」
誰も居ないと分かっていても、ついつい挨拶してしまう
音を追って行くと、この家の居間についた
するとそこに、黒電話があった
あきらかにライフラインは繋がってい無さそうなのに、鳴り響く電話
私は意を決して電話を取る
「もしもし……?」
「あんた、何してたの! 母さんが倒れたんだよ! 携帯も電源が入っていないし! とにかく病院へ――」
私は何が何だか分からなかったが、駅へ戻り、病院へ急いだ
幸い、命に別状はなかった
あとで聞いた話では、その家は祖母の実家だったそうだ
誰も住んでいない空き家になっていたらしい
祖母が私に連絡を繋いでくれたのだろうか……
こんど、庭の草刈りでもしに行こう




