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これは・・・ですが  作者: 斉藤一


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赤トンボ

秋になり、空にはトンボが飛ぶようになった


虫かごと網を持って公園へと行く


トンボを捕まえるのは今回が初めてではない


過去に何度も捕まえているので、慣れたものだ


枝の先に止まった赤トンボにゆっくりと指を突きつけ、ゆっくりと回転させていく


トンボの頭はその指に合わせてクリクリと動く


しばらくして、トンボがゆらゆら揺れだした


「そろそろ頃合いかな」


トンボが目を回したと判断し、網を構える


しかし、若干早かったのか、トンボが飛ぶのと網を振り下ろすのが同時になった


「逃げられた?」


ギリギリ網の中かどうかというところ


網を確認すると、トンボの羽が見えた


「よかった、捕まえてた」


羽を持ってトンボを網から取り出そうとしたところ、違和感が


「ひっ!」


すぐにそのトンボを投げ捨てた


そのトンボには、頭が付いていなかった


網を振り下ろした場所を見ると、小さなトンボの頭があった


その頭は、まだ口を動かしている


胴体の方も、頭が無い状態で羽をばたばたと動かしている


その状態がとても気持ち悪くて、急いで家に帰った


よほど印象に残ったのか、小さな丸いものを見ると、トンボの頭に見える事がある


その頭は、いつまでも、いつまでも動いていた

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