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これは・・・ですが  作者: 斉藤一


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ポイントカード

天国と地獄への分かれ道


生前に善行をしたものは天国へ向かい、平穏な日々を過ごす


悪行をしたものは地獄へと向かい、そこで罪を償う


「くそ、また忘れた」


レジに並んでいる時に、ポイントカードを忘れたことに気が付いた


大したポイントは付かないのだが、せっかくもらえるものが貰えないと、ものすごく損した気になる


レシートで次回にポイントを持ちこしてくれる店は稀だ


並んでしまったものは仕方が無い。家にいったん帰るのも面倒でそのまま会計を終えた


その帰り道に交通事故に遭って死んだらしい


気が付くと、生前に未練があったものを身に着けていたのか、手にはポイントカードがあった


「あーあ、これを取りに行っていれば死なずに済んだのに。ってよくみたらあと1ポイントで割引券が出て来るじゃないか! くっそー」


すると、分かれ道があった。片方は綺麗な花畑に動物たちが楽しそうに跳ね回っている


もう片方には、岩山が燃え、地面はとげとげした石が敷き詰められ、歩く事すら困難に見える


「こんな分かれ道、こっちの綺麗な方に行くに決まってるよな」


そう思って左へ行きかけたが、右の道に一瞬「ポイントをつけます」と書いた看板が見えた気がした


俺は手元のポンとカードを見て


「あと1ポイントで割引される……」


ただそれだけしか考えられなくなって右の道へ行った


おどろおどろしい場所に、レジの様なものが見える


「お願いします」


そこに居たレジ係にポイントカードを渡す


「よかったですね。丁度満タンになりました」


気が付くと、病院のベッドの上だった


当然、手にはポイントカードなんて持ってなかった


「あれは、俺がいままでにやった善行の分だけポイントがたまってたのかな……」


俺は天国に行くよりもまだ生きていたい

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