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これは・・・ですが  作者: 斉藤一


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押し入れ

暗闇をじっと見てると、何かが動いている様な気がする


暗闇をじっと見ていると、何かが生まれてくるような気がする


暗闇をじっくりと見ていると、嫌な気配がする気がした


寝る時に、電気を消して寝ている


ベッドのすぐ横は押し入れだ


その押入れが、誰も開けていないのにいつも開いている


建付けが悪いわけではなく、気が付いたら少しだけ開いているのだ


いつもはしめて寝ているのだが、今日はなんとなく開いたまま寝ることにした


だが、その隙間が気になってなかなか寝付けない


目をつむると、まぶたのうらに白い顔が見える気がして、目を開ける


すると、何もない暗闇が見えるのだが、その奥で何かがうごめいている気がする


その暗闇に手を入れると、何かに掴まれそう


その暗闇に光を照らすと、何かが見えそう


だから私はいつもどおり閉めて寝ようとした


しかし、その日はなぜか最後まで閉まらない


戸の後ろで一生懸命誰かが押さえているかのように


怖くなって明かりを点けてしまった


明かりを点けなければよかった

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