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これは・・・ですが  作者: 斉藤一


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フリーマーケット

こんにちは、山内花林です。


ある施設でフリーマーケットが開かれるというので、友達と一緒に見に行きました


事前申し込みという形ではありますが、誰でも販売に参加できると言う事で老若男女の店主が居ます


「うわー、思ったより広いねー」


「それに、いろんなものがあるね。ほら見て!」


友達が指さした先にはボロボロの人形がありました


(うわー。何か憑いてる……)


ぼんやりとですが、人形に重なるように霊が憑いているのが見えました


「綺麗な人形!」


「えっ? 綺麗……?」


私の目にはお世辞にも綺麗とは見えません。数十年たったような黄ばんだ洋服を着せられた人形……そういう風に見えます


「お嬢ちゃん、買うかい? 今なら安くしとくよ」


店主のおばあさんが友達に話しかけます


「でも、私そんなにお金持ってきてないよ。どうみても高そうな人形だし……」


「そうだねぇ。今なら3万円のところ……100円でどうだい?」


「明らかにうさんくさい! やめといたら?」


私は友達に忠告しました。3万円が100円なんて、あきらかにあの人はこの人形に何かあるって知ってて売りつけようとしています


「えー。せっかく安いのに」


「どう考えてもおかしいって。ほら、他の場所も見てきましょう」


友達は後ろ髪を引かれるように人形を見ていましたが、私に押されてしぶしぶ離れました


店主のおばあさんは私の事をジッと見ていました


しばらくして、お腹も空いてきたので帰ることにしました


「最後に、もう一度だけ人形を見ていい?」


「まあ、見るだけなら……」


私は見るのも嫌でしたが、帰りに必ずあそこを通るので、どちらにしろ避けては通れません


そこへ行くと、さっきの人形はありませんでした


「あーあ、売れちゃったんだ」


「ああ、さっきのお嬢ちゃん。欲しいって言う子が居てねぇ。安くしとくからこの辺でも見ているといいよ」


おばあさんはそう言って友達を他の商品に誘います。そして、私を手招きしました


「あんた、あれが見えてたんだろう? 私は昔だまされてあの人形を引き受けちまった。捨てても焼いても、何をしても戻ってくる。それも、あいつは人の寿命を吸い取るのさ。私をみてごらん? どうみても40代には見えないだろう?」


私はこくこくと首を縦に振りました


「もうおかしなものは置いていないよ、好きなものを買って行きな」


そう言っておばあさんは友達に安く綺麗なアクセサリーなどを売っていました


おばあさん……たぶん、おばさんなんだろうけど……あの人が売った人形は、今どこにあるのでしょうね?

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