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これは・・・ですが  作者: 斉藤一


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赤い水

こんにちは、山内花林です。


掃除の時間、小学校の女子トイレの清掃担当の女子児童が


「きゃああぁ!」


と叫んできました


「どうしたの?」


教室にいた児童のうち、一番その子に近かった子が尋ねました


「トイレの、トイレの水が!」


「トイレの水? それがどうしたの?」


「真っ赤なの! 来て!」


教室で顔を見合わせ、その子がついてきてと再度せかすので、見るだけ見ようとみんなでトイレの方へ行きました


と言っても、男子はトイレの前で待機です。掃除中とはいえ、男子をトイレの中へ入れる事は、抵抗があります


「それで、どこが赤いのよ」


女の子は、一番手前のトイレの個室を確認して言いました。私ものぞきましたが普通に透明です


「い、一番奥のトイレ!」


「一番奥って……使用中じゃない?」


「あれ? ねぇ、誰が入っているの?」


女の子はドンドンと個室を叩きました。しかし、返事はありません


「おかしい、誰も居ないの?」


閉まっているから誰も居ないわけは無いでしょうが、あいにくドアの隙間も無く、誰が入っているのか分かりません


しばらく耳を澄ませましたが、人の気配はありません。しかし、使用中の赤色になっていますし、鍵も閉まったままです


どうしようもないので、一旦トイレから出ようとした時


ジャーッ


一番奥のトイレから水を流す音が聞こえました。やはり誰か居たのでしょうか?


ドキドキと誰かが出てくるのを待っています


ガチャリと個室の鍵が外される音がしました


ギィと扉が開き……


「あれ? 出てこないの?」


そう言って女の子は個室を見に行きました


「変ね……誰も居ないわ。それに、水も別に赤くないじゃない」


私もおそるおそるその個室を見ましたが、見なければよかったと後悔しました


「あれ? さっきは確かに……」


何も無いという事で、掃除の時間が終わりに近くなったので教室へ帰りました


男子たちも


「結局何もなかったのかよ」


と落胆していました


しかし、みんなは気が付いていないようで、あの時水を流した音がしたのに、タンクに水がたまる音がしなかった事


そして、水は確かに赤かった事――


家に帰ってから何か知らないかと母に尋ねました。すると


昔、変質者に刺された女の子が、トイレの中へ逃げ込んだという事があったそうです


幸い、変質者は逮捕され、女の子は重傷ではあったけれど今も生きているそうなので、結局あのトイレの赤い水の謎は謎のままですが……

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