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これは・・・ですが  作者: 斉藤一


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試着室

下着売り場で働いていた時の事


私のレジから、丁度見える試着室に、いつの間にかお客様が入っていたようだ


仕切りカーテンの下から足が見える


今日は平日で、お客様の数は少ない。少し愛想でもして売り上げに貢献するか


「お客様、何かご要望はありますでしょうか?」


下着の付け方、下着の大きさ、アドバイスはいろいろできる。コーディネートや勝負下着なんかは個人の主観が入るが


しかし、返事が無い。タイミングが悪かったのだろうか?


レジにお客様が並んでいたので、レジの方へ向かうことにした


「何かありましたら、および下さい」


レジも終わり、もう一度さっきの試着室を見ると、誰も入っていなかった。しかし、レジには来ていなかったような?


「先輩、試着室に入っていたお客さん、誰だったんですか?」


「あなた、何を言っているの? 午前中に試着するような買い物をした方は居なかったわよ」


「え? だって、試着室に足が……」


「あなた……それは見なかったことにしなさい。それと、試着室に誰か入ってるかどうかは、必ず靴があるか確認する事。いいわね?」


先輩はそれだけ言うと、そそくさと奥へ入っていった


「靴があるかどうか……そういえば、さっきは靴が無かったような……」


私はゾッとして試着室の方を見ないようにした

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