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これは・・・ですが  作者: 斉藤一


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266/862

喫茶店で

おしゃれな喫茶店


内装は茶色を基調とした落ち着いた色合いで、音楽もクラシックを中心に騒がしくない音楽がチョイスされている


コーヒーはマスター自らが外国で仕入れ、ブレンドを試したという自慢の物らしく、実際においしい


この店を見つけたのは偶然であったが、それ以来よく通うようになった


そこで気が付いたことが一つ。扉を開けると、「カランカラン」と音がするのだが、たまに音がしても誰も入ってこない時がある


最初の頃は、開けただけで入店するのを止めたのかな? と思って気にしなかったが、最近その音のあとに、マスターがわざわざコーヒーを入れて奥の誰も居ない席に置くことに気が付いた


他に誰も客が居ない時にマスターに聞いてみた


「亡くなった妻がね、コーヒーを飲みに来てくれてるんだと思うよ。僕のコーヒー、好きだったからね。命日の日は必ず来るんだよ」


俺はまだこの店に着て2か月ほどだが、すでに2回は鳴ってる気がする。俺は奥さんじゃないと思ってるんだが、怖いので言わないことにしている


「カランカラン」の音さえ気にしなければ、いい店なのだ

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