バスケ・シュート
体育館でボールのはねる音がする
間違っても頭がはねる音ではない
体育館の扉を開けると、バスケットボールを持った中学生の男の子が居た
「部活はもう終わりの時間だぞ?」
「あと1本、シュートが決まったら帰ります」
練習熱心な事はいいことだ。どうせあと1本で終わる気は無いだろうし、もう少しだけ許すことにした
「わかった、終わったらすぐ帰れよ」
俺は体育館の扉を閉めると職員室へ戻った
18時になり、そろそろ練習も終わっているだろうと体育館の鍵を閉めに行った
ボンッ、ボンッと体育館でボールがはねる音がする
「まだ練習していたのか?」
俺が扉を開けると、さっきの男の子がシュートポーズをとっていた
「あと1本、シュートが決まったら帰ります」
「はぁ、見ててやるからシュートしてみろ」
俺は仕方なく付き合ってやることにした
しかし、その男の子はボールをつくとが、シュートしない
「どうしたんだ?」
「シュートの仕方が分からないのです」
「まさか、ずっとそうやっていたのか?」
俺は呆れてため息をついた
「見てろ、こうやるんだ」
こう見えても俺は高校の時はバスケをやっていたんだ、少しだけな……
俺はラインに立つと、ボールを投げる
ボールは綺麗にリングを通った
「どうだ? 参考になったか?」
そう言って振り返ると、男の子は居なかった
シュート1本打つ間に体育館から出られるはずも無く、俺はあっけにとられた
まあ、次に出たときはシュートしろよ。俺は心の中でそう声を掛けた




