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これは・・・ですが  作者: 斉藤一


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鈴虫

リーン、リーン


夜、廊下を通ると、鈴虫の羽音がした


どこにいるのかと思って庭の草を見る


すると、音が止まった


そのままトイレに行ってから戻ると、また


リーン、リーンと音がする


「綺麗な音色だな」


そう思ってスマフォに録音しようと思ったが、鈴虫の音色は録音できないんだったか?


まあ、物はためしと録音する


5分くらいのんびりと音色を聞いていたが、ふいに音が止んだので、きりよく部屋へ戻った


部屋にいた家内に聞かせようと、音を再生する


「リーン、リーン」


まるで、低い男の声が棒読みしているような声が入っていた


「なによそれ、気持ち悪い」


家内はそう言ってテレビをつけたとき、画面に男の顔が映った


「りーーーん」


男の顔はそれだけ言うと、テレビの電源が切れた


おそるおそるもう一度テレビをつけるが、普通に番組が入った


「何だったのかしら?」


次の日、明るいうちに録音をもう一度聞いてみようと思ったが、そもそも録音データが無かった


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