小太郎 小次郎の敵は神?
「しょうこ姉ちゃん!」
「小太郎くん」
「そろそろ しょうこ姉ちゃんの誕生日だな」
「覚えてたんだ!」
「みんな お祭りの準備してるからな!」
しょうこ姉ちゃんの誕生日は 町のお祭りの日
「去年は賑やかだったよねぇ」
「毎年やればいいのになぁ」
昨年は 13年に一度の町をあげてのお祭りで神輿が町を練り歩いたのだ
「まぁ 神輿はないけど 獅子舞は毎年あるからね」
「神輿担ぎたいなぁ」
「あっ 小太郎くん その日うちでささやかな誕生会するから おばさんと小次郎くん連れて来てね もちろん晶ちゃんも誘ってね!後 妖精さんも!」
「わかった!」
小太郎は早速 晶ちゃんに言いに走る
「あっ そっか!お祭りの日は しょうこお姉さんの誕生日だもんね!わかった!」
「晶ちゃんの母ちゃんも連れて来てね」
「うん!」
「母ちゃん!しょうこ姉ちゃんが誕生会来てねって!」
「じゃあ なんか作って持って行きましょうね」
「母ちゃんのおにぎりでいいんじゃないか?」
誕生会におにぎりはちょっとなぁ…
しょうこ姉ちゃんの誕生日(祭り当日)
「母ちゃん!まぁだ!」
「用意は出来てるけど これから神楽くるから それが終わったら行くっておばさんに言ってあるから」
「あぁ!神楽(獅子舞)来るのか!小次郎!頭ガブってしてもらうんだぞ!」
「あ〜〜い!」
元気に手を挙げる小次郎
「泣かないといいけど…」
「小太郎殿は面白いほど泣いたがのぉ」
「おぉ…おっちゃん いつのまに…」
「ぬわっはっは!わしは神出鬼没なんじゃ!」
「太郎ちゃ〜ん!」
「晶ちゃん来た!上がって!」
「わしの話を無視しおった…」
「ん?おっちゃん なんか言ったか?」
「わしは神出鬼没なん…」
ピィヒャラ…トンツクテン…
「おっ!神楽来た!」
「またしても…」
「キャ〜!」
笛や太鼓の音に興奮する小次郎
「小次郎ちゃん 大丈夫かなぁ」
「子供はみんな泣くからねぇ…中に入ってる人は面白がってるみたいだけど」
笛の音がだんだん近づいてくる
「次辺り俺ん家だな」
「こんにちは」
神楽は縁側から家に入ってくるのだ
先に笛や太鼓を鳴らす人達が庭へとまわって来た
「ほら 小次郎 神楽来るぞ!」
ニコニコして神楽を待つ小次郎
パカッ!パカッ!
歯を鳴らして神楽登場!
みんな 小次郎に目がいく
小次郎の顔から笑みが消えた…
「やっぱりな…小次郎 怖くないんだぞ!中に人入ってんだから」
そう言って 「な〜んだ…」と言う1歳児は居ないだろう…
小次郎は真顔で晶ちゃんの腕の中から逃げて行く
タタタタタ…
「小次郎ちゃん 逃げちゃった…」
「やはり小次郎殿も怖いか…泣かぬだけ小太郎殿よりはマシじゃな」
小次郎に逃げられ残念そうな神楽
笛と太鼓に合わせて舞う神楽
パカッ!パカパカ!
口を大きく開け 小太郎達の頭を噛もうとする神楽
その時!
「やめお!」
バシ!
「痛ぇ!」
小次郎がオメンダーのエクステソード(オモチャの剣)を持って神楽にかかって行ったのだ
「小次郎…何やってんだ?」
「多分…怪獣だと思ってるんじゃ…」
「そうじゃな…」
神楽に剣を構える小次郎
「こい!かいじゅ〜!」
「確定じゃな…やる気満々じゃ…小次郎殿 神に喧嘩を売りおるか…」
神楽の中に入ってる人は堪ったもんではない
こんなのは初めての事だった…
笛や太鼓を鳴らしている人は 心なしかこれからの展開がどうなるか楽しんでいるように見える
ドキドキして見てるのは小太郎達も同じだった
焦ったのは母ちゃん1人…
「小次郎 やめなさい!すいません」
神楽に謝る母ちゃん
「い…いいえ…」
つい 返事をしてしまう神楽
笛と太鼓は可笑しくてしょうがない
笛を吹いてる人も ある意味苦しくなった
笑いを我慢して 音が出なくなったのだ
ピッピッピッピ…笛で笑う
もう 獅子舞は滅茶苦茶…
それでも 無病息災をと神楽は小太郎達の頭を噛もうとする
「たぁ!あ〜ちゃんになにしゅる!」
無病息災を願う神楽から 小太郎達を守ろうとする小次郎
「なんなんだ…泣かない上に立ち向かって来るって…頭 噛みに行ったら泣くかなぁ…」
神楽は小次郎に狙いを定めた
パカッ!パカパカ!
小次郎VS神楽
滲みよる神楽
小次郎は少しずつ後退りする
「小次郎殿!負けるでないぞ!」
何故か小ちゃいおっちゃんは興奮している
小ちゃいおっちゃんだけではない
見てる人 全員がドキドキ?ワクワク?して見ていた
部屋の角に追い詰められる小次郎!万事休す…
神楽が小次郎の頭に迫る!
「小次郎殿!今じゃ!」
小次郎がエクステソードの ボタン を押す
『必殺!エクステフラッシュ!バババババ!』
剣から流れるオメンダーの声に合わせて エクステソードが七色に光る
「うわぁ!やられた…」
神楽が倒れた…
「小次郎殿!やったな!」
ニッコリ笑う小次郎
「はぁ…すいません…」
神楽に謝る母ちゃん
他の人は大爆笑!
「お疲れさん 次行くぞ」
神楽に声をかける笛の人
「そうだな 次行くか…」
神楽が起き上がった瞬間
「たぁ!」
小次郎の攻撃が炸裂
「痛っ……」
神楽は起き上がる事が出来ない…
起きれば小次郎の攻撃が待っているのだ
「小太郎…小次郎連れてしょうこちゃんのとこに最初行ってて…」
「おぅ ほら小次郎!しょうこ姉ちゃんとこ行くぞ!」
「小次郎ちゃん おいで!」
「あ〜〜い!」
小太郎と晶ちゃんが小次郎を連れ 隣 のしょうこ姉ちゃん家へ
「いや〜 参ったぁ」
「どうもすいません…」
「いえいえ 元気があっていいじゃないですか さてと…次行くか」
「しょうこ姉ちゃん!来たぞ!」
「いらっしゃい おばさん達は?」
「もう少ししたら来るぞ!今 神楽来てて 小次郎が…」
ピィヒャラ…トンツクテン…
「こんにち…」
パカッ!パカパカ…
小太郎としょうこ姉ちゃんの家は隣同士…
小太郎ん家の次は しょうこ姉ちゃん家なのだ
「あっ…」
神楽は 剣を待ち 構える小次郎と目が合った…