修行その3 そして再開
ログアウトしたらもう夜でした。
昼飯食ってません。
内部時間的にほぼ二日連続で潜っていたわけですからそりゃあ夜になりますよね
かなりの時間寝転んでたのに腰が痛くないのはすごいな
確か寝てるときに少し動くようになっているらしい
でも操り人形みたいになるかもしれないと考えると怖いな
まあそんなことできないように何重にもプロテクトが掛かってってニュースのお姉さんが言ってたけど
よく覚えてなかった
多分一定以上に動く程の力を連続で出せないようになっているだった気がする、いや1定以上の力を出せないのと力を連続で出せないの両方だったか?
それよりもご飯食べたい
風呂入りたい・・・
寝れるようになったら中で寝ることにしよう
ゲームのやりすぎでこんなに疲れるとはな・・・
「昔は1日ゲームは1時間?ゲームは1日1時間?って言ってたらしいからな」
今そんなことを言ってしまうと馬鹿にされ、ふざけるなと憤慨されることもあるかもしれないが
昔は技術的な問題で脳や目などに悪影響を与えてしまい健康状態を悪化させることもあったらしい
今ではそんなことはないがゲームのやりすぎで成績が下がることもあるらしいから馬鹿にはできない話だと思うんだがな・・・
「あれ?なにしようとしてたっけ」
やばいな早いこと寝れるようにして寝よ
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おはようございます、内部時間的には夜な気がしますけど
外もまだ夜だし・・・
メニュー開くとログの一部が見えちゃうんでメニュー開いて時間確認ていうのはできないんですよね
「おはようございます」
『俺がお前に刀を教える、ブラウだ』
ブラウンみたいな名前だな
ルージュも赤だし色繫がりかも?まあ人の名前に分かりやすい意味なんて求めたらいけないか
いやでもそういえば、ブラウってオランダとかイタリアで青色じゃなかったっけ?
どこで見たか忘れたけど・・・
ライオスも何となくライオンって感じして黄色って気がする
「よろしくお願いします」
『ひとまずお前は何を目指したい?それによって指導する内容が変わる。』
これは本当に難しい
はっきり言って分からないのだ。
戦いと言われても小さいころに喧嘩をしたかもしれない程度でどうなりたいなんてないし、自分に何が向いてるかも分からない
師匠との修行は楽しかったし色々学べたがそれだけだ、そこから何を思ったかなんて言われても楽しかったとかそれぐらいのことしか思っていない。
そんなこと言ったら怒られるだろうから言わないが
好きな戦い方は相手からの攻撃をほとんど受けず一方的に攻撃していくようなものが好きだがそのようなことができるとは思わないし、格上との戦闘では脆いだろう
そんな時ふと思い出した言葉があった
漫画かアニメ、小説だったかもしれない、プロゲーマーの言葉だったかもしれないが
その言葉にはなぜかとても引き付けられた、
それは子供でも知っていて賢者と呼ばれるような人でも知らないこと
「俺は、相手と同じ土俵には立たない。」
俺は確固たる意志としてそれを言う
「相手と同じ土俵に立った時点でそれは負けだからだ。」
相手と戦うというのは、同格でなければ成り立たない、同格同士の殴り合いでのみ成立する。そして各々の優れている部分を生かしあい戦い、勝敗を決する
優れている部分とは、知力、財力、権力、筋力、どれであっても成り立つ
圧倒的な強者は戦っているのだろうか?
否、戦ってはいない、なぜならば戦いとは同格の相手との間においてでのみ起こることだからだ
圧倒的な強者は蹂躙するだけだ。
しかし、戦いとは勝者がわからないものなのだ、圧倒的な強者でも戦えば負ける、
蹂躙とは勝者と敗者が完全に決まっている、もしそれが逆転するときがあるのなら強者であるはずの者が戦いだと勘違いした時だ
勝者とは絶対的なものか?
違う、
常勝無敗とは可能なのか?
否、戦いは絶対ではない
最強は負けないのか?
誰も戦いの結果を決定することはできない、
なぜならそれは戦っているからだ。
戦うということは負けるかもしれないと自白しているのだ
「俺は、戦わない」
「勝利もしない」
「ただ強者でありたい」
『傲慢だ、』
「そうだな」
『だがそれでいい、それでこそ俺の弟子となるべきものだ。死ぬ気で来い、俺の全てをお前に教えよう』
「ああ、お前の、いや師匠の技全て盗ませてもらおう!」
調子に乗りすぎたかもしれないが戦うのは気に入った相手のみでいいと思う
『俺からは刀の扱い方だけを教える予定だったが、特殊なスキルや技術も教えるとしようかなり厳しくする、だがあれだけ言ったんだ、付いてこれないなんて言わせねえ』
ブラウが言うのだからかなり厳しいのだろう、文字どうり血反吐を吐くようなものだろう
これはゲームで、暇つぶしで遊びだ
だが、それがどうした。遊びに本気になれない奴は人生でも本気を出せない奴だ
俺はそんな奴にはなりたくない
「はい、よろしくおねがいします!師匠」
『ああ、よろしく』
俺は当然だが力任せに剣を振るうことしか知らない
剣を振りながら助言を聞く
『刀は切るんじゃない、断つんだ。』
師匠の言葉を聞きながら俺は、剣を振るう
『常に終わりを意識しろ、刃を対象に垂直に立てろ』
体が変わろうとする
『刀は腕で振るんじゃない、刀を振ることで腕が動くんだ。』
徐々に動き方が最適化される
『刀は空気を、空間を断ちながら進んでいるのではない、空気に、空間に沿って進んでいるのだ』
イメージがより強固になり、
振り方に迷いがなくなる
『力を入れるな、流れに乗れ』
感覚が鋭くなり足先から刃の先まで思い通りに動くようになる
『全てと同化しろ、全てを理解し、利用しろ』
知覚できる範囲が広がる
全てのものの挙動、位置が手に取るように理解できるようになる
『お前は強者となるものだ』
刀を振るう
静かに無駄なく鋭く
パンっ!
『そこまでだ』
意識が一気に覚醒する
おそらく感覚に脳が追いついていないのだろう
頭がうまく回らない
『そこまでだとは思わなかったぞ』
何を言われているかわからない
困惑。
『素晴らしいな、わが愛弟子シロよ』
少し遅れて理解する
歓喜。
『陛下であってもここまで来れなかったぞ、スキルの影響で頭が動かないかもしれないが心配するな』
ものが考えられなくなる
『それにもう1段階上げれそうだったからな張り切りすぎてしまった。感覚が追い付けばそこまで行けるだろう』
そこで俺の意識は途絶えた
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『おい、もう起きれるだろ』
「もうちょっと優しく起こしてくれてもいいじゃないですか」
『それじゃあ起きないんじゃないか?』
「・・・ノーコメントで」
でも寝てる間も人型が残ることが分かったのはよかった
「なんで意識を失ったんだ?」
『俺のスキルの影響だ』
「どんなスキルか知りたいんだけど?」
『教えんよ、お前には使えないスキルだからな』
種族のせいなのか
職業的な問題なのかわからないが
『まあそれは置いといてだ、他の技術を教えていくぞ。』
「今さっきみたいなのをまたやるのか?」
『基礎ができてればそこまで難しい話ではないからな、今さっきのはやらんよ』
「よかった、終わってすぐに倒れるとか、さすがに怖すぎますよ」
『すまん、ちょっと頑張りすぎた、今後がそんなことないから安心してくれたまえ』
「安心してくれと言われても安心できない。それで何を教えてくれるんで?」
こんなことを言うのもあれだが
今さっきのだけでも十分だと思う
多分だがいくつかのスキルを覚えれたと思うし
『抜刀術とか、特殊なスキルを教えようと思ってな』
「それは教えてもらいたいな」
そりゃあもちろん、教えてもらいたいもんだ
ここで終わるのなんてもったいない
まだ足りないと思ってたしね
ここで十分とか言うはずがないじゃないか
「鞘がないから抜刀術は無理だと思うぞ」
『そこの台座に刀を刺しながら鞘になれと念じてみろ』
言われたとおりにやると
台座がスライムのように溶けて
刀に纏わり鞘になった
白っぽい灰色、金属光沢こそないが銀色とも見える色の中で黒と白が添えるように入っている
装飾はほとんどされていないが要所要所に添えるように装飾が入っていた
美しい・・・
『そんなに気に入られたのであれば鞘もうれしいだろう』
「声に出てしまったか」
『ああ、ばっちりな。それと話し方に違和感がある。むずむずするからやめてくれないか?』
「分かるよな、前の二人には敬語を使わなかったけどよ、ブラウには敬語を使った方がいいかなと思ってな。でもほかの二人に敬語を使わなかった手前どうしたらいいか分からなくなって」
『敬語なんて使わなくっていい、そんなみみっちいことで悩んでんじゃねえよ』
それと言わなかったが
ライオスとブラウの声も話し方も似ているからという理由もある
それと見た目が同じというのもある
剣か刀という違いしかないからな
『まあ、それじゃあ、やるか。まずは構えだ』
「こうか?」
『もうちょっと腰を落として、柄頭を外側に向けて』
今さっきとは違い、いきなり実践じゃないらしい
『ああ外に向けすぎ、少し下に向けて・・・』
かなり細かい・・・
『そこから1気に引き抜け、鞘の中で走らせて、俺を切り付けろ』
いきなり実践でした、はい
『もちろん防御するしお前ごときでは傷すらも付けれないからさっさとやれ』
言われなくても遠慮なんてしない
1歩踏み出しながら、刀を引き抜き
振りぬく
『もっと基本を思い出せ感覚を引き出せ』
「言われなくても!」
1つだけ問題があった
それは俺が左利きだということ
師匠であるライオス、ルージュ、ブラウは全員右利きだ
右利きに最適化された剣術を学ぶことによる弊害はとても大きい
ここで右利きになれるほども器用ではない
右利き用の剣術を左利き用剣術に強引に変えている状態だ
そこで俺は気付いた
なぜ師匠たちに合わせることを前提に考えているのだろうかと
俺は俺なりに剣術を使えばいいのだと
もちろん土台も材料も師匠たちのものだ
だが組み立てるのは俺だ
完成度は下がるだろうが
体に合わないものを使うよりはましだ
俺が師匠と変えたところが二つある
1つ目に勿論だが左手で刀を握る
これはすでにやっていた。まあ無理やり変えていた状態だったが
二つ目にスキルも使う
基本的に師匠たちは意識しなくても使えるものは使っていたが意識して使うようなものは使っていなかった
剣術では無くなるがそれは諦めるしかない
「ほんじゃあ、行くぞ?」
構えている状態で『念力』で刀を押さえつけ、一気に解放する。
それから『念力』と筋力で軌道を修正しながら切りつける
と同時に相手全体を『念力』で押さえて動きを一瞬止める
今のところ戦闘中に使える意識して使うようなスキルを1つしか持ってないが単調になってしまうだろうし、魔力がすぐになくなってしまうから多用できないが・・・
『着眼点はいいと思うぞ。だがスキルの使用に意識を集中させすぎだ』
くっ!
渾身の抜刀術は簡単に防御されてしまった・・・
ただし抜刀術は、だ
鞘があるじゃないか、
逆手だから力が入りにくいが結構重量があるのでまあまあダメージを与えれるだろう
「二刀流だったとは予想できなかっただろう!」
まあ、刀は1本だけどね
でも刀に合わせて反ってるし先も若干尖ってる
・・・刀は二本だった。
『発想はいいぞ、発想はな。でもやはり力任せだからな、感覚を周囲と1体化させろ』
「まさかこっちも止められるとは・・・」
空いてるほうの手で摑まれてしまいすべて無駄に・・・
やっぱ、チートだ!
師匠はチート使い!
こんなに頑張ってるのに勝てないなんて・・・
「チーターめ!」
『チーターが何なのかわからないが、お前忘れてるだろ?』
「なにをさ!」
あんなに頑張ったのに
完璧に隙を突いたし、めっちゃ駄目出し食らってるけど実際最高に集中してたよ?
最後若干気を緩めちゃった感あるけども・・・
それに鞘を動かしてるってことを気づかれないように、体の陰に隠してまで準備してたし、鞘にだって『念力』の補助入れてたのに・・・
それと鞘の攻撃と同時に刀の方の力を少し抜いてそっちに意識向けさせようとか考えてたのに、目線だって刀の方に向けて気を逸らそうとしてのに
それに最初の抜刀術だって踏み込み以外にも気を遣って回転の力まで使って攻撃してたし、『念力』を使って1瞬動きを止めたって言っても初動のタイミングで抑えたんだから動きにくかったはずだし・・・
抜刀術と鞘での攻撃の間は本当にコンマ1秒とかのレベルだし、いろいろやって意識がそれた瞬間にやったはずなのに
「それが完璧に抑えられるだなんてありえない!」
『もしもそれが本当ならそれこそあり得ないんだが?』
「声に出てた?」
『ああ、隠す気があるのか?というレベルでな?』
マジか・・・
『それでな?お前どうせ忘れてると思うんだが、レベル1なんだぞ?スキルがどんなに上がっても工夫してもレベル1っていうのは変わらない。ステータスの差はそれだけ絶対なんだ』
そういえばそんな気も
最後に確認したのはリアル時間で三日?よく分かんないけどそれぐらいだから忘れても仕方がないよね?
「ちなみに師匠のレベルは?」
『多分だが、70だな』
「勝てるわけないじゃん」
『俺と対抗しようとする方がおかしいんだぞ?』
そんな・・・
人を異常者みたいに言わないでくれよ
スタート地点にいるくせに70レベルもある師匠が異常なんだ!
おそらく種族ごとにスト-リーがあってそれを成り立たせるために必要なんだろうけど
ストーリーのためにとは言えどもこんなに高レベルの守護者を置いておくなんてここの運営は異常だよ!
あっ・・・最初から異常だったな
『ひとまず次のことを教えるぞ』
納得がいかないけどまあいいや
『基本的に俺はスキルは使わない。武技も使わないし、魔法も使わない。けどな、一応使うスキルもある』
師匠の話では今後ほとんど武技が使えなくなるうえに、武術スキルの選択肢も狭まるらしい
だが、かなり強力なスキルが手に入るそうだ
もしかすると武技っていうのがめちゃくちゃ強力でもっといいスキルがあるかもしれないけど
このスキルを手に入れない選択肢はない
だって師匠が脅してきてるから・・・
眼力が物凄かった
目があるのか分からないけど
『1つ目に・・・
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『ここまでできればいいだろう』
できることが増えたけど
刃が全く立たなかったから強くなったというよりは
器用貧乏になった?みたいな?
そんな感じ
『まあこれなら外に出ても大丈夫になっただろう』
「外も師匠並みに強いやつばっかだと絶望なんだが?」
「それはないぞ、出てすぐのところはレベル30?50?まあそれぐらいだからな」
少なくともレベル1の状態で太刀打ちできるのは問題だと思う
『俺を倒してレベルを上げたらの話だけどな』
はい無理、レベル差約70って・・・
倒せるわけないじゃん
『心配するな、この部屋の中でお前と戦うといろいろ力が制限されるようになっているから、倒せなくはないぞ?それに強化しない狂化みたいな状態になるからな』
安心だな、だがどうせレベル1ではかなわない
スキルもどれだけ上がっているのか、どんなスキルがゲットできているかわからないけど
それでも無理だろう
いくら知性のない化け物でも
能力が制限されていても
レベルの差は絶対なのだそうだから
知らんけど。
『何とかなるだろうから、そんな心配するなって』
そんなこと言われてもな・・・
おそらくだけど3人の人格が全部出てる
構え方が刀でも剣でもない
せめて行くぞとか言って欲しかった・・・
ちょっとその技は・・・
死ぬかも?
ブラウは正しくはドイツ語とオランダ語で青という意味で
blauとblauwで発音は日本人的には一緒だと思います