異例のパーティー
店に行く前にずっと気になっていたことを聞く
「なあ、あおい」
「なんだ?」
「お前レベルいくつだ?」
「なんだよいきなり」
「ルージュはレベル40、サイトは68だったっけ?ルージュは普通よりもレベルが低いらしいけどな、大体、第三陣のトップのレベルは45ぐらいだと思う、ルージュは3か月前から始めたらしい、トップの方も同じぐらいだろう。サイトは6ヵ月前だったけな?それを基準にすれば1か月に10レベルから15レベルぐらい上げれるんだろう、もちろん適正レベルでの狩場だとしたらだけどな。そこから考えるとトップ層なら最低でも120レベルを超えているはずだ」
「大体そんなもんだな」
「レベルが上がるにつれてレベルが上がりにくくなるけど先に進めば経験値の量も多くなるだろうから誤差のレベルになるはずだしな、それでお前は何レベルだ?ヘルプにあった【転生】ってやつをやったんだろ?」
「そうだな、俺は【転生】した、それがどうした」
「それなら20レベルぐらいあるはずだよな?」
「そうだな」
本来そのぐらいのレベルのはずだ
全て予想の域を超えることはないがそこまでそれていることはない
レベルが低くてもよほど尖った種族でない限りステータスは同レベルの転生前の1.2倍程度だ
スキルはリセットされないし経験もリセットされないからあおいの強さは総合的に見ると
ルージュと同じぐらいの強さぐらいになるはずだ
「でもお前はソロプレイヤーだ。安全にレベル上げをしててはレベルが上がりにくい、普通通りにレベル上げをするにはクランやパーティーのバックアップが必要になる」
【転生】することによって
進化ができない種族でも種族を変更できる
ステータスを転生前の同レベルと比べて1.2倍まで上げることができるし
転生によってステータスの振り直しもできる
スキルもほんの一握りだけなら変えることもできる
だがレベルが低ければステータスは低いため高レベル相手とは戦えない
それにレベルを上げるのに必要な経験値の量は若干緩和されるが低レベルの敵相手でレベル上げをできるほど緩和されるわけではない
また、これまで使ってきたアバターとは勝手が変わってしまう
あおいはソロだ
まあ手伝ってもらうこともできたかもしれないが
こいつはそんなことはしないだろう
それに加えて多分だがあおいの能力的にスキルのレベルは低いだろう
普通の種族と同じようなスキルレベルだったら反則としか言えないからな
同レベルと戦う場合は有利になるだろう
でも格上と戦うならそれは足を引っ張る要因にしかならない
格上には決定打がない限り勝てない
俺の場合、師匠を倒せたのは切り札になるような能力の存在があったからだ
もちろん他の要因もあったがこれがなければ倒すことはできなかっただろう
だがあおいの場合、全て切り札が存在していない
スキル、装備の瞬時の変更、恐らくステータスも変更できるだろう
だが切り札は少なくとも今のところは存在していない
もしかすると魔力極振りとかそういうのを入れてるかもしれないがそれはないだろう
「なあ、あおい。そんなに相談できないのか?親友の俺はそんなものなのか?どうせレベルは一桁だろう?魔力を使うスキルがあまり使用できないんだろう?威力の低いものしか使ってはいけないのに癖で威力の高いスキルを使って、魔力が枯渇し負ける。そのようなことばかり起こっているんだろう?それにレベルの制限によって元々の装備が使えてないんだろ?もっと言わないといけないのか?それじゃあ、スムーズにスキル、装備、ステータスの変更ができないんだろう?」
呪いを吐くように言う
「・・・それがどうした?」
「なんで俺に言ってくれなかったんだ?どうせこのパーティーからもタイミングを見て抜けるつもりだったんだろ?」
もちろんトップからも離れることになるだろう
第二陣にさえも抜かれるかもしれない
でも自業自得だ
ステータスだけなら10レベル程度だろう
俺にさえも負ける、完全に足手まといだ
本来あるはずのスキルレベルの高さというアドバンテージを捨てているようなものなのだから余計にだ
そして俺は違うが他の二人はそれぞれ2陣と3陣のトップだ
余計に罪悪感も沸く
「なあ、俺に相談してくれよ、親友」
「お前今日、パーティーに誘った時から静かすぎるんだよ、二人には気付かれなかったようだが俺にはわかる」
「所詮俺はその程度なのか?」
「俺に弱さを見せれないのか」
「損得勘定でお前と付き合ってるわけじゃないんだ」
「その程度のことでお前とのつながりを切るわけないだろ」
「お前のためなら、全力で二人を説得する」
「それも無理ならお前と二人だけでパーティーを組んでもいい」
「なあ
頼むよ
信じてくれ
そして頼ってくれよ」
俺はあおいを見る
「その程度じゃねえんだよ!お前に何がわかる!お前は何でもできるけどなあ、俺にはそんな才能ないんだよ!勉強は中の上止まり、運動は得意でもないし、ゲームは絶望的だ、信用できる人としか付き合えない、臆病で何もなかった俺が唯一見つけたものだったんだぞ!俺は初めて一番になれた、それがその程度だと!ふざけるな!そんなこともわからないやつが俺の親友だと!?喧嘩を売ってるのか!俺はもうトップには戻れない!ただの足手まといでしかないんだよ!俺の汚点を補えるスキルをゲットした時、俺がどれだけ興奮したか分からないだろう!それが足手まといになった時の気持ちを理解できるわけがない!お前に嫉妬していた俺の気持ちは分からねえだろ!なんで上辺だけ理解しただけでそんなことが言えるんだ!頭の回転が速いんだろ!もっと考えてから
「もういいか?」
「俺とは違うんだもんな、0096番」
「おい」
「はっ、図星かよ」
「手始めにお前の親が自殺するぐらいまで追いつめてみようか」
「ちっ」
「お前何がしたい」
「お前に分かるはずがねえんだろうが!」
「んー、お前は俺に、いや周りの人に迷惑をかけたくないんだろ?」
こんなに分かりやすいのに分からないと言われるなんてな・・・
「怪しいやつと付き合わないのは、すでに付き合ってるやつに悪い噂が付きまとわないように、すでに付き合ってるやつへの怪しいやつからの接触をなくすために、俺をキレさせようとするのは俺とのつながりを切るため、親への対応を話したときにすぐ引き下がったのは親に迷惑をかけたくなかったから、俺がこんな話をするのを止めないのは離れる理由を分かりやすくして『しょうがないか』と思わせるため、二人に迷惑をかけないように二人がいるときには俺にほとんど話しかけないようにしてこの話を出せないようにしてた、なあそこまで俺たちのことを脆いと思ってるのか?」
「・・・」
「俺の情報を知りたがったのは、もしかしたら自分もまねできるかもしれないと思ったからだろ?」
「そうかもしれないな」
「もう一度言うぞ、頼ってくれよ俺たちに」
「お前に頼って何になる!」
「なあ、意地を張るのをやめろよ」
「ふっ!」
「ここか?お前が言ってた店は」
知りたいことは言ってくれたし
最後の一押しさえあればなってくれるかな
「ちっ、そうだよ」
「すいませーん」
ちりりん
最近では珍しい電子音ではない鈴の音が迎えてくれた
「いらっしゃい」
人のいい
と感じさせるような老婆が立っていた。
「何の用だい?」
「この装備を直してほしくて」
装備を外して店長と思しき老婆に装備を渡す
「ふーん、随分とひどい扱い方をしたものだね」
「いやー、分かります?」
「見た目だけなら新品同然なんだけど、内側から壊されてるような感じだね」
流石最新のAIだな
スキルでの消耗はそういう捉え方になるのか
「直ります?」
「誰に言ってるんだい?もちろん直せるに決まってるじゃないか、何でも屋のナディーとは私の事だよ!」
「いや、知らんけど」
自分で二つ名?を叫んだだけあってすぐに直って帰ってきた
「おお!ありがとう、お代は?」
「1000といったところか」
意外に良心的な値段設定だな
「はいよ」
着心地も変わらず、ちゃんと直っているようだ
まあその程度の違いが判る男ではないがな
「ありがと、おばあちゃん」
「また来てちょうだい」
「うん、また来るよ」
修理の価格が安いことは俺にも分かる、なぜこんなに安いことは分からないが
初回限定のサービス価格かも知れないな
「おーい、あおい?なにぼーっとしてるんだよ」
「あっ、ああ」
今さっきのことをまだ引きずってんのか?
「早いとこルージュとサイトと合流しようぜ」
「そう、だな」
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「というわけで、あおいはめっちゃ弱いから」
あおいの弱体化の件とかを教えながらサイトの武器のデータを作る
材料になるのはゴーレムを倒したとき入手できた、インゴット
三陣のトップ、二陣のトップが使うには若干落ちるらしいが、繋ぎ程度にはなるらしい
なるべく早めにいい金属を手に入れたいな
「なあ、おいしいお菓子見つけたぞのノリで報告していい内容じゃないだろ」
「そのたとえ面白いな」
「そこじゃない」
「それで何か問題があるのか?」
「ないよね」
「ないわね?」
満場一致だな(約一名を除くとする)
「俺は案内してくれればそれでいい、なるべくなら友人であるお前と共に」
「私はエンジョイ勢だから強さはそこまで気にしない」
「リア友とゲームだったらリア友を取るよ」
俺は若干不満だがまあ、あおいが喜んでいるならいいだろう
(あおい、その喜びを言葉に出せよ?)
(いや無理)
(本田さんに嫌われるぞ?)
(それはないだろ、ないよな?)
(どうだろうな)
目で会話しつつ、そこまで引きずっていないと分かりホッとする
(なあ、大丈夫だよな?)
別のことを引きずっている・・・
恥ずかしさと見栄、どちらを取るか存分に悩むがいい!
「なんか置いてかれてる・・・」
「私だけ完全に部外者みたいね」
「それはどんまい」
「三人の関係って何?とっても気になるわ」
「同じ学校の同学年?で友達ってところかな、あおいとサイトは幼馴染だったっけ」
「腐れ縁ってやつよ」
なぜそんな関係なのにゲームの開始にズレが起きたのだろうか・・・
数の問題なのか?
「それで俺たちのレベリングに付き合ってくれないか」
「「もちろん」!」
「ありがとうな」
男2人がお荷物とは・・・情けない
「それとなるべくなら先の街に行きたいもんだな」
「私も三陣にしては遅いから流石にレベル上げがきつくなってきたからちょうどいい」
そうなのか?
まあどうでもいいか
「あとは素材の更新もしたいからなあ」
「そういや、パ-ティー名って決める必要がないだけで決めれるんだよな?」
「そうだったはずだよ」
パーティー名を付ける気か?
「【七色の武器】ってのはどうだ?」
「?」
「俺の武器は全体を青色にしてる、ルージュは赤のだろ?白色の割合も多いが、サイトは黄色だ、シロの武器は、紫色だ、虹みたいだろ?それに足手まといの第一陣のトップがいて、それぞれの解放段階のトップが揃ってる、そしてそんなメンツと共にいる異常な初心者、いろんなのがいるだろ?鮮やかで色とりどりだから七色だ、それに俺たちは魔法主体の奴が一人もいないからな」
ちなみに魔法の方が人気があったりする
人気度はガチ勢かエンジョイ勢でかなり差があるらしいけどな
「そういや、シロは武器そのものだったな」
それがどうしたんだ?
「はい?今、シロが武器だと聞こえたんですが?」
「ん?言ってなかったのか?」
「・・・そういや」
「言ってなかったんだね」
「いや、言わない方がいいなって思ってたんだけど、2人に言ってから気付いたから・・・二人に言ったことも忘れてたし」
「昨日今日の事だぞ?大丈夫か?」
「問題ない、いつも通りだ」
「そのいつもが心配になるのは私だけかな」
「それは置いといて、ルージュ、この情報は絶対にバラさないでほしい、俺の弱点がバレるだろうし、そもそもそんな種族も見つかってないはずだからな」
「分かった」
「はあ、あんまり教えたくなかったのになあ」
「すまん」
「まあ、俺の不注意が原因だし、パーティー組んだんだからそのうちバラすつもりだったし、気にすんなって、それじゃあ、【七色の武器】結成だな!」
「景気付に次の街に行こうぜ!」
「次の街はご飯がおいしくないらしいからやめましょう」
そこ重要なんだ・・・
「それじゃあご飯がおいしいところは?」
「4つ先の街、あそこのご飯はおいしい、ここの方が好きだけどね。そんなことは言っていられないわね」
「あっ、意外とジャンクフード好き?」
「大好きよ」
お嬢様だからな、普段の反動の結果なのか?
「それじゃあ、みんなの予定を見て出発しよっか!」
「俺はいつでもいいぜ」
「お前宿題終わってるか?」
「まだだけどよ・・・」
痛いところを突かれた・・・
得意な数学以外は手を付けていない上に、手を付けている数学は半分しか進んでいないのだ
「でもよ、まだ夏休みは半分残ってるし余裕だぜ?」
「結構ゲームにハマってるみたいだしいつもより時間ねぇぞ?」
「修学旅行のためには仕方がないか・・・」
うちは私立だけあって修学旅行も豪華らしいが夏休みの課題を提出していないと行けないらしい
ただの脅し文句のはずだが、過去に実際に行けなかった生徒がいるとかいないとか
「しょがない、明日は勉強会よ!シロのうち集合!ルージュごめんね、のけ者みたいになっちゃって」
「気にしないで頂戴、それと宿題は大事だから、でも1日で終わるの?」
「流石に無理だよ、紙媒体での提出を強制されてるのさえ終わらしとけばあとはゲーム内でできるから紙媒体のものだけやるつもり」
「私もそうしよっかな」
「ゲーム内でなら一緒に宿題できるもんね!それじゃあ、明後日の午後にちょっと一緒に宿題やってみない?」
宿題を倒すために作ったパーティーじゃないんだけどな・・・
「それじゃあ、明後日の午後までに各自やることを終わらせて集合、食事も忘れずに、あとシロ装備は頼んだ。」
「任された」
「全員の宿題を少し片づけてから出発にしよう、次の街はリルリナだ」
こうしてパーティー最初の活動は宿題になったのだった
これで一章完結です
今後は文字数を減らすかもしれません、5の倍数日に投稿することにします、毎回とはいかないとは思いますがよろしくお願いします
それと一度全体の脱字などを修正したいと思います、かなり酷いので
人物紹介回みたいなときに出てきた
白金サラっていうキャラクターの件なのですが、
字は違うのですが配信者に苗字の方と名前の方が同じ方がいました
誠に申し訳ありませんでした。その二人との関係性は一切考えていないのでご容赦ください、批判が殺到したら変えるかもしれませんが基本的にこのままでいきたいと思います




