cross world
『cross world』
今から一年ほど前に発売され、総プレイヤー数は数十万にも及ぶ王道の『剣と魔法』のVRゲームらしい。このゲームのキャッチコピーは≪あなたの望む姿へ≫だそうだ。文字どうり、人間はもちろんのこと、エルフや獣人、人型以外も可能で、犬や鳥などの動物から、スライムやゴブリンなどのモンスターにもなれる
スキルやクラスを選ぶことによって同じ種族であっても全く違うキャラクターを育成することも可能な上に
膨大なデータの蓄積によって、正確な肉体の再現、人間の非人型生物への適合、AIの人間と同レベルの思考、現実とほとんど変わらないレベルの世界の構築、などが可能となっており、
もう一つの人生を歩むのと同じような体験ができるようになっている
何故そんなことを考えているかというと、友人からやらないかと前々から言われていて新しいデバイスが販売されたことをきっかけにやってみようと思ったからである。
今では当然のフルダイブ型のVRゲームの中でも特に自由度が高かったのと、これまでほとんどゲームをしてこなかったため、その道の先輩に教育してもらえるならと思ったので一緒にやりたいな。と言ってみたところみたところ、
何故かデバイスなどのプレイに必要なものが全てがそろってうちへ送られてきていた。けっして安くはない値段設定であり、発売されてから数日しかたっていない状態であることを除いても異常というかなんというかだったので連絡を取ったところ、
ビンゴ大会の景品として当たったかららしい
新発売のデバイスはすでに予約済みだったらしく、二台もいらんと男前にもほどがある振る舞いであった
ひとまず、今度何かおごっておくことにしよう
色々とやらないといけないらしいのだが初期設定などは全部やってくれたため非常に助かった。
細かいことはそんなに気にしないでいいと言われたのでなにも知らないが
何とかなるだろう!多分、知らんけど・・・
チュートリアルとかいうのがあるらしいのでいろいろやってから合流しようということだが先に進んでいても問題ないだろう
早すぎる気がしないでもないがさっそくログインしよう
デバイスを頭に被り、電源を入れる
ワクワクしてきた!
----------------------------
「ようこそ、『cross world』へ」
女神や聖女などと言われそうな儚げな雰囲気の美人さんが目の前にいた、背中に二対の翼を持ち宙に浮いている、
それにしても最新のフルダイブ型のVRは素晴らしいとしか言いようがない、以前使ってみた時よりも全てにおいて上であると断言できる、
目の前の女性だってそうだし、神界のようなイメージで作られていると思われる今俺がいるところだって細かい部分まできれいに描写されているにもかかわらず、若干の二次元的なデフォルメまでされている手の込みようは素晴らしい。現実では見ることのできないような空間に来れたことだけでもこのゲームを入手できた意味があると
「ようこそ!」
今度は怒ったように美人さんが挨拶してくれる
無視したからだろうか?睨まれている気がする
「よろしく、最初に何をやったらいいのかな?」
「最近の子は礼儀も分かんないのかしら?まあいいわ、私はアイリス、女神の一人よ。あなたたちの言うところの管理者権限保有AIね。早速、種族とスキルを決めなさい」
ふーむ、少し機嫌を損ねたのはまずかったかもしれない、まあ後の祭りだがな
せっかくだから人以外の種族がいいな
そして一番金がかかり調達が面倒なのは武器だと思う、だったら
「なあ、武器を使わない奴ってあるか?」
「あるわよ、体術系のやつとか、あとは非効率だけど魔法は装備をつけない状態で使えるから、うーん後は思いつかないわね」
「それじゃあ、体が刃物になっているような種族はあるか?」
「あるわよ、虫人族の一部やクマとか狼みたいな、爪とか牙を持ってる種族かな?あっ、あとはサイボーグとかアンドロイドみたいな機人種もいるわね」
どういうわけかどれもピンと来ないな、こういう時は勘に従ったほうがいいと決まっているのだがこの世界に詳しいはずのこいつが知らないのなら他はいないのかもしれないな
「あっ!ゴーレムみたいな種族なら体術系のスキルでも有利かもしれないわよ」
「どうでもいいことかもしれないが、今さっきの機人種とゴーレムは別なのか?」
性質は違うかもしれないが俺個人の考えでは、サイボーグとかアンドロイドみたいなのは、金属の体を電気の力で制御しているそれに対しゴーレムは、鉱物や岩みたいなのでできている体を魔力とか魔術みたいな力で制御している、と考えている
つまり、サイボーグやアンドロイドはゴーレムと動力や材質、複雑さ、など差はあれど本質的にはほとんど変わらないのではないかと思うのだ
「あなた色々面白いこと考えてるわね、でもね基本的に機人種とゴーレムみたいなのは別の種類になるの、でもね一番の差は魔物か魔物じゃないかなのよ、基本的にゴーレムは魔物で機人種は魔物じゃないわ」
「基本的にというのはどういう意味だ?」
「機人種が魔物になってしまうこともあるの、逆にゴーレムでも魔物じゃない子もいるわ、あっでも魔物じゃないから機人種になるわけでもないの、人種と付くにはね、高い知能を持っていることと人型であることが必要なの、だからね性能の低いのは機人種としては認められにくいのよ、そういうゴーレムは魔物ではないゴーレムって呼ばれることになるわ!それと反対に機人種として認められたゴーレムはね機人種のゴーレムってことになるのよ!それとね機人種から魔物になった場合知能が著しく低下するのよ、多分動力が変わることによる弊害か動かし方が根本的に変わることのどっちかだとは思うのだけどはっきりしてないけどね!あっまたどうでもいいことを言っちゃったわね、つまりね魔物になった機人種は機人種としての資格を失ってしまうのよ!そうなると元機人種のゴーレムってことになるわ」
何か、変なスイッチが入ってしまったのか、興まるでオタクの友人が推しについて熱く語っているときのようだと思ってしまったのは忘れるとしよう
それはそれとして、つまり全部ゴーレムってことなのか?
「あなた結構鋭いわね、まあ実際そうなのよ、でも人間だってお前らは全員猿だって言われたら嫌でしょ?そんな感じで一部の子はゴーレムっていう種類の中に機人種がいるってことはわかってるんだけど知らないふりをしてるっていう感じな、機人種の子からしたらさ、馬鹿で、遅くて、魔法も使えない、武器でさえも使えない、図体だけが取り柄のでくの坊ごときと一緒にされたくないってことなのよね、伝わるかどうかわからないけど私たちの世界に当てはめると、人間とゴブリンが一緒じゃんって言われるのと同じぐらい侮辱されてるって感じるらしいわ、みんな同じように創造されたんだからもっと仲良くしてもいいのにね」
いろいろあるのだろう、だがそこら辺がゲームのカギを握っているのかもしれないな
「そうね、あなたは気に入ったから言ってあげるわ!あっち側の子たちはね「心」があるの、あなたと同じように、人種だって普通の動物だって、そして魔物でもね、確かにあなたたちと違ってAIでしかも電子世界でしか生きることができない子たちよ、でもねそこには確かに「心」があるのよそれを忘れて欲しくないの、もちろん攻撃してきた子には反撃してかまわないし、狂った子はむしろ積極的に殺してあげて欲しい、だからね強制ではないけどなるべくならあっちの子たちにやさしくしてあげて欲しいの、それにその行いがいずれあなたにとっていい影響を与えることになると思うの、女神の1柱として、あの子たちの母としてお願いするわ」
いきなり聖母のような表情で言ってきた。さっきの興奮ぶりが嘘のような表情である、だがこのゲームの女神がそういうのなら従っておいた方がいいということなのだろう。それに目の前の女神と同じぐらい高度なAIが積まれている相手を軽々しく殺せるほども狂ってはいない
「そうか、忠告感謝する」
「ふふ、あなたみたいな人が増えればいいのにね、それとねダンジョンのモンスターとフィールドボスは別よ、彼らは戦い、勝ち、負けることが存在意義なのよ。他にはね、例えば盗賊のような犯罪を犯しているもの、彼らは奴隷に落として労働力として活用することぐらいしか利用方法がないのよ、軽い罪だったり仕方がない場合とかは犯罪者にはならないんだけどね」
「なあ、遮ってすまないが質問していいか?アイリス」
「いいわよ、なあに?」
「犯罪を犯した者は犯罪者ではないのか?」
「あなたたちとあっちの世界では違うのよ、あっちにはね、ステータスがあるのよ?そこに犯罪者と称号が刻まれるとその人は犯罪者と呼ばれるようになるわ、その称号はね、付いた人に犯罪を犯すように働きかけるのよだから犯罪の称号が付いた人はもう普通の人ではないの、わかったかしら?」
「なるほどな、続けてくれ」
「あとは敵対者ね、犯罪者と敵対者は進んで殺してほしい、見かけたらでいいわ、でもね彼らはとても私たちの世界にとって危険な存在なの」
「やっぱり、敵対者について詳しく聞くのはダメなんだよな?」
「ふふ、全部知ったら面白くないでしょ?それにね、私は全てを知ってるわけではないし、持っている知識が正しいかどうかも分からないの、だからあなたがきちんと考えて結論を出してほしい」
ふむ、ゲームの深いところの考察っていう訳か、面白い
それにしてもさっきからナチュラルに心を読んでくるな、まあいいけど
「別に心を読んでるってわけじゃないわよ?」
「は?そんなに顔に出ているのか?」
「うーん、なんて言うのかしらね、なんとなくわかるのよ、うん!なんとなく!」
うーむ・・・どうしようもないな!諦めよう、ひとまずアイリスにしか読まれてないのだから大丈夫だろう
「色々変なことばっかり喋っちゃったわね、早速種族の選択をしてちょうだい」
おっとそういえば途中だったな
体術というのも悪くないのだが、やはりピンと来ないな
やっぱり武器は使いたいし
虫族とか獣人もはっきり言って微妙だな、それならばゴブリンとかから始めた方がいい
機人種もロマンを感じる素敵な種族なのだがな、さっきの話を聞いたところ頭の固い連中が多そうだ
金属の体というのも面白そうなんだがなあ
あっ・・・
「なあアイリス、知性ある武器とかいう種族はあったりするか?武器なんだが、ただの武器じゃなくてだな、知性が宿っているという、ん?アイリス?おーい!アイリスー?」
おかしい、なんか震えている気がする、今まではすぐに反応してきたはずなのだが・・・
「おい大丈夫か?」
「やっっっっっと!この種族になってくれる人がいたわ!なんていい日なのかしら!プレイヤーが誰一人として選ぶことのなかったこの種族が、やっと!ああよかった!」
控えめに言ってドン引きだった、目の前で叫ばれて引かない奴がいるだろうか?いやない
「なあ、おーい!どういう意味か説明してくれ!」
「ええ!いいわよ!まずはねマイナーなものは基本的に私たちからは教えることはしないのよ、マイナーな種族は基本的にこのスクロールに書いてあるところから見つけ出すか、プレイヤーが私たちに聞いてくることでしか存在しているかわからないようになってるのよ!」
この情報は教えていいのだろうか、かなり大事な情報な気がする・・・
まあ、リリースされてから一年も経っているんだ、誰か知っている人がいるはずだ
「いいのよ、言うなとは言われてないし!あっそうだったわね!あなたの言った種族はね、マイナーな種族なのよ、だから今まで誰も選ぶこともなかったし私から言うこともなかったから、誰も選んでない種族なのよ、しかもね知性ある武器は私が提案した種族なのよ!武器そのものになれたら面白そうって言ってね!」
なるほどな、それならあの喜びようも少しはわかる気がする、まあ少しだけだが
「なあ、なんでマイナーな種族について教えないんだ?」
「えっとね、お父様が言うにはね面白いからだそうよ!それとね、もしかするとゲームバランスを崩してしまうようなものがあるから、だってさ!」
お父様とやらは運営なのかな?それにしても面白そうだからとは・・・
その人とは話が合いそうだ
「例えばどんなのがいるんだ?」
「言えるわけないでしょ!お父様に怒られちゃう!それじゃあ知性ある武器でいいのね?」
「ああ、いいぞ」
ここでそれ以外を選ぶとやばそうだからなあ、拒否権はあってないようなものだ
「あっ、そういえば!武器でいいのよね?防具じゃなくて、それにアクセサリーみたいなのもあるんだけど」
あっ、なんか嫌な予感が
『管理者の不適切な発言を確認、対象≪管理者権限保有AI:アイリス≫を一時的にプレイヤーより隔離します』
おっと怖いことになってしまったな・・・
まあ自業自得だ、あとで慰めてやらないといけないだろうが・・・
「ふー、酷い目にあったわ、お父様、あんなに怒らなくてもいいじゃない」
思ったよりも早かったな、時間を操作しているのかもしれない
「誰にだって失敗することはあるだろう?それよりも他に決めることはあるのかい?」
「そっそうよね!あとはね、武器の種類よ、剣なのか、斧なのか、杖なのか、弓なのか、それとも盾にしてみる?」
ふむ、そこはやはり日本人として
「刀っていうのもありなのか?」
「剣から始めれば刀に行きつけると思うわよ」
「それなら剣で頼む」
「わかったわ!スキルを選びなさい、全部でスキルポイントは10よ!それとね、種族で最初から決まっているスキルは【自己改造】と【技能適合(下)】ね、必要なら合計で10のスキルポイントに変えれるわよ」
ちなみに前者は文字どうり自分の形状や材料を改造できるというものらしく後者はその時点の形状にあった武術スキルに変更されるらしい、ちなみに最初に取ることのできるレベルの補正しか付かないようだ。かなり重いが、それほど優秀なスキルだということなのだろう
でもまあ自分が武器そのものならば、自分一人で動けるスキルが必要だろうな
「ひとまず【念力】ってあるか?」
「あるわよ、必要なポイントは2よ」
「あとは【分身体】とか【別身体】とか【実体化】みたいなのがあれば」
「あー、多分あなたの思っているスキルは【人型生成】だと思うわ」
【人型生成】は魔力を使って人型を作り武器の中にある意識を移すことのできるスキルらしい、ポイントを5も必要とするがしょうがない、
結果としてこのようになった
【自己改造】
【技能適合(下)】
【人型生成】
【全・微量自動回復】
【魔力技能】
武器になることによって損傷度というのも増やされるらしくそれなら全部回復できるものの方がいいと思ったからだ
ちなみにデメリットも大きく、習得に必要なスキルポイントが3ポイントな上に最初から習得できる回復系としては非常に効果が少ないらしい
それと魔法系のスキルを使うには【魔力技能】が必要らしいので
一応取ってくことにした
ただ今は魔法系のスキルを取るにはスキルポイントが足りない
え?【念力】何のことかな
それにしても、これは序盤中盤はひたすらにきついと思うけど結構いいのでは?大器晩成型だな!
「これでスキルは終わりだな」
「へえ、面白いわねえ、それじゃあ人型の容姿を設定しなさい」
面倒だからほとんど変更せずに髪の毛を黒髪に青色のメッシュが入れて、目の色を暗めの青色にした、強そうには見えないけど
元々身長が低くて童顔なので強そうに見えないのは変わらないか・・・
「できたわね?最後にステータスを振りなさい!全部で200よ」
【ステータス】
名前:---
種族:【粗悪な剣 Lv.1】
クラス:【見習い Lv.1】 選択したクラスによってステータスやスキルに補正がかかる。
HP:0/0 あなたの生命力を示します。0になると死亡です。
MP:0/0 あなたの魔力を示します。スキル使用時に消費します。値が足りないとスキルは使用出来ません。
STR:0 力の強さを示します。物理攻撃力・装備の重量の限界量に影響します。
DEX:0 器用さを示します。スキルの成功率・クリティカルの確率に影響します。
DEF:0 丈夫さを示します。物理防御力に影響します。
SPD:0 敏捷性を示します。身体速度に影響します。
INT:0 知力を示します。魔法の強度に影響します。
MND:0 精神力を示します。魔法防御力に影響します。
CHA:0 魅力を示します。NPCからの好感度・召喚・眷族に影響します。
それなら、ここをこうして、あっちはこれで、あそこはこうやれば
HP:30/30
MP:15/15
STR:27
DEX:25
DEF:20
SPD:40
INT:20
MND:20
CHA:3
これで完成だ、素早さを上げて気持ち攻撃力などを上げておいたが基本バランスがいいようにしておいた
魔法はあまり使わない予定だから魔力は低めにしておいたけど
まあ多分、魅力のNPCからの好感度への影響力ははっきり言って微妙だろう、それに召喚とかもする気はないし
「そうですね、第一印象がよくなるだけです、それに召喚とか眷族は魅力以上に運と相性が大事ですから」
だそうだ、なぜあるのか聞きたいレベルである
「でもまあ、あっちの住民とかからの好感度って結構大事ですよ、イベントとかクエストに関係してきますし、言葉が共通していない動物とのコミュニケーションなんて普通無理ですから、魅力の底上げは意外に大事ですよ」
・・・まあ、いいだろう
それじゃあこれで決定にするか
「お疲れさま、それじゃあ名前とスポーン位置を決めてね」
「名前は、そうだな【シロ】にしておこう」
「ふーん?まあいいわ、スポーン位置は、最初の人間の町、【アルファ】の大広場、それと、敵が湧く、草原と森、鉱山、人種以外は町の外から始めれるのよそれと種族的にダンジョンからスタートもできるわ、でもこのダンジョンって結構高レベルだからすぐ死んじゃうかも、まあ、ぎりぎり最初でも倒せるぐらいの敵の強さかしら」
ダンジョンはかなりリスキーだな、でも速くレベルがあげられるということでもある、恐らくレアな武器はダンジョンから出るからってことで追加されているのだろう
「ダンジョンからでお願いする」
「かなり大変だけど本当にいいの?雑魚相手でも本当にぎりぎりになっちゃうわよ?」
まあ何度も死にながらクリアすればいい話だ
「ああ、大丈夫だ」
「あなた本当に面白いわね、了解したわ」
そんなに面白いか?まあいいだろう、
「あっそうだわ、私の加護をあげる!私の提案した種族を選んでくれたからどんなふうになるのか気になるもの」
効果はレベルアップに必要な経験値の微減と特殊な種族やクラスの開放だそうだ
有用そうだしいつもなら喜んでもらうところだが
「そんなもんいらんぞ」
「うんうん、やっぱり欲しいわよね!」
「いや、だからいらん」
「え?なんて言ったのかしら?」
「だからな?いらないって言った」
「えっ!?そんな!みんな喜んで受け取ってくれるって言ってるのに・・・前にあげた子も喜んでくれたのよ?やっぱり私うざかった?ごめんね、もう消えるから・・・ぐすん」
なんか、こいつめんどくさいな
「その気持ちはありがたいけどな、アイリスに借りをあんまり作りたくないんだ、また会えるかはわからないけどまた会った時に、自分の力でやってきたぜ!とは加護をもらっちゃったら言いにくいからな、それに完全に上下関係ができちゃうだろ?アイリスとは対等な関係でいたいんだよ、俺は」
こいつ女神のはずだし、最初はなんか支配者階級らしさが出てたけど
今ではただの話の合うやつでしかないからな、そんな奴との上下関係なんて嫌だわ
ん?反応がないな、おっと?デジャブ?
「そうだったの?」
「おっおう、そうだぞ」
今さっきみたいに暴れなかったな
少し安心だわ
「今失礼なこと考えなかったかしら?」
「ソンナコトナイデスヨ」
「そう、まあいいわ」
おっと、心が読めるんだったわこいつ
忘れてた、
ん?・・・
ということは今さっき断った理由もわかってたのか?それなら今さっき泣いてたのは嘘だった?
同情して損したな
「私だって全部あなたの心を読めるわけじゃないのよ?」
「ふーん、でもなんとなくわかってただろ?」
「うっ、でも悲しかったのはほんとだよ?」
こいつがしおらしいとホント調子狂うな・・・
「そっそれじゃあ、ダンジョンに送るね?それでは、改めて『cross world』へようこそ」
「ああ、よろしくたのむ、世話になったな」
「ばいばい」
バイスに電源を入れた時と同じような浮遊感があって視界が暗転した
ステータス書いときます
名前:【シロ】
種族:【粗悪な剣 lv.1】
クラス:【見習い lv.1】
スキル:【自己改造 lv.1】
【技能適合(下)lv.1】
【人型生成 lv.1】
【全・微量自動回復 lv.1】
【魔力技能 lv.1】
HP:30/30
MP:15/15
STR:27
DEX:25
DEF:20
SPD:40
INT:20
MND:20
CHA:3