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第十一章 リラの精 - 扇情的に

「これで、どうでしょう?」

 

 そういって鏡を見せられる。


「・・・・尊敬するよ。」

 

 毎回毎回よくここまでできるよね。残念な見た目の私を。


「というか、珍しく白だね。しかもワンピース。」


 私の舞踏会の時の服はいつもフィアに合わせて黒だし、ロリィタ系なのに。今日はなぜかシンプルな真っ白なワンピースだ。いつもの服は嫌だけど、毎回フィアになにからなにまで準備してもらってるから・・・流石に、ね?用意してくれた服を着ないのは・・・マズイでしょ。というか、無理やり着させられるし。・・・本当は燕尾服とかがいいんだけどね。


「ええ。今日は・・・特別な日になりますから。」


 はぁ・・・?


「ところで、フィアはどうするの?」


 今のところ、いつも通りのロリィタ風の喪服だけど?


「・・・・今から着替えます。」


 ええー、大丈夫?間に合う?


「それでは、失礼します。」


 あ、うん。



 * * * *



「え?・・・お、おう。」


 フィアがカーテンを開けてでてきた。が、どう反応していいかわからない。


「えっと・・・未亡人に?」

「なにを言っているんですか?」


 いや、だってさ・・・


「なぜにお葬式のときの未亡人みたいなドレス?」

「それがなにか?」


 いや、いつももうちょっと華やかな感じが多いから。


「しかもなんかいつもよりボリュームがない?」

「そうですか?」


 なんか・・・スレンダー・・・。フリルとかも全然ないし。フィアも私も二人してかなり地味な感じ?つーか、二人で白黒じゃん。


「それにしては、メイクはばっちりだね。」


 いつも紫色の口紅を差してるのに、今日はワインレッドの口紅だね。しかもアイシャドウとかも紫でばっちり決めてる。


「ええ。」


 ・・・・あ、理由とかは特にないのね。


「似合ってますか?」


 え?そりゃあ、フィアぐらいの美少年に似合わないものはないでしょ。いや、今はどっちかっていうと美女だけど。


「うん。」

「そうですか。」


 妖艶な感じとかいいと思うよ。うん。普段はフィアは不気味な感じだからね。マネキンっぽさが今日は軽減・・・した、ような・・・?


「それじゃあ、いこっか。」

「はい。」



 * * * *



「ちょっと、フラン!!隠れない!!」


 私よりヒョロッと背が高いんだから隠れても意味ないから!!


「ほら、握手!!握手して欲しいって!!」

「吐きそうです。」


 もうカオスだ。


「隅に行きましょう。」


 ・・・・そうだね。まだまともになるかも・・・。



 * * * *



 ぱたぱたぱた


 火照った顔をフィアが扇ぐ。・・・・ちなみにその火照った顔というのは私の顔だ。フィアは汗一つ垂らしていない。それどころか涼し気だ。


「はぁっ・・・・。」


 扇子で顔を隠しながらため息をつくフィアはとんでもなく色っぽい。未亡人そのものだ。


「すみません、お化粧直しに行ってきます。」


 特に崩れてないし、いいと思うんだけどね。まぁ、私はメイクのことはからっきしわからないからなにも言えないけど。


「いってらっしゃい。」


 そういったときにすでにフィアの姿は隣になかった。




最終話まであと少し!!です。

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