第九話 徹夜の学校って最悪な気分
それからの事俺とホマレが気が狂ったかのように部屋中にバリアは張り巡らせた、漫画アニメのような魔力を消費する事や、簡単にいうと自分にデメリットは存在しない、がその変わりその空間に作り出したりできる魔法の数は決まっている、ただしその魔法は権限によって違ってくる、その権限とやらも学校の成績やらなにやらが関係してくる
「・・・なんか、いま思ったんだけどよ、俺達、すっげーくだらねぇ事したよな…」
「・・・うん、そうだね…」
あれから今朝の午前7時、その時間帯までずっとバリアを張り巡らせていた、冷静になった今、実にバカな事をした、そう思った、徹夜でこんなくだらない事をしているくらいだったら早く寝て早く起きろ、そう自分に言い聞かせたいところ、しかも今日から普通に平日で学校が始まるというなんともまぁ、最悪な初日だ
「っはぁ~…なんというか、いろんな意味で悪いなホマレ」
「…今に始まった事じゃないから大丈夫だよ…昔からナツムは心配性でそれに私が巻き込まれて最終的な無駄な心配だったって、そうなるから…」
目の下に隈を作り微笑んでいる、が流石に疲れたのか地面に寝転んだ、そして俺は思う、そんなに小さい頃から繰り返してるんなら心配性治せよ、と、だが治らないのが難点
「・・・はぁ~、最悪だな、昨日の食べっぱなしでなんも片付いてねぇよ」
「ふぁ~ぁ…今日は、もう仕方ないから、帰ってきてから片付けよう…ふぁ~、うぅ…これだと学校に行っても授業中に寝ちゃって行く意味ないよ~…」
目を虚ろとしながら眠気に勝とうとしながら着替えようとしているが真後ろ反対になっているというなんともまぁアホのような危なっかしいようなそんな感じだ
「…一応俺達成績とかそこら辺は悪いが出席日数とかそこらへんは別に悪くないんだからお前は休んでろ、今のお前を見てると危なっかしくて見てられねえよ」
「…確かに出席日数とかそこらへんは大丈夫だけどそこも悪くなっちゃったら救いようがないよう…ぁ、そうだ…ナツム~、氷でかいの一個頂戴~、それで目覚めるはずだから~」
眠気で頭が耄碌しているのか俺じゃなくどこか壁を見ながらそんな事を言っている、そこで氷一個だけじゃ足りねえだろと思い冷蔵庫から氷を五個取り出した、一個は口の中、残り四個は両目、頬、そして服の中にぶち込もうと思った
「お~い、ホマレ口開けろ」
「・・・ん?あ~ん・・・」
口を開けたところで氷を放り込みそして次に服の中に氷を一顧放りこんだ、今の季節は夏、だから腹は壊したりはしないだろと思った、そしてその直後あまりの詰めたさか耳をつんざくようなうるさい悲鳴が響き渡った
「っ!!な、ナツム、何するの!?冷たい~!!?」
「っうるせー・・・って目冷めたじゃん、あ、後これ頬と目な」
何か怒りながら言ってくるが無視し両目、頬とつけてやった、その事にも悲鳴をあげるかと思いきや悲鳴はあげず逆に心地よさそうな表情をしている
「あ~…冷たくて気持ちいい~…眠気が吹っ飛ぶよ~…」
「そうか良かったな、んじゃ俺も眠気が半端ねぇから氷一個っと」
そう言いながら氷を一個口の中に放り込んだ、するとその瞬間から中から冷たいのが脳天から足の先まで伝わり一気に眠気が吹っ飛んだ、ここまで眠気が吹っ飛ぶとは思いもしなかった、氷に感動した、そしてそれから数分間の間に朝食、着替えを済ませ家を出た、家から学校はあまり離れていないため自転車で行ける距離、中には電車通学している者もいる、その生徒達は皆家族と過ごしたいという希望で電車通学している、ちなみにホマレは自転車を持っていない為俺の後ろに乗りいつも通学している、そんな甘酸っぱい青春を送っているかと思いきやホマレは男というなんとも複雑な心境
「よっしゃ、ついたついた」
「氷で眠気覚めたと思ったのにやっぱり眠いよ~…ふぁ~ぁ…」
「その事については授業中とかに寝てくれ、俺は自転車置いてくるから先に行っててくれ」
「わかった~、じゃあね~」
ホマレはそういうと欠伸掻きながら校舎へと向かっていった、それを見届け自転車置き場へ自転車を置きに行ったところで
「よっ、ナツム~!ホマレはどうしたんだ~?」
「!なんだお前かよ、ミチル」
突然後ろから肩を叩かれ愕然としているかと思いきや知った声が聞こえ振り返った、そこには俺の友人、タカサキミチル、俺と同じクラスの成績普通、すべて普通というなんともぱっとしない男がいた
「っうわ、お前目の隅ひでぇな、ホマレと喧嘩でもしたか?」
「あいつと喧嘩なんてした事ねぇよ、ってちげえよ、昨日いろいろとあって寝不足なんだよ、ホマレは先に教室に行った、あいつも寝不足だから今頃寝てるだろうな、ふぁ~ぁ」
「なんだ~、先に行っちゃったのか、ちくしょー、今日はいったいどんな服装で来たのか楽しみだったのに~…後最初に見れると思ったのによー…」
ミチルが言う通りホマレは毎日毎日違う服装でくる、と言ってもたまに被ったりする事もあるが、そしてそんなに買えるほど金持ってたか?と思った事もあったがホマレの両親が金持ちのため月一回金をもらっている、ホマレと俺で分けなさいということで月に五万五万もらっている、そこで俺は別に使いもしねぇだろということで貰わずホマレに渡している、そしてホマレが貰ったもう五万は生活費に回している、別に生活に困ってはいないがいざという時のためにと思い、そして俺が渡している五万でホマレが服を買ったりしている、最初俺が使わないと言った時は
『っえ!本当!?ありがとう~!ナツム~!大好き~!』
なんて事を言いながら抱きついてきた事もあったりした、俺はホマレと違い特におしゃれに興味がないため金を使ったりする事がなく、どんどん溜まっていったりする、そしてその溜まった金でたまにゲームソフトを買ったり服を買ったりとするだけ、そしてそんな俺にホマレは
『おしゃれに興味ないのってナツムぐらいだと思うけど、まぁいいんじゃない?お金はとって置いても減るわけじゃないしいざ何か欲しい時に変えたりするしね~』
と言っていた覚えがある、今からしてみれば確かにそんな気もする
「まぁいいじゃねぇか、教室行ったらどうせ見れるんだしよ、後一番最初に見てるのは俺な」
「っお、お前はふくれないんだよ、って意地張るなよ、別に競争してるわけじゃないんだからさ!」
「別に意地は張ってねえ、ただ少し腹が立っただけだから」
「え、それってお前ホマレの事好きなんじゃ」
「お前いい加減その話題なんとかしろよ!?今日で何回目だよ!飽きるわ!」
「いやぁ~、これは朝の定番だからさ!」
そんなくだらないやりとりをしながら一緒に教室へ向かった、そしてあんの条ホマレは机にうつ伏せになり顔を伏せていた
「お~い、ホマレ、ミチルが来てるぞ~」
「・・・んぁ?あ、ミチルー…おはよぅ…」
「よっ、ってほんとだな、目の下の熊がひでぇや」
そんな寒いおやじギャグをかまし空気が凍ったところで朝のホームルームが鳴った