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第五話 初歩的バリア

そしてそんな冷徹な瞳でこちらを直視してくるサンミョウジレイカを俺も目を離さないよう見ていた、なんで視線を外さなかったのか、一番の理由としては何をしてくるかわからないからだったと思う


「痛~い!もう!いきなり力緩めないでよ!、ナツム?」


「!な、なんだよホマレ」


名前を呼ばれてる事に気づき乗っかってるホマレに聞いた、今この一瞬だけでも目を離してしまってはだめだと思いあの女の事を見ながら言った


「だから~いきなり力緩めないって、さっきからどこ見てるの?」


ホマレはそう言い何かを察したのかいきなり黙った、おそらく俺が見ていた先を見て黙ったのだろう、他に客がいるはずのにその客の事は忘れ、俺、ホマレ、クソお嬢様だけの空間が出来ていた気がした、密閉された空間の中で緊迫な状態が続いているようなそんな空気を


「っ・・・三明寺、麗華・・・」


上に乗っかってるホマレはそう言いながらそっと俺の上から退いては立ち上がった、それに続いて俺もあわてて逃げるかのように立ち上がった、緊迫した状態の中にいたのか立ち上がらるだけで足が竦み鼓動が早くなる、なぜそこまで緊張しているのか、それはあの女がこの店の中で突然魔法を使いこちらに放ってくる可能性があるからだ、周りの商品に対しての障害の事なんて気にもせずやりかねない女だからだ、壊してしまったとしても持ち前の金であっさりと無かった事にもできる、実際に目の前にいるこの女が数年か前に暴れ店を一件廃墟にしたという噂があるまで、そしてなんでそんな危険な人物が目の前にいるのか、なぜ捕まらないのか、その原因もすべて、金、だからである、実に腐った世の中で理不尽で不条理なやつだ


「おい、ホマレ、こんな事言うのもなんだが他の客に交じりながら買って帰るぞ・・・あいつなにしてくるのかわからねえが、流石に他の客巻き込む事はしねぇだろ・・・ただの一般人だしな」


「う、うん、そうだね、それじゃあ早くここから去ろうか・・・あ、でももしかして家を特定されて襲撃とかされる場合は・・・」


流石のホマレも不安なのか真面目な表情、そして冷や汗を掻きながら言う、ただ学生寮については大丈夫なはずだった、学生寮で能力使用は不可、また魔法の使用があった場合バリアが張られ警備員が特攻する、こういう規律があったはず、ちなみに能力とは学生一人一人が持つ固有能力である


「学生寮は大丈夫だろ、特定されたとしても能力は使用できねえし、魔法も使った場合バリアでなんとかなる、それに警備員がいる、これで平気なはずだろ、警備員は魔法を無効化する道具とかあるしな」


そんな事を言いながらホマレを安心させようとする、が実のところそんなものが本当にこの目の前の女に効くのかどうかが不明で心配だ、一応魔法を無効化する道具が効いたとする、だがその道具が使えなかった場合は?やばいのでは?と


「う、う~ん本当に平気なのかな?」


「っと、とりあえず平気だろ!ほら行くぞ!」


俺はそういうと他の客に紛れながらレジまで急いでカートを引きずり、ホマレにはあの女がこっちに来てないか見張ってもらっている、買い物をするだけでなんでこんな事に巻き込まれないといけないのか、そう口に出したいところだが今はそんな事をしている場合ではない、そう頭の中で考えた


「どうだ、ホマレ、どっかにいるか?」


「う、ううん得にいないよ、はぁ~・・・それにしてもなんで私達買い物しに来てるだけなのにこんな事に巻き込まれないといけないんだろ・・・学校だけで十分だよ…こんなの」


ホマレはそう口に出し言いながらため息をついてる、確かにその事については同意見というところ、私生活の中でもこんなめんどくさいやつに絡まれるなんてどんだけ運が悪いか、タイミングが悪いのかといいたいところ、とは言ってもあの女の起源が悪くなったのは俺の原因でもある、でもだからと言って後悔はしていない、自分が一番だと思っているあの勘違いお嬢様を論破できた、実にすっきりしていて、そして事実だからこそああやってキレている、これは変えようのない事実


「っま、まぁあのいつも俺達をバカにしてきてるやつが不機嫌なんだ、丁度言い様だろ、自分が今まで一番だと思ってた勘違い野郎が機嫌悪い、実にいいことじゃねえか!がはは!」


「・・・ナツムのその言い方だとただの妬みのようにしか聞こえなんだけど…まぁ、そうだよね、いつもいつも私達の事バカにしてそんな最低な奴が平然と学校で暮らしてる…うん、いい様だね、私達みたいな最底辺の人達の気持ちがわかったんじゃない?」


なにかどこか腹黒いような言い方をしているホマレに苦笑いしながら俺は辺りを見た、そこで本当にいなくなった事がわかり一息つこうとした時だった、背後に何か冷気のような冷たい風を感じたその瞬間


「随分とひどい事言ってくれるじゃない、ねぇ・・・」


耳元でそんな事を囁かれ俺とホマレは緊張のあまり固まりながら後ろを見た、そこにはあの女がいた、とてつもない気味が悪い表情をしながら、そこで慌てていたのかホマレは突然バリアの魔法を発動させた、とは言ってもその魔法は初歩的な魔法、普通の一般人でも殴れば壊れるようなしょぼい魔法


「っふぅ、ふぅ・・・」


「お、おいホマレ…」


突然のバリアに俺は慌てて声をかけた、それに対しこの女はごみを見るような眼でホマレを見ている、そして俺達の周囲にいる客はこちらを見ている、レジの人までも唖然としながらこちらを見ている、実に営業妨害様様だ


「・・・なにそのしょっぼいバリア、バカにしてんの?」


「!!」


そう言うと女は腕を振り上げバリアに向かって思いっきり拳を振り下ろした、仮に女、されど女、バリアに拳が触れた瞬間ガラスが割れるようにバリアは玉砕されそのままホマレの顔にぶつかりそうになった、がそこで俺は慌ててある程度予想していたためなんとか腕でクロスガードをすることはできた、かなり腕が痛い


「!な、ナツム!」


「っおいおい、いきなり暴力振ってくるとか、お前警官に突き出されてねえのかよ?なぁ?お嬢様とやらよ」


不安に押しつぶされそうになりながらも俺は頑張って意地として吐き捨てた、こんな事は脅しにもなにもならない事ぐらいはわかる、だがこのぐらい言わないとなにも言えない、そう思った





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