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第三話 努力をする時間なんてない

「お前のせいで服がびちょびちょになったじゃねぇか・・・」


「あはは、ごめんごめん!、まさか本当にお風呂の中にざっぱんってなるとは思ってなくてさ~」


実に本心から悪く思ってないのか笑いながら言っている、そこまで笑われると怒る以前の問題で溜息しかでなくなる、まぁ起こってしまった事は仕方がない、怒ったところで俺のストレスが溜まるだけだ


「お前、本当に悪いって思ってないんだな・・・まったく」


「あはは、っと、ほらほら、背中洗ってあげるからさ!上がりなよ!」


俺はそんな事を言われもう何かを言うのがめんどくさくなり、風呂から上がり頭、体を洗う事にした、背中はホマレに洗ってもらう事にした、いつもこんな様子で喧嘩したり、こうやって風呂に入ったりしている、それにしてもだ


「・・・おい、俺の背中になに体擦りつけてんだ」


「私は女じゃないからねえ、いくら擦り付けても特に問題ない!って思ってね!こうやって鉄板を擦り付けてるのさ!」


ホマレはそう言いながら胸、というより胸板をすりつけてくる、気持ちがいい、なんて事は思わず逆になんとも思わない、ただそんな事をされながらこいつの顔を見てみるとどうしても女がそういう変な事をしていて、でも胸なんかないですよ~と自己主張しているようにしか見えない、もし、こいつが本当に女だったとする、そしてこの胸板、鉄壁以前の問題でなにもないぞ


「・・・ホマレ、俺、お前が男でよかったよ」


「っえ、な、なに?いきなり、どうしたの?あ、そっか!やっと私のこの魅力的な体がわかったんだね!」


そんな事を言いながら変なポーズととったりしている、ちなみにだがこいつの性癖についてたが勿論、女が好きだ、何故か?証拠は?そんなもんこいつのベッドの下を見れば一目同然だ、エロ本まみれだ、女物のな!そして勿論俺も女が好きだ!


「あぁ!お前の体がほぼ女という事については十分魅力的だと思う、だがな!決して男のように逞しい体はしていない!つまり!一生可愛いと思われる事はあるかもしれないが、頼りになる人だとは絶対思われない!だははははは!」


俺はよくわからないテンションに任せそんな事を言った、自分で言っておいて意味がわからないし声でけえし、うるせえし、ほら見てみろホマレがすっげえドン引き顔になってるぞ


「な、ナツムどうしたの??病院行く?あ、風邪は引いてないみたいだね・・・」


「大丈夫だホマレ、俺のテンションと暑さで頭がおかしくなってただけだ、第一こんな夏に風呂に入るほうが頭いかれてんだ、だろ?」


額に額をつけてくるホマレを押し返しながらそう言い俺は風呂から出た、どうやら適当に言った理由はあながち間違っていなかったのか風呂から出ると冷たい空気がす~っと入ってきては俺を冷静にしてくれた、先程自分が言った事を思い返してみるととても寒気がする


「ふぅ~、ほんとだ、冷た~い!きゃきゃ!」


そんな事を思っている一方で後ろではバスタオルを巻きながらそんな事をやっているホマレを見てこいつの方がもっとやばい事してるよなと思った、小さいころからずっと一緒だった為か俺の頭はホマレのこの現状になれてしまいどうやら汚染されていたらしい


「おい、ホマレ、今更だけどお前その口調どうにかならねえのか、下のくっ付いている物に対して全然まったくあってないぞ、なにがきゃっきゃ!だ、まったく」


「っうぇ~・・・ナツムがやると気持ちわるぃ~、それにきゃっきゃ!じゃなくてきゃきゃ!だし!それにこの口調は小さいころからやってる事だから直す気もないし、直したくない!」


そんなどうでもいいことを舌を出しながら言うホマレに呆れながらもうでもいいやと俺はバスタオルで体を拭きリビングのソファーで涼むことにした



「ふぅ~、生き返る~・・・」


「だね~」


特に勉強、他するわけでもなくぼーっとクーラーに浸っている、そして俺の横ではホマレが寝転び涼んでいる


「・・・こんな事ずっとしてるから最下位になるんだよなぁ…なぁ?」


「ふぅ・・・、そうは言っても私達努力しても全然だめじゃん、この前だって魔法を使おうとしても下手で全然できなくて何時間も何日もやったのに魔法一つ習得できなかったし、努力なんかしてられないよ~家事とかもやらなくちゃいけないのに」


ホマレはそう言いながら足をパタパタとさせている、風呂上がりの為か髪の毛もまっすぐになり余計女、じゃなく男の娘になり、服も女物という、男のくせして色気が半端ない野郎だ


「・・・う~ん、確かに・・・ってもしかしたらみんなだって努力してるかもしれないだろ!?俺達が全然やってないだけで!」


「そうでもないよ~、私の周りの人達みんな魔法習ったその日に覚えて帰っちゃうし、私からしてみれば最下位は最下位だけで教室作ってほしいよ~、周りができてて私だけできてなくて泣きそうだもん・・・あ、ナツム、私の事慰めて?いいよね?」


わけのわからない事を言いながらこちらに抱き着いてこようとするホマレを押し返す、いくらクーラーがついてる部屋だからと言って群れるのはやめてほしいと思う、暑苦しい


「っそれについては確かにそうだな・・・って、ホマレお前昨日もう食材ないとか言ってなかったか?」


「む~って、あ、そうだ!さっきので材料全部使っちゃったんだ、あ、じゃあ私一人じゃ持てないからナツムも持ってね」


「あぁ、別にいいけど」


と一気に学校の話から私物に関しての話に変わる、もしかしたらこういう事が悪いのかもしれない、と思うが俺もホマレと同じでいくら努力をしても叶わない夢、そう思っている、最下位から抜け出す為には魔法を覚える必要がある、まずその魔法事態が覚えられていないという前代未聞の事態



「よしっと、ちゃんと閉めた、と、んで今日はなに買いに行くんだ?」


「えっとね~、なんでもいいよ、ナツムが食べたいもので~」


そして俺とホマレはさきほどの会話を忘れ買い物へ出た、ちなみにだが全く話が変わるが私服でもこいつ、ホマレは女装だ



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