第十二話 憂鬱な気分
意識を手放してからどのくらい時間が経ったのかわからない、ただ殺されそうになったような事は覚えている、いきなり突然攻撃され、対抗したが一方的にボコボコにされ屈辱を味わった覚えが、ただ覚えていない・・・
「・・・んぁ?」
薬品の匂いがする、辺りを見る限りここは保健室のベッドの上という事がわかる、そこで先ほどの事を思い出した、あのクソ女の事を全然まったく叶わずボコボコにされたことを、やり返しをしてやりたい所だが今はそんな事をしている場合ではないと思い起き上がろうとした時に腕に違和感が感じ見てみるとホマレが俺の腕を掴み寝ていた
「・・・そういや、ホマレに怪我はないんだよな・・・よかった・・・」
ホマレも怪我をしていた場合俺の怒りは二倍になりストレスの塊になり感情的になってやつあたりしてしまう場合がある、その為自分だけが怪我をした事に安心した、そしてあの女が爆発させた床は立ち入り禁止の札、キープアートゾーンの札が張られている
「学校を壊すとか、あいつ正気の沙汰じゃねぇな・・・いや、学校だけじゃなくて人がいる所だけどよ・・・」
そんな独り言を話をしている時にホマレが唸った、どうやら俺の独り言に目を覚ましたらしく起きた、授業時間に寝ていたはずなのによくここまで寝れるなとも思った
「・・・ん、っあ!な、ナツム大丈夫!?」
「あぁ、大丈夫だ、その変わり結構な時間寝てたせいで外はもう暗くなって憂鬱な気分だけどな・・・帰ったら洗い物とか残ってるし・・・」
家のテーブルの上に残してある食器を洗わないといけないと思うとより憂鬱になり、テンションダダ下がり、料理を作る事に関してはホマレに頼んであるが皿洗いは俺とホマレが二人でやる事になっている
「っきょ、今日はさすがにやらなくていいよ、ナツムも疲れただろうし・・・」
怪我大丈夫?と俺が蹴られた場所を服を脱がせ見てくる、教師が魔法で手当てをしてくれたおかげか大した怪我にはなってなかった、せいぜい少し骨がズキズキするぐらいで助かっている
「あぁ、大丈夫だ、湿布とか張ってれば治るだろ、それよりお前はなんかされなかったか?見ただけじゃ特になにもなってなさそうだけどよ」
ベッドから抜け出し上履きに履き替えそう言う、するとホマレは服を脱ぎだした、やっぱりどこか怪我したのかと思ったが
「見ての通り私は大丈夫だよ、証拠としてちゃんと脱いだからさ、ね?」
わざわざ証拠を見せる必要ねえだろとも思ったがこれも俺を安心させる為にやってくれているのかもしれないと思い頷く事にした
「なるほどな、いやぁ、よかった~俺だけじゃなくてお前も怪我してたらあいつへのやり場のないストレスをどこに発散すればいいのかわからなねぇよ」
「私からしてみればナツムを怪我させた事に今すごく腹が立ってるけどね、別に口喧嘩をしたぐらいなのにこんな殺そうとしてくるなんて異常者にしか見えないよ!」
ホマレはそう言いながらぷんぷんと腕を組み怒っている、確かにあのくそ女の煽り耐性みたいなのはなんとかしてほしいと思う
「・・・そういや、保健室の先生とかどこ行ったんだ??どこ見てもいねぇが」
「あ、うん先生達はあの女を拘束してどこか行っちゃったよ、多分あの女の親とかに色々報告してるんじゃないかなぁ、はぁ~、すごく面倒な事に巻き込まれたような気がするよ~・・・うぅ・・・」
ホマレはそう唸りベッドへだいぶした、ベッドが軋む音がすると共に時計を見る、時計はちょうど18時を示していた、そこで俺も溜息を吐きながらベッドへ寝転ぶ、寝転ぶ事によってにゃあ!なんて変な声が聞こえるが無視
「っちょっと~、ナツム~!重~い!華奢な私にそんな事したら潰れちゃうって~!」
「お前仮にも男なんだから自分に向かって華奢なんて言うなよ・・・まぁ見た目が女だけに華奢以外の言葉が合わねぇけどな」
そんな会話をしているうちにドアが開く音がした、そっちを向くと保健室の先生が帰ってきたらしい、だが何故か呆れたような顔をしている
「・・・はぁ~、何か悲鳴みたいな声が聞こえたと思ったらそんな事してたのか・・・そういうのは家に帰ってからやってほしいよ・・・」
そんな事を言われ今の俺の恰好を見てみるとまるでホマレを押し倒したようにしか見えない状態でいる、ホマレはホマレはニコニコ笑みを作っているし、なんともまぁ、なんだこれとしか言えない、そんな気分だ