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兄と生徒会

・・・はぁ。

あぁ、すいませんいきなりため息ついて。

改めて、渉です。

前回の話を見ていただいた人なら分かると思いますが俺の兄さんが帰ってきました。

しかも俺の学校の教師に・・・

詳細はこの後話しますのでとりあえず本編行きましょうか。


----------


「渉、これからは兄がずっと傍にいるぞ!あっはははは!!」


「ッ!!」

ベッドから飛び起きるように体を起こした。俺は手で顔をうずめて「夢か・・・」小さく呟いた。

朝からこんな夢を見るとは。疲れてるのか俺?いや、実際に昨日は疲れた。兄さんが家に帰ってきて母さんが引越し祝いと言うこともあってご馳走してくれた。

実家に帰省が果たして引越し祝いと言うのかが微妙だが、まぁそこまでは良かった。

問題は兄さんからの質問攻めだった。答えても答えてもずっと聞いてくる。質問が終わったと思ったら兄さんの過去の話、自分が学生の時だった頃の話とか・・・まぁ色々。

全部の話が終わったのは夜中の二時とかだったか、それは疲れも取れないわけだ。


ただ、兄さんが教師だったのは驚いた。そういえば兄さんの職業を聞いていなかったから。まだ理由は聞いていないけど、兄さんのことだから考えはあるんだろう・・・多分。

さて、目も冴えたし起きるか。ベッドから出ていき洗面所に向かった。

顔を洗っている間に気づいたがまだ時計を見ていなかった。朝起きて携帯を見るわけでもないからな、何時だ今は・・・

「おっはよう!渉の朝がこんなに早いなんて、二年前では考えられなかったことだ!早起きは三文の徳とも言うからね、今日の一文は朝僕に会えたことだとも!」


・・・早起きしなきゃよかった。鏡に映る俺とその後ろにいる兄さんは笑顔だった。

兄さんのテンションを朝から受け止めるのは少々骨が折れる、この人にテンションが下がると言う言葉はあるのか?

「いやぁしかし本当に早起きだね。まだ七時だよ、学校まではそれなりに時間はある。こんなに早起きして何をするつもりなんだい?」

七時か、いつもなら四十五分ぐらいに起きて八時出発だから結構早く起きたな。

「たまたま今日は早く起きただけ、いつもはまだ寝てるよ」「そうなのかい?まさか僕に会うために・・・」「違う」


こんなやり取りをしてると「朝からうるさいよ、何時だと思ってるの」葉月が目を擦りながら来た。

「葉月!兄妹が朝から出揃うとは何かに導かれてるとしか思えない。なんと愉快痛快だ、はははっ!」「うるさいって」

ちなみに葉月は兄さんに謎に耐性があり兄さんのテンションについていってる・・・と言うより諦めてる感じはしてる。俺もツッコミやめよかな、でも何故か無駄にツッコンでしまう、何故か。

「てか、兄さん学校まだ大丈夫?教師って早く行かないと駄目なんじゃ?」「おっとそうだった、転勤初日から遅刻はさすがにまずいからね。僕はそろそろ行くとするよ、また後で会おう、渉」

既に着替えを済ませていた兄さんは家から出て学校に向かった。


嵐が過ぎ去った、あの人に活動休止と言う言葉は無いだろう。

「お兄ちゃんって時雨しぐ兄に対してあんな感じだったっけ?」「どういう意味?」

「だって前までもっと邪険にしてなかった?時雨兄の言うことなんて耳を傾けようともしなかったのに」「・・・昔の話だろ、あの頃は俺も尖ってただけ。若かったからなぁ当時は」

「三、四年前でしょ」

でも、本当に若かったと思う。あの時見えてた景色は狭くて何にも興味を示さなかったから、あいつらとの居心地が良すぎて他に何もいらなかった。今思うと思考すらも放棄してた、大人になったな俺も。


「そう言えば何故俺はお兄ちゃんって呼ぶのに時雨兄さんの事は時雨兄って名称付けてるんだ?」「時雨兄はお兄ちゃんって感じよりもテンションの高い先輩みたいに捉えてるから。渉兄ちゃんの方がお兄ちゃんらしいもん」

「うん・・・うん?」


----------


登校時間が来て俺は学校に来た。もしかしたら兄さんが校門で待ち構えているんじゃないかと思ったけど特に異常は無くそのまま教室に着いた。さすがの兄さんも学校の教師だから目立った行動は出来ないか、俺の予想に反して安心は出来るかも。家で休む場所がほとんど無いから学校でぐらい休みたい。本来は逆のはずなんだけど。

席に着くと隣の席の佐奈が「おはよう渉君。昨日は大変だったね」同情された。

「昨日だけじゃなくて毎日こんな感じになるからな、大変なんて言ってられない」

「お兄さん渉君の家に帰省したんだよね、あのテンションがずっと続くのはちょっと私には重すぎるかな。それにここの学校の先生だからね、お兄さんの授業ちょっと興味あるかな」

昨日いたメンバーには兄さんはこの学校に来ることを知っている、みんな驚いてたけど。


「教科担当にはならないだろ、俺達の先生はもう決まってるから」

「そうだね・・・あっそうそう渉君」「ん?」「渉君って生徒会に興味無い?」

生徒会?佐奈から生徒会の言葉が出るのは少し驚いたな。

「急にどうした?」「もうすぐ生徒会の役員決めがあるでしょ、今の生徒会長の心ちゃんと私仲が良くて私を通じて渉君を推薦したいらしいの。だからちょっと話せないかな?」

生徒会長と仲が良かったのか。意外・・・とは思わなかった。佐奈は先輩や後輩、同級生にも顔が広い。人見知りしない性格と誰とでも仲良くなれる所から友人も多い。休日とかもスケジュールが結構埋まっていたりする。


「時間は取るけど前向きではないってことを伝えておいてくれ」「えっ!生徒会長が推薦してるのに!?」

驚くところそこかよ。「皆をまとめたり学校を良くすることは俺は向いてない。別になんでも出来るような人間じゃないから俺は」

「いやいや少なくてもまとめる能力は随一だと思うよ。圧倒的なリーダー力もあるし。

私も渉君が生徒会長なのはすっごく賛成するよ!」

「買いかぶりすぎだ。まぁ、考えてはおく」

それに今の状況で生徒会に入るのは色々とややこしいことにもなりそうだしな。


予鈴が鳴りほとんどの生徒が登校をしていたが・・・蒼とミカと鈴音の姿が見えない。

あの二人はともかく鈴音が連絡も無しにこの時間に来ないのは珍しいな。

普段なら俺よりも早く来て勉強か佐奈達と話してるのに、何かあったのか?

気になりだして俺は佐奈に訪ねた。「鈴音から連絡とか何も無いか?」「渉君の所にもきてないの?鈴音ちゃんマメだから遅刻とか休む時は必ず連絡来るのに、どうしたんだろ?」

あと少しでHR始まるぞ、大丈夫か・・・


と、思った時に教室の扉が勢いよく開き疲れ果てた三人が入ってきた。

「はぁはぁはぁ、やばかった・・・」

「はぁ・・・疲れた!」

「なんで私まで・・・」

三人が入ってきたと同時に本鈴が鳴った。ギリギリ過ぎるだろ。


「朝から疲れるのもうヤダ!走るのヤダ!!」

「走らされる俺達の身にもなってみろよ!俺はともかく鈴音は完全にとばっちりだからな!」

「いいけど・・・天使ちゃんもう少し余裕を持ってね」

「うっ・・・鈴音ちゃんごめんね、騒いでるところを家に来てもらって」

「あんなに隣の家で朝からずっとガヤガヤしてたら気になって行くでしょ。友達の家だから余計だし」

「その結果こんなに疲れるわけだけどな」


扉の前で三人話していると「蒼と天使はともかく鈴音がギリ、雪でも降るのかね」苺先が入ってきた。

「私も人間ですよ。失敗の一つや二つします」「いやまぁそれはそうなんだけど・・・」


「失敗は成功の美学!それを糧にしてさらなる高みを目指すのが人間と言うもの!!」

・・・この学校では聞き慣れない声が聞こえたな。いや、まさか。

「はぁ、しぐ君さぁ紹介の時まで待てなかったの?」「何を言う苺、自ら自己紹介をするのは当然であろう。タイミングなんてどこだっていいものさ」

「私のタイミングもあるからどこでもよくはない」

その人は教室に高らかに声を張りながら入ってきて黒板に自分の名前を書き出し

「皆、初めまして!!僕の名前は林翠 時雨!今日からこの学校の副担任として赴任した!何か困ったことや悩んでいることがあれば何時でも言ってくれたまえ、僕が全力で力になってみせるとも!以後よろしく!!」

マジで言ってるのか?兄さんがこのクラスの 副担任?絶対におかしい、なんでよりにもよってこのクラスなんだ。

それに俺達のクラス副担任は小川おがわ先生だったはずだろ、急に副担任変わるなんてありえないだろ。


すると、ため息を吐いて苺先が今の状況を説明し始めた。

「えっと、状況わかんないのは仕方ない。私もつい最近聞いたことだから。

まず小川先生についてなんだけど最近結婚したのは皆知ってるでしょ?それで愛でたく子供を授かったのよ、あぁデキ婚じゃないからね」

そんなプライベートのことを言わなくていい。

「だからしばらくは育休。このクラスの副担任がぽっかりと空いちゃった訳で、たまたま転勤で林翠先生が来たから学校の方針で先生が副担任に任命された。簡単に説明するとこんな感じ。

つまり、今日から副担任と小川先生が教科持ってた社会は林翠先生になる」

「簡潔にまとめてくれてありがとう!以後よろしく!!」

学校側絶対に面白がっただろ、兄と弟が教師と生徒の関係になることを。

「そしてそこの三人!遅刻寸前と来るのは青州時代にとっては誠に素晴らしい事だ!だが、一個人としてでは無く教師としてここは少し厳しく言わせてもらうのならば、もう少し余裕を持って来ることを勧める!社会に出れば遅刻など御法度、学校生活で遅刻と言うのは社会に出ても治らないもの!今のうちに早めに来ると言う習慣を持つこと!!」

鈴音達に説教まがいのことをしてるけどあいつら今日たまたまギリギリだっただけで普段は普通に余裕持って来てる。特に鈴音は遅刻なんてしたことないのに。まぁ運が無かっただけかもしれないけど。

ちなみにミカは五回に二回ぐらいは遅刻する常習犯。


「あ、あの・・・」鈴音が何かを言おうとしたが「いや!皆まで言うな、鈴音は遅刻をしたことが無い、蒼も遅刻はほとんど無く、天使、君は遅刻が多い。今回も何かしらの理由があっただろう。

本来であれば遅刻をしたならば叱るのは当然であるが今回は寸前ではあるがしていない。僕は何も叱ることなんてないよ。さぁ三人は早く席につきたまえ、HRはまだ始まってない!」

すると、痺れを切らしたのか苺先が手に持っている綴込表紙とじこみひょうしを兄さんに頭に手加減はしただろうが少し痛いぐらいの勢いで叩いて

「勝手に始めないでくれるかな?

ここは私のクラス私の生徒達私が担任なの、時君はあくまでも今日赴任してきた副担任、このクラスを仕切るのは私の役目、HRを始める権限は私にあるのよ、分かった?」

いつも冷静な苺先が半ギレになってる。よっぽど勝手に進められた事に腹たったんだろう。

「ははは、それは分かっているとも、僕はここの副担任。挨拶は少しやりすぎぐらいがちょうどいいものなのだよ」

「やりすぎでしょ、どう考えても。

ほーらそこの三人、そろそろ席につきな~」

こうして俺の不安な一日が始まった。


----------


昼休みが来た、思ったより何も無いな。兄さんの授業の社会もやったけど特に問題を起こすことはしていない、相変わらずのテンションだったけど。兄さんの授業を俺にしては珍しく寝ずに受けたけど分かりやすかったな。

要点をしっかり押さえつつも皆が飽きないように雑談も加える、先生としての素質はやっぱりあったんだな。

少し注意深くなりすぎたか、考えすぎもあまり良くない。俺も普段通りにしても問題ないだろう。


「あの渉君、ちょっといい?」鈴音が俺に話しかけた。「どうした?」「別に大したことじゃないんだけど、時雨先生って私達のことをあんなに知ってたのかなって」「知ってるって?」

「ほら、朝に私達遅刻しそうになったでしょ?その時に時雨先生が私が遅刻したことないって知ってたの。私だけじゃなくて蒼君と天使ちゃんの遅刻のことも、今日赴任してきた先生がそんな所まで把握してるのはちょっと違和感あるかなって思ったから」

・・・そっか、普通はおかしいって思うか。先生によっては名前すら覚えてない先生もいるから。

「それは兄さんが他の人とは違って記憶力がずば抜けてるから。基本的見たことは全て覚えて自分のものにする。

さらに言えば兄さんは取り組むことに対してかなり全力で取り組む、確か一度学校で文化祭をやると言ってたった一日でクラスの出し物をする案を百個ぐらい出してその百個全てに構成や資金、人の配置を組んだ事があるからな。クラスの人達のこれまでのデータを覚えることなんて造作もないことなんだろう」

記憶力では俺も同じ・・・俺以上だけどあそこまでの発想力を持って意欲を持って取り組むなんて俺ではとても出来ないな。

「・・・それって人間を超越してない?」「間違いない」「そこまでやるなんて時雨先生って天才なんじゃ」

「それと同じぐらい馬鹿のこともやってるからな、本当に天才と馬鹿は紙一重を表した人だよ」「渉君が言うとすごく納得出来るね」


まぁ断片的な記憶はこれぐらいしかない、そもそも俺は兄さんのことを・・・いや、今思い出すことじゃないか。


「そう言えば生徒会長に立候補するってやっぱり渉君はすごいね」

・・・・・えっ?「立候補するなんて一言も言ってないぞ」「あれ?佐奈が近々渉君と今の生徒会長さんとで話し合うから渉君が立候補するのかなって思ったから」

俺は佐奈の方を見るとさっきまで友達と話していたはずの佐奈が突然机に突っ伏して寝ていた。「佐奈お前な・・・」そう言うと寝ていた佐奈は起き始めて「ご、ごめんね。心ちゃんが推薦するからてっきりOK貰えると思ったから先走っちゃって鈴音ちゃんに生徒会長になるって言っちゃった」

俺はため息を吐き「別に鈴音だけだったらいいけど、ちゃんと確定してからにしろよ」

「はい、以後気をつけます」

佐奈の暴走には少し注意を払わないといけないな。


「渉君は生徒会には入りたくないの?渉君だったら絶対適任だと思うけど・・・」鈴音が残念そうに俺に聞いてきた。鈴音からそんな声を聞かされると少し堪えるな。

「入りたくない・・・訳ではない。だけど俺以上に適任がいると思うから入らないだけで、人の前に立つのは得意って訳でもない。

推薦してくれるのはありがたいし俺に期待してくれていると言うのも分かる。

まぁ、まだ断った訳ではない、適任が居なければ引き受けるさ」

前向きにではないけどな。生徒会長をやりたい人がやればいいんだから、立候補する人も少なからずいるだろう。

「・・・渉君がそうやって言うのなら仕方ないね、無理にやる必要はないからね」「私も明日心ちゃんに言ってくるね、無理言っちゃってごめんね」

「別に謝る必要はないだろ、何も悪いことはしてないからな」

夜にでも少し考えるか、結果は変わらないと思うけど。


「そう言えばなんで遅刻しそうになってたんだ?」「天使ちゃんの携帯が無くなったって朝から隣で大騒ぎしてたから私も様子を見に行ったら私も手伝うことになったんだけど・・・」

「見つからなかったってことか」「家に無かったから遅刻しそうだったから仕方なしに学校に来たけど後から天使ちゃんのカバンから出てきた」「本当に人騒がせなやつだな」


----------


放課後、普段となんの変わらない学校が終わった。兄さんが真面目に先生の職務を全うしていたのか、初日だから流石の兄さんも忙しかったのか、予想は積もるばかりだが平和に終わるのが一番だな。


さて、帰るか。鈴音は今日は女子会だったか、蒼と冬は確かCD買いに行ったな。

行動に移すと全員早いな、一人で帰るのはなんだかんだ久しぶりだな。

今日はまったりゆったりと帰るか。教室を出て下駄箱に行き靴を履き替えて校門を出る直前で・・・

「わ~た~る~!一緒に帰ろう~!!」

後ろからドタドタと走る音と大声で俺の名前を呼ぶ・・・別に振り返らなくてもいいか。

「振り返らなくても僕だって分かるなんて流石僕の弟だ!」

すごい勢いで回り込まれた。どうなってるんだ、授業の時とかは静かだったのに終わった途端にこれって。

「いや~先生と生徒と言う関係はなんとも歯がゆい、苺の止めがなければすぐにでも渉の所の直行していたと言うのに」

明日苺先礼を言っておかないと。恐らくこうなることを予想していたんだろう。

「てか、先生がこんな早く帰っていいのか?定時まだなんじゃないのか?」

「ノープロブレム!」「兄さん社会の先生だよな?」「と言っても今日は挨拶回りみたいな感じでね、早めに帰っていいって校長に言われてね。だから渉と一緒に帰ることにしたのさ!」

まぁ理には適っているか、帰る場所は一緒だし。「だったらさっさと帰ろ」「・・・あ、ああそうだね」


二人で帰るなんて今まであったかな、兄さん少し驚いてたな。昔と今とでこんなにも関係が変わるなんて俺も恐らく兄さんも思ってなかっただろうな、家族であろうと知らないことを知るのは勇気がいる。でも、それを聞いて初めて人を知ることが出来る。

俺にとって兄さんは・・・


「そうだ、渉は生徒会には興味がないのかい?」またその話か、今日はそればっかりだな。「もうすぐ役員決めがあるだろ?渉だったら生徒会長に相応しい人だと思うんだが」

「生徒会長が俺を推薦しているらしいけど別に俺は適任では・・・」

「適任かどうかなんて関係ないさ、渉は生徒会長から推薦されていると聞いてどう思った?」

「どう思ったって、それは・・・素直嬉しかった。俺をそこまで評価しているんだなぁって」

佐奈や鈴音には言わなかった、いや、俺自身も抑えていた。適当な事ばかり言って俺じゃない人の方がいい、なんて言ってたけど本当は口に出さないだけで褒められたり期待されたりすると、嬉しくはなる。

「その気持ちは渉だけのものだよ、無論生徒会長と言うのは生徒を代表する言わば学校の顔になる存在だ。一筋縄では行かない。興味がないのであらばやめたほうがいい。

でも、もし渉が興味が少しでもあるならば、それは渉が成長出来る一つの道なんだよ。やってみることで案外上手くいくことだって沢山あるもの、僕はそれが人生の楽しみ方の一つだと思うよ。

何より、生徒会長をしている弟を僕の誇りに出来るしね」


・・・誇りなんて、大袈裟だろ。でも、ようやく決心がついた。ここまで皆から言われたなら、期待に応えるしかないか。

「ありがと」兄さんには聞こえない声で発した。身内に感謝を伝えるのは少し恥ずかしいからな。

「・・・渉!さっきありがとう、と僕に言ったのか?言ったんだね!渉が遂に僕に感謝の言葉を!!」なんでさっきのが聞こえてたんだ!?ほとんど口に出していないものだったのに。

「なんてめでたい日だ、兄としてこれほど嬉しい日なんて無い!そうだ!今日は家に板前を呼んで寿司パーティーでも開こう、さらに今日は渉の感謝デーと言う日にしよう!この日は毎年パーティーだ!あっはははははっ!!」

「何勝手に決めている!家に板前なんて呼ばなくていい、寿司なんて頼むな!

大体なんだ俺の感謝デーって!果てしなくどうでもいい日だろ!いつも通り平和な日でいいだろ!!それに・・・」

「いや!今日という日はなんと幸福!そうだ葉月にも連絡しないと、僕と渉の関係がさらにさらに深まったんだから!!」

「人の話を最後まで聞け!!!」


----------


翌朝、学校に着き教室に入ると佐奈と鈴音はもう来ていた。「あっ、渉君おはよう」「おはよ」

二人で話していたのか。ならちょうどいいか。

「佐奈、生徒会長にアポはいつ取れる?」「え?今日にでも取れるけど」「生徒会長、推薦を受ける」

俺がそう言うと二人は見合わせて驚いてた、その気持ちは分かるけど。

「ど、どうしたの?昨日までやりたくないって・・・」「別にやりたくないなんて言ってない。ここまで期待されたらやるしかないって考え方を変えただけだ」

すると佐奈は椅子から立ち上がり「じゃあ今から心ちゃんにアポ取ってくるね~」と言いながら教室を出ていった。携帯で連絡すればいいだろ。

「で、昨日は何かあった?昨日の時点で決めてたんでしょ?」鈴音には隠しても無駄か、別に隠しているつもりはないけど。

「兄さんと話した、生徒会長になったら誇れるってさ。大袈裟な兄だよ、でも鈴音からも期待され、俺も興味は少しはあるからな。やってみるのもいいかなって」

やるからには本気で学校変えるつもりでやるけどな。

「渉君だったら絶対にやり遂げられるよ。頑張ってね」

鈴音は俺に笑顔で返した・・・少しキュンとしてしまった。その笑顔が欲しかっただけかもしれないけどな。

俺なりの照れ隠しで鈴音の耳元で「可愛かった」と、囁いた。

俺は席についたと同時に佐奈が戻ってきた。

「渉君!心ちゃんにアポ取ってきたよ、あれ鈴音ちゃん?」「・・・・・はわわわゎゎゎゎ」「鈴音ちゃんがすごい幸せな顔で真っ赤になってる、この短時間で何があったの?」

だから大袈裟だって。


----------


ふぅ、久しぶりだったから疲れた。

兄さんの回だったからより一層疲れが増した気がするんだけど、身内紹介するのってこんな感じだっけ?俺だけだろ。

まぁ語り手としては楽しかったかな。ちなみにこれから俺は生徒会長なのでよろしくお願いします。

それでは、また。疲れたから寝る。

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