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僕の好きな人

皆さんこんにちは、冬です。

今回の語り手は僕が担当させてもらいます、よろしくお願いします。

語り手を変わる時に蒼が「俺達で日本を元気に!」って意気込んでいたのですが、さっきまで何かあったのかな?

そんなことは置いておいて僕の身に起きた話をしますよ。

では、どうぞ。



平日の学校の休み時間、僕の目の前である二人は言い争ってた。

「だからなんで分からないのよ!人は絶対にマイタケの山の方が好きなのよ!!」

「分からないのはそっちだろ!普通はキクラゲの里の派が多数なんだよ!」

蒼とミカさんはチョコのお菓子の派閥問題で争いが起こっていた、二つとも美味しくて僕もどっちも好きなんだけど許さない人もいるんだね。

「キクラゲの里なんてチョコが覆いかぶさってくどくなってくるだけでしょ、マイタケの山はチョコの二層が重なって繰り出すハーモニーがたまらないのよ!」

「マイタケの山はチョコの部分少なくて物足りなくなるんだよ、キクラゲの里は最後までチョコたっぷりで満足するんだよ!」

この話休み時間にすることなのかな?話を聞いていなかったらなんでこんな話になってるか分からないし。

二人で言い合っていると思ったら突然二人共僕の方を向いて「冬はキクラゲ派だよな?」

「冬君はマイタケ派に決まってるよね?」「さぁ、どっち!?」

ぼ、僕に振られても、普通にどっちも美味しいからどっちもどっちな気がするし・・・

「えっと、どっちも好きじゃ・・・」「ダメっ!」食い気味で言われた、そんな気分によって変わるんだからどっちか決めろって言われても決められないよ。どっちつかずなのは自分でも分かるけど美味しいからしょうがないよ・・・


「おい、二人共もっと声を落として言い合え。うるさくて眠れないんだ」

渉からのクレームが来た。二人ともうるさかったからね。

「渉!お前はキクラゲ派だよな!?」「渉君はマイタケ派でしょ!?」それ渉にも聞くんだ。

「はぁ、別にどっちでもいいだろ。そんな事で言い争うなよ。第一本来はどっち美味くて共存し合うのがれっきとした姿になるだろ。

お前達のようにどっちが上でどっちが下だと言い争っていられてるこの二つのお菓子の気持ちを考えたことあるか?」

「それは・・・」「考えたことないかも・・・」

「お互いが手を取り合って二つで一つになる気持ちで、和解していけばいいんじゃないか?」

さすが渉、この数秒で二人を丸めこむように仕掛けてる。

「・・・あのさ、キクラゲも美味いけど、マイタケも負け劣らずに美味いな」

「・・・私もちょっと強情になりすぎた、そうよね、キクラゲもマイタケには無い良さがあるわね。こんな争いする必要も無かったのよね、だってどっちもそれぞれの良さがあって美味しんだから」

「そうだな、これから歩み寄っていけばいいんだな、悪かったな」「こっちも、ごめんね」


二人はお菓子を片手に握手を結んだ。見事に丸め込まれちゃってる。

僕は渉に近寄って二人には聞こえないように「やっぱり話術すごいね、二人の喧嘩をあっという間に止めるなんて」「くだらない理由で俺の睡眠の邪魔されても困るからな。さっさと仲裁しただけだ」

「渉らしいね、ちなみに本当はどっち派?」「マイタケ」

あっ、それはハッキリしてるんだ。

渉は席に戻っていった。僕も次の授業の準備しないと、僕も席に戻って引き出しから教科書を取り出そうとすると、僕の引き出しに白い封筒が入ってた。


見た感じ中身は手紙っぽいけど、表裏を見ても何も書かれない。

そもそも朝に来た時は無かったからいつ入った、って思ったけどさっき僕トイレに立ったからその時に誰かが入れたのかな?

この時代に果たし状?別に果たされること何もしてないし、なんだろ?

僕は気になって封を開けようとしたけど・・・封を止めてあるシールがハートになってる。

ハート見た時に急に変な汗が出てきた、いや、そんな、まさかだと思うけど、これってラブレターなんじゃ・・・

「キーンコーンカーンコーン」授業が始まるチャイムが鳴った、タイミング良いのか悪いのか分からない。誰も気づいてなさそうだし、この手紙が誰からかのかも予想出来ない。

と、とりあえず授業内容ノートにとらないと・・・


しばらく時間が経ったけど、集中出来るわけ無かった。身に入らないしさっきの手紙で頭がいっぱいになってる、先生の話すら最早聞こえなくなっている・・・

気になりすぎても仕方ない!手元にあるんだったら見ればいいだけだ。

一度皆に見られないぐらいの声で深呼吸して見ることにした。授業中だから公に見るのは怒られるから隠れて見ることした。

大丈夫、そもそもラブレターじゃないかもしれないし。封を開けて、中身を取り出すとやっぱり手紙だった。その手紙にはこんなことが書いてあった。

『雨宮 冬さん、私は佐倉さくら 有沙ありさ。突然の手紙は許してください、でも直接口にするのは凄く恥ずかしくて、手紙でなら気持ちを伝えることが出来ます。

冬さん、私はあなたに恋をしています。無垢な笑顔と嫌な顔ひとつせずに物事に取り組んで、何よりその優しさに惹かれました。

勝手に気持ちを伝えてごめんなさい、でも、見てくれたなら冬さんの気持ちを聞かせてください。放課後の屋上で待ってます』

・・・僕宛てか、初めて貰った。

それに佐倉さん、僕と同じクラスで何度か話したことがある。

なるほど、こんな気持ちになるのか、渉はたまに貰っててちょっと羨ましいとも思っていた。いつか僕も貰えたらとも思っていた。でも、実際は僕が思っているほど楽しいものではなかった。あの時、花梨さんに言ったことが僕に全部帰ってきた感じだった。置かれた状況を理解しても、何をしたらいいかは分からなかった。

まいったな、経験のない事がこんなに迷うこのだなんて。

「・・・ゆ・・・冬!」「えっ」先生が僕を呼んでいたらしい。全く気が付かなかった、迷いすぎだろ、僕は。

「珍しいな、冬がボケってしてるの。それでも授業はちゃんと聞けよ」「す、すいません」

まずは授業、とりあえずちゃんと受けよ。



授業が終わって昼休み、誰にも言わずに一人で屋上に行った。絶対に僕の顔いつも通りじゃいられない。

金網に寄りかかって座り込んだ。僕を好きに

なった佐倉さんがどういう返事を望んでいるんだろ、嘘はつけないし本当の気持ちを伝えたら傷つけてしまう。数時間後の未来をこんなに不安に思うなんてね、僕はどうすれば・・・


「何をそんなに迷ってんだ?」パッと横を見たらそこには渉がいた。音も何をなしに立っていたからちょっと驚いて「うわぁ!わ、渉?」必要以上に驚いてしまった。

「そんなに驚くことか?」「いつからそこに?」「さっき来ただけだ、どうした?見たところどこか悩んでいるように見えるが?」

なんで分かるんだろ、僕ってそんなに顔に出やすいのかな。でも友達を巻き込むようなことでもないからなぁ。

「別に悩んでなんかないよ、単にちょっと疲れてだけだから」「そうか、なら聞くが、さっきの授業中に見てたのはなんだ?お前が授業をボーッと受けるなんてほとんど無かったからな、気になって見れば引き出しの中から何かを見てたし、さっさと白状しろ」

誰にも見られてないと思ってたのに見られてた!やっぱり慣れないことはするものじゃないな、引き出しから何かをするのは。

渉には隠し事は無理かな、まぁ別に減るものじゃないから言っても大丈夫だと思うけど、果たして何を言われるか・・・

「・・・分かったよ、包み隠さずに全部言うよ」渉に今回の件を話した。



「ラブレターか、花梨の次は冬か。それに佐倉か・・・」渉も佐倉さんとは何度か話したことがあるらしい。たださっきの言い方的に佐倉さんと何かあったのかな?

「渉って佐倉さんと何かあった?」つい聞いてしまった。「いつかはこうなると思っていた。遅かれ早かれ佐倉が告白するんじゃないかと」

「・・・っ!」言葉を失ってしまった。なんでそんなことまで分かってるんだ。


「よく冬のことを聞いてきたからな。直接聞くのは恥ずかしくて俺に聞いてくることが最近はあった。だからもしかしなくても、佐倉は冬の事が好きなんだろうって思ってた。

聞くのは簡単だけど、聞いてしまえば彼女に対して失礼だ」

前から僕のことを気にかけていたんだ、佐倉さん、あんまり話したこと無かったけどシャイな人ってイメージは強い。勇気を出して僕に手紙を書いてくれたんだ。

「答えは決まってるのか?」「うん、決まってるけど・・・ストレート言って佐倉さんを傷つけてしまうのが、怖くて仕方ないんだ。でも嘘の気持ちを伝えるのはより傷つけてしまう。どうやって言葉にしようか、迷ってるんだ。渉だったらどうする?もし僕が置かれてる状況でだったら渉はどう判断する?」

何を聞いているんだ僕は、自分のことなのに渉の意見を聞くなんて。


「そうだな、少なくとも、今の自分の気持ちを素直に言う。たとえそれが結果として傷つけることになるとしても」優しく、言わないんだ。「傷つけても大丈夫なの?それが嫌だから僕はどう返事をすればいいか」

「それはお前が勝手に想像してることだろ。自分の言葉で相手が傷ついてしまう、なんて確証を持って言えるか?」

渉の言葉は僕の心に突き刺さった。

「他人が思ってることを完全に理解するなんて不可能だ。だからこそ人は自分とは違う人を理解しようとする、その人の事を知りたいし自分の事も知って欲しい。それが好意と言うものだ。

冬が本音で返事をしただけで傷ついてしまう、だったら手紙なんて書かないだろ。佐倉が今 本当に知りたいのはOKの返事じゃない、お前の、心からの返事と気持ちだ」

・・・僕の心からの返事?少し肩の荷が降りた感じだった。そっか、ちょっと考えすぎただけだったかもしれない。

相手の考えばかりを考えるんじゃなくて僕自身の事を考えなくちゃいけなかったんだ。

馬鹿だなぁ僕は。ようやく佐倉さんに対しての返事を見つけれたような気がするよ。


「・・・ありがと渉、ようやく心をまとめれたよ。もう安心して」

「そうか、ならいい。あんまり気に病むなよ、お前なりの答えでいいんだからな」

渉は気遣いの言葉を言ってくれて屋上から出ていった。

渉がモテる理由もすごい分かるよ、男気もあって優しくてイケメンで、男でも惚れるでしょ。さて、放課後を待つか。男としての大勝負だね。



渉は屋上の扉を開けた。そして静かに閉めるて階段の先を少し下ると階段で座っている人がいる。渉はその人を見ても立ち止まり声をかけた。

「不安、だったか?」「・・・な、何が〜?」

座っていたのは花梨だった。どうやら花梨は冬と渉の会話を聞いていたらしい。花梨は聞かれたことに笑顔で返した。だが、渉には分かったらしい。無理に笑顔を作っていることを。

「別に心配しなくても冬なら今からどうするかは分かるだろ。本人もそう言ってからな」

「な、何も心配してないって〜、渉君は疑い深いなぁ〜」「そっか、なら冬に佐倉は良い人だって言ってこようか?」

渉が少し突っつくと花梨は立ち上がって「それは駄目!それは・・・」

「いや実際良い人だから。でもその反応が答えだろ」

「・・・渉君は冬君が何を言うか分かるの?もし有沙ちゃんと冬君が付き合ったら、私は多分、素直におめでとうって言えないよ」


今にも泣き出しそうになる花梨に渉はこう答えた。

「冬がどう言うかなんて分からない。付き合うかどうかなんて、それは冬が決めることで俺や花梨がとやかく言う筋合いはない。結論付けるのは冬だ、俺はあいつの優しさで変に誤解を招くような言葉で返すなって言っただけで、誘導も何もしてないさ。ただ見守るだけだ。結果が出てからまた声をかければいい。冬も馬鹿じゃないだろ?」

渉は冬がどう行動するのかが分かっていた。と言うより予想出来た、冬がどういう人なのかどういう事をしたら丸く収まるのかを。冬の友人だからこそ理解出来るのだろう、良い選択を出来ることを。

花梨は渉の言葉を聞き、自分も冬を見守る事にした。

「そうだね、冬君が決めることに私達が出ることはないね」涙を拭い、渉に本心の笑顔を見せた。渉も安心して「さて、教室に戻るか」「うん、そうだね〜」

二人はその場を後にして教室に戻っていった。



放課後になって、僕は一足先に屋上で待つことにした。帰る時に僕が学校に残るって言ったら何かあるってにらんで蒼も残ろうとしたけど渉が強引に一緒に帰らせてくれた。

蒼の洞察力もすごいけど渉には感謝しかないね。


でも少し早く来すぎたかな、佐倉さん屋上に行く道には行かなかった、やっぱり心の準備が必要なのかな。それは僕も同じだから、来ていきなり返事をするのはちょっと難しいよ。

こういう時間は大切にしなきゃ、僕は深呼吸をして彼女を来るのを待った。


少し時間が経って静かな外の空間に階段を上がる足音が聞こえた。間違いなく僕を呼んだ人だ。高鳴る胸の鼓動を抑えながら扉が開くのを待った。

そして、足音が止み、ついに扉が開いた。扉を開け入ってきたのは、佐倉さんだ。

いつもは物静かで大人っぽい人だから対面になるとちょっと緊張する。

それでも、佐倉さんは僕のことが好きなんだね。今でも信じられないけど。

佐倉さんはずっと俯いて歩いている、僕のこと気づいているのかな?

ようやく歩みを止めて顔を上げると「えっ!ふ、冬さん!?どうしてここに?」

あぁやっぱり僕のこと気づいてなかったんだ。「どうしてここにって君が呼び出したんでしょ?」急にとんちんかんな事を言われると戸惑うよ。でも、ここは僕から話さなきゃ。

「手紙 読んだよ。まさか、佐倉さんが僕のことを好きだったなんて、想像も出来なかったし、今でも信じられないよ」

「・・・冬さん、私はただ気持ちを伝える方法が分からなくて、手紙で伝えました。でも後にすごい罪悪感に襲われました。どうして言葉で伝えなかったのか、文字では気持ちは伝わらないです。こうして冬さんが来てくれたことも奇跡に等しいものです」


謙虚な人だ、手紙で伝えるのもすごく勇気がいるはずなのにそれを罪悪感と捉えてしまっている。自分を責めないで欲しい、行動に移しただけでもすごく偉いと思うよ。

「伝えかたは人それぞれだよ。佐倉さんがこの方法だったら気持ちが伝わるって思って手紙を書いたんでしょ?嬉しかったよ、初めて貰った手紙がラブレターだったんだから。

文字でもきちんと伝わることだってあるよ、少なくとも僕は伝わるよ、佐倉さんが気持ちを込めて書いてくれたんだから」

僕は本心を話すの、佐倉さんは少し黙って震える声でこう言った。

「・・・やっぱりお優しいですね。ですが、私はこの場で言わせてください」

佐倉さんは僕の目を見て「私はあなたが好きです!どうかこの気持ちを受け取ってください!!」

頭を下げて・・・告白、嫌な気持ちにはならないよ。だって、僕を想ってくれて言ってるんだから。


お返し、とは違うけど僕の気持ちも伝えないと。

「佐倉さん・・・ごめんなさい、君の気持ちは受け入れられないよ」

これが僕の答えだよ。佐倉さんとは付き合えない。

「・・・どうして、ですか?」まだ震える声だった。まだ顔を上げない佐倉さん、僕も佐倉さん顔は見れない。でも、伝えなきゃいけない。

「僕にも、好きな人がいるから。

まだ気持ちを伝える整理がついてないけど、いつかはきっと、言わなくちゃいけない」

好きな人に僕なりの告白をするまでは誰かの気持ちを受け取ることは出来ない。


理由を説明すると、佐倉さんはゆっくり顔を上げて声には出てないけど涙がポロポロ零れていた。

また次の人が見つかるとか、元気を出してとか無責任な言葉は言えない。

今の僕が言える言葉はこれしかないと思う。


「これからも、友達でいよう」


振った僕から言うのは違うと思う人もいる。けど、このまま話さないとか気まづくなるぐらいだったら、僕から友達でいられることが唯一出来ること。

佐倉さんは少し驚いた顔をしていたけど、涙を拭って笑った。

「うふふ、冬さんから友達でいようって言われると思いませんでした」「お、おかしかったかな?」

「いえ、嬉しかっただけです。はい、これからも友達です!」

佐倉さんの顔は満面の笑みを僕に向けてくれた。良かった、傷つけてしまったのは変わらないけど、少しでも飽和出来て。

佐倉さんとの関係も崩れないようになったかな。

「では私はここで、冬さん、また明日お会いしましょう。それではまた」

僕に手を振って屋上を後にした。僕もようやく緊張が解れてほっとした。告白ってされる方もこんなにドキドキするんだ・・・いい経験になったかな。

なんか、蒼に悪いかな?僕の方が先に告白されたこと恨まないよね、大丈夫だとは思うけど・・・

「プルルルルル」携帯の着信が鳴った。誰だろ、電話に出ると

「冬、用事終わったか?」蒼からだった。

「うん、終わったよ」「なら早く来いよ。学校の校門で皆待ってるから」

「皆いるの?先に帰ってても良かったのに」

「別にいいだろ。友達待って何が悪いんだよ」

「・・・何も悪くないよ。待っててすぐに行くから」電話を切って、学校の校門に行くことに。渉の図らないなのかは分からないけど、でも嬉しかった。僕を待っててくれていたし何だか今は花梨さんに会いたいよ。


だって・・・好きな人に会いたいのは当たり前だと思うよ。



ふう、ちょっと喋りすぎたかな?

久しぶりに話す機会があるとついつい喋りすぎちゃいますね。

精神的に疲れました。まさか好きな人を言うなんて思ってませんでしたから、いや、本当に言うつもりありませんでしたからね。

さて、世の中大変な時期ですが、頑張っていけばきっと報われる日が来ますよ。

それでは、またどこかで、ばいばい。

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