表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/75

紀乃 追跡物語

こんにちは皆さん割と久しぶりになりますね。佐奈です。


前回まで私達の出番はほぼ無くて紀乃の話ばっかりでした、妹の幸せはもちろん祝福しますけど出番が少なくても欲しかった…


まぁそんなことは置いておいて今回はそんな紀乃に気になる私の話です。

まだ紀乃関係続くの?と思った方はいますと思いますが今回で一応最後です。


それでは見ていってください。



ここは私の家、私の部屋。一人椅子に座って一言も喋らずに座っている。

と言うのも、ここ最近気になっていることがある。

それは毎日紀乃の帰りが遅い。


部活だから遅いのは当たり前なんだけどどうにも前よりも家に帰るのが遅いんだよねぇ。

部活に力をいれてるのは良いことだけどあんまり熱心にし続けたらいつ壊しちゃうか分からないよ。あんな思いはもうしたくないし。


でもこの前部活は頑張るけど無理はしない程度にするよって言ってたから部活では無い気はする。これはつまり予測出来ることと言えば・・・紀乃に恋人?

いやいやそれはないはず、だってあの紀乃だよ、子供ときから私がついてなきゃいけない紀乃だし。最近は紀乃が私をリードしてくれてる事が多いけど。


でも万が一紀乃に恋人が出来たとしたら相手がどんな人か確かめなきゃいけない。もしチャラチャラして紀乃をたぶらかしてる人だったら私が一喝しなくちゃ!


私は紀乃の行動を探るために私自身が行動に移すことにした。



私は今日一日紀乃を監察、追跡することにした。学校で紀乃と話すことあんまり無いしそもそも学年も違うから会うことも無いし。

今の一年生がどんな子なのかも確認するいい機会だし。


休み時間に一年生の教室まで行って紀乃の様子を伺うことにした。

教室の扉からひょっこりと顔だけだし辺りを見たけど紀乃の姿がない。どこいったんだろ・・・もしかして休み時間に入ったから彼氏とイチャイチャしてるんじゃ!

「あれ佐奈先輩。何してるんですか?」

「え?あぁ志穂ちゃん」


明らかに不自然な行動をしていた私に気づいたのは志穂ちゃん。紀乃と志穂ちゃん仲がいいから色々知ってるかも。

「紀乃どこに行ったか知ってる?」

「紀乃なら自販機のジュース買いに行きましたよ」

「そっか・・・ちなみに誰と行ったの?」

「誰とって、友達とですよ。ほらこの前の転校生ちゃん」

「サンっ・・・るんちゃんだよね。お姉ちゃんが友達だから知ってるよ」


危ない、うっかりサンちゃんの名前を出しそうになった。最近天使の皆増えてるからどうしても名前を学校内でも行っちゃう。

この前もクラスでミカちゃんってナチュラルに言っちゃって怒られたから気を引き締めないと。


「紀乃に何か用でしたか?」

う〜ん志穂ちゃんだったら紀乃のこと大体分かってるし、ちょっと聞いてみようかな。

「最近紀乃に何かあったか分からない?どうも帰りも遅くて夜な夜な何か携帯見てニヤニヤしてるし、嬉しいことがあったら報告するのに隠してる感じがして、そんなに姉に言えないことなのかな・・・」

「佐奈先輩、紀乃何も聞いてないんですか?」

「え、何が?」

すると志穂ちゃんが少しだけ微笑みを見せた後に「いや〜実はですね紀乃に悪い虫がついたようなんですよね〜」


わ、悪い虫?どういうこと?言ってる意味が・・・

「つまるところ、彼氏ですね」


え?か、かか彼氏?いや、覚悟と言うかなんかこう色々考えていたけど、紀乃に彼氏が出来るって言う事が現実に起きている。私の可愛い妹に彼氏、紀乃に彼氏・・・

「志穂ちゃん、今日は紀乃のことをずっと見ることにするよ」

「佐奈先輩?」

「もし彼氏さんが紀乃に対して何かをしてるんだったら、私は絶対にその彼氏をぶん殴ってやるからね」

我ながら何を言ってるんだと思った。あまりに感情的になりすぎたって反省しないと、でも事実だから。

私だって暴力的なことだって言っちゃうよ。


「と、とりあえずもうすぐチャイム鳴っちゃいますから先輩も教室に戻って。休み時間までいたらまずいですよ」

困った顔をしている志穂ちゃんだったが冷静に私を教室に誘導した。

「そうねここは帰るわね」

私は自分の教室に戻った。



やっば〜ちょっと面白そうだからって紀乃の彼氏を悪い虫って言っちゃった。佐奈先輩あんなに怒るなんて。

どうしよこれ紀乃にバレたら私絶対に・・・


「志穂、はいこれ。頼まれたジュース」

「わぁ!き、紀乃」

「何そんなに驚いてるのよ」

「いや、別に」

紀乃にジュースを頼んでたの忘れてた。一旦落ち着こうとジュースを飲んだ。

「そういえばさっき遠くで見てたから分からなかったけど誰と話してたの?」

飲んでたジュースを吹き出しそうになった。

「ちょ、志穂大丈夫?」

「だ、大丈夫大丈夫」

でもまだ良かった佐奈先輩だって分かってなくて。とりあえず誤魔化さないと。

「さっきのは・・・知り合いの先輩だよ。なんか用があって来たんだって」

「志穂に知り合いの先輩なんていた?」

「さ、最近知り合ったばかりだから紀乃と面識無いよ、あ、あははは」

笑ってこの場をやり過ごすことにした。

「・・・そ、まぁそうなら別にいいけど」

紀乃は自分の席に戻った。なんとか佐奈先輩だと言うことにはバレなかった。

このまま何事も無く終われれば言いけど。



私は自分の机に突っ伏して頭を冷やして反省した。なんで紀乃をずっと見るなんて言っちゃったんだろ。彼氏さんを殴るなんて。

志穂ちゃん若干引いてたし。はぁ、自分で言ってて恥ずかしくなってきた、後で志穂ちゃんに謝っておかないと・・・


「佐奈ちゃ〜ん、どうしたの〜?具合でも悪い?」

私に花梨ちゃんが話しかけた。体を起こして無理やり笑顔を作って「え〜別に、何も無いよ」と、言うと花梨ちゃんは私の両頬に手を当てて

「もぅそんな笑顔ダメ!落ち込んでる時は誰かに相談するのが一番だよ〜私にも言えないの?」

花梨ちゃん・・・やっぱりいい子。

私は花梨ちゃんに今回のことを話した。


「ふむふむなるほど〜紀乃ちゃんに彼氏が出来たと〜。それでどんな人と付き合ってるのかが心配になっているんだね」

「うん。彼氏が出来たことに関しては姉の私が喜ばないといけないことだと思うんだけど、どうしても心配とか不安があってね、それで感情的になっちゃった・・・」

「う〜ん難しいところではあるとは思うけど・・・でも気持ちはすっごく分かるよ〜」

「分かるの?」

「だって今の私がそんな感じだし〜」


花梨ちゃんの言っていることがいまいち理解が出来ない。

「多分同じぐらいかな、私の弟の空が最近帰るの遅いんだよね〜。理由を聞いても答えてくんないし表情に出ないから顔色からも伺うことが出来ないし〜。

もしかしたら同じ現象なのかもしれないよ〜」

空君にも彼女が出来たのかな?無口な空君が告白の言葉をどうしたのかはちょっと興味あるけど、でも同じ理由で悩んでる友達がいるのは心強いよ。


そこで私は花梨ちゃんにこんな提案を。

「花梨ちゃん、今日バスケ部の練習見に行かない?」

「バスケ部の〜?」

「うん、二人の共通点はバスケ部。もしかしたら何か関係があるのかもしれないから」

本当は一人で行こうとしたけど花梨ちゃんも気になってるなら都合もいいし私も不安も少なくなるし。


花梨ちゃんは二つ返事で

「いいよ〜、見に行こ〜」

「よしそうと決まれば早速行動ね」

私は違うクラスのバスケ部の人に頼みに行った。花梨ちゃんからOKを貰って少しほっとしていた。一人だとちょっとね。



放課後、私は体育館の女子バスケ部が練習をしている場所に立って皆の練習風景を見ていた。

「ごめんね、急にお願いしちゃって綾芽ちゃん」今回はキャプテンの綾芽ちゃんにお願いして見学することに。紀乃のもう一人の保護者みたいな感じだから最近は紀乃のことで話が合ってよく雑談する仲になっているの。

だから今は普通に名前で呼びあってる。


「別にいいって。しかし佐奈ちゃんがバスケ部の練習を見学するなんてね。なになに?バスケに興味が出てきた?」

「そういう訳じゃ無いんだけど・・・日々立派になっている妹の成長を近くで見たくなっちゃって。」

「なるほどね。でも良かったよ紀乃の怪我が予想以上に治りが早くて」

紀乃の足の怪我はかなりのスピードで治り今はすっかりとバスケの練習を出来ている。お医者さんには試合に出るのは控えるように言われてるけど練習は問題ないと言われた。

長時間の酷使はダメだけど・・・それでも大好きなバスケが出来ることに紀乃はとても喜んだ。

笑顔の紀乃を見ると、私まで嬉しくなっちゃう。


って今回は紀乃のことを語るんじゃなくて監察するんだから。でも、見た感じあんまり変わった様子もないし彼氏っぽい人も近くにもいない。

彼氏を見つけて一言言ってやらないと。

「はいじゃあ五分休憩入れるよー」

手を叩き綾芽ちゃんはメンバーに休憩を入れることに。そしたら突然私が来たことに疑問になってる紀乃が私の元に来て

「お姉ちゃんもう帰ってくれない?やりづらい」

冷たい・・・やっぱり彼氏の影響で・・・

「ちょっと紀乃、せっかくお姉さんが来てくれたのにそんな言い方はないでしょ」

黄岬さんがフォローに入ってくれた。

「でも、お姉ちゃんがいると練習のプレーがブレると言うか・・・」

「人のせいにしない。本格的な練習をしてからそこまで日が経ってないんだからブランクはあるのは当然でしょ」

「それはそうですけど・・・」

なんだか邪魔しちゃってるみたい。でも紀乃がちゃんと成長出来てるのを確認出来たし成果としては上々かな。

「でもよく見れたから今日はもう帰るかな」

「え、もう行っちゃうの?」

「もうって一時間ぐらいいたよ」

私が帰ると言うと紀乃は慌てた感じになって

「お、お姉ちゃん私の言ったこと気にしてる?

別にまだいても大丈夫だよ」

ふふっ、まだまだお姉ちゃんっ子が離れないね、我が妹ながら可愛い。

「紀乃が頑張ってる姿見てもう満足だから。練習頑張ってね、先に帰ってるから〜」

私は体育館を後にした。


昇降口で花梨ちゃんを待ってると花梨ちゃんも来て、お互いの成果を言い合うことに。

「空君どうだった?」

「まぁ〜いつもと一緒と言えば一緒だったよ〜、でもなんかキレが良くなった感じはしたかな〜?紀乃ちゃんの方は?」

「こっちも一緒かな。元気になったのもそうだけど、いつも以上に楽しそうだったかな。なんだろこの違和感」

二人であまり結果が残せなかった。


これはダメだと思い私はついに強行手段に。

「花梨ちゃんこうなったら仕方ない」

「ん?」

「紀乃を尾行する!」

「それやっちゃって大丈夫なの〜?言い方変えたらストーカーだよ〜」

「まぁ犯罪行為スレスレなのは間違いないんだけど」

「犯罪行為だよ〜」


犯罪に手を出すのか迷ってると後ろから

「それでさ、今日の練習は・・・」

紀乃の声がした。誰かと話してる?これがまさか・・・!

「か、花梨ちゃんこっち!」

花梨ちゃんの手を引っ張って物陰に隠れた。

「なになに〜?」

「花梨ちゃん静かに!紀乃が誰かと歩いてくる」

物陰から顔を出して紀乃が出てくるのを待ってると、仲良く誰かと話している紀乃が出てきた、しかも最近見ないほどの笑顔で。

誰?誰といるの?よく目を凝らして見るとそこに居たのは・・・


「・・・空?」

紀乃の隣にいたのは花梨ちゃんの弟、バスケ部の仲間でもある、空君だった。

あまりの衝撃に思わず声をあげてしまった。

「ええええぇぇぇぇ!!」

この声は普通に聞かれた。突然の叫び声に紀乃がこっちを向いた。

「お、お姉ちゃん!?」紀乃と空君は驚いていた。でも自分達の姉がこんな現場を見ちゃったら驚くのは当たり前だけど。

紀乃は私達に近づき「なんでお姉ちゃんがここにいるのよ!」

「い、いや〜その、あの〜」上手い言い訳が出てこない・・・紀乃が怒ってる。

どうしよ、このまま嫌われちゃうんじゃ。


「空〜」

「・・・何?」

花梨ちゃんが空君と話してる・・・空君の声だよね?アニメの声みたいに可愛い。

「紀乃ちゃんと付き合ってるの〜?」

花梨ちゃんド直球で聞きすぎ!

「まぁ、うん」

・・・紀乃の彼氏って空君?

「ちょ・・・まま、ちょ、まま、ちょっと待て!ちょっと!空君なんで言ったの!!」

なんかの音楽ゲームみたいに紀乃がなってる。

「あれ、まだ言ってなかったの?」

「言ってないよ、元々言わないつもりだったし」

「家族にぐらい報告しろよ」

すると花梨ちゃんは怒った様子で「私には言ってないでしょ〜!」

「姉ちゃんには言っただろ?」

「言ってないよ〜聞いたけど答えてくれなかったじゃんか〜!」

「そうだっけ?」

姉弟が若干喧嘩してる。でも私も理由を聞かなくちゃ。

「なんで私に言わないつもりだったの?」

私は紀乃を問い詰めることに。


「・・・だって、私だけ彼氏出来たなんてお姉ちゃんに言ったらお姉ちゃん寂しいと思うから。お姉ちゃんだから私が彼氏出来たなんて言ったら絶対に心配すると思うし」

図星で胸に刺さる。

「だから、あえて言わない方がお姉ちゃんにとっても私にとっても良いのかなって思ったから・・・お姉ちゃんが嫌いになったとかそういうのじゃないから」

紀乃・・・私は紀乃を優しく抱いた。

「ちょ、お姉ちゃん恥ずかしいよ」

「ありがとう、こんなに私のことを想っててくれて。私は優しい妹を待てて幸せ者だよ」

もう紀乃だって子供じゃない。そう感じた瞬間だった。

私と紀乃のやり取りを見てた花梨ちゃんと空君もお互いに見合わせて笑っていた。



私達は四人で帰ることに。

「空君と話してるだけで最近遅くなってたんだ。話してるだけで遅くなるものなのかな?」

「別に雑談ばっかりじゃないから。空君にバスケのこととかも聞いてたらつい夢中になっちゃって遅くなるだけだから」

「空が早めに言ってたらこんな大事にはならなかったな〜」

「だからごめんて」

「空君そんな可愛らしい声してるの?これがギャップ萌え!」

「そんなテンション高く言わないでください。後このことは他言無用でお願いします、言ったら絶対にめんどくさいんで」

空君も良い子そう。これなら安心出来るかな。


「それにしても紀乃に悪い虫がついたから心配したけど空君なら安心だぁ」

すると紀乃が「待って、悪い虫って何の話?」

私は志穂ちゃんとの会話をそのまま紀乃に話した。

「そーだ!志穂ちゃんにお礼のメールしとかなくちゃ」

「・・・そうね」



一方、志穂は自分の部屋でゴロゴロとしていると佐奈からメールが来ていた。

「佐奈先輩?」

メールを確認したら「志穂ちゃん!紀乃となんだかんだ打ち解けたからもう大丈夫!

色々とありがとね〜」

と、メールが来ていた。まぁ半分忘れてたけど佐奈先輩が元気になって良かった。

さて万事解決したし推しの厳選でもしよっかな・・・佐奈先輩、私の話したこと紀乃に言ったら ?いやいやまさかそんなこと起きてるはずは・・・携帯からメールの音が。

恐る恐る開くと紀乃から届いていた。

「志穂、私が怒ってる理由は分かるよね?明日の朝でも昼でも放課後でも夜でもいいから私と顔を見合わせてね。

そうしないと・・・分かるよね?」

あ、あはははは、これは死亡コースかな。


後ほど急いで紀乃の家に行きすぐさま謝ったのは別のお話。



これで終わりです!

妹の恋愛事情はこんなに甘酸っぱくてこんなにも幸せになれるものなんですね。

最後にお姉ちゃんいつ彼氏作るのには相当応えたけど・・・まぁその内私にも。

それではまた次回お会いしましょう!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ