人狼と夏祭り前日
・・・よし、渉はいないな。
はい!と言うわけで・・・まてよ、本当にいないよな・・・よしいない。
はい、2回連続の語り手の蒼です。
前は渉に邪魔をされて結局二人でやるという結果になりましたけど、今度は一人です。
今回は夏休み編の最初、だから学校が終わってからの話になります。
まあ、今回は以前に比べてかなり緩くなっているので、よろしくお願いします。
と言うわけで、まぁ、読んでください。
・・・やっぱり下手だな。渉に頼めばよかった。
いやいや、渉には結構世話になっている!ここは俺だけでやらないと!
よーしやるぞー!
・・・大丈夫か?あいつ?
今日は夏休み前の最後の学校の日、体育祭が終わってからちょっとして期末テストがあったけど、中間よりも勉強したからなんとか順位も点数も上がっていた。
渉は言わずとも一位。
佐奈さんはこの前より少し順位が下がっていて点数も落ちていた。
笑顔を振舞っていたけど、どこか悲しそうな表情だったなぁ。
鈴音は、前よりも一つ順位が上がっていた、と言うことはあいつもベスト3に入れることになった。
やっぱり頭良いな、昔から成績も良かった。でも打倒渉だからまだまだ勉強するって張り切っていたけど、正直渉には敵いそうも無いと思うけど本人がやる気なのはいいことだ。
花梨さんと冬はどちらとも点数は上がっていたけどそこまで順位は上がらなかった。
そして、ミカエルはと言うと・・・
終業式が終わり、皆で教室で先生が来るのを待っていた。
俺らはいつものメンバーで話していた。
「夏休みか〜、気分よく夏休みに入れるね!
テストの結果も良かったし!」
「良かったって言ってもお前あんまり変わらなかっただろ」
「なんでよ、200点超えて90位代にも入ったじゃない」
ミカエルは確かに点数や順位は上がっているけど、下位ってことには変わりはない。
「私の家で勉強したかいあったねぇ〜」
あの勉強会が無かったら多分変わらなかっただろうな。
「花梨ちゃん、あ、あの時はその・・・ありがとう」
「全然いいよ〜、またいつでも来てよ〜」
相変わらず花梨さんはゆるいな、でもそういう所は結構優しいけどな。
「すごいよ天使ちゃん!点数と順位を上げることって簡単な事じゃないよ!」
佐奈さんやっぱり優しいなぁ〜。
あの後、俺は佐奈さんと別に何事も無く普通に話したりしていった。
佐奈さんは別にあの事に関しては告白とは気づいてなくて、ただの質問って捉えたよう。
良かった、もしあれを告白って捉えられてたら俺もう佐奈さんと話しかけれなかったよ。
やっぱり計画してやらないとダメだな、うん。
「佐奈ちゃん、か、感謝はしてるよ、それはもちろん、その、ありがとう・・・」
「いえいえ、どういたしまして」
「その、また何かあったら言って・・・別に恩返しとかじゃないからね!ただ困っている人を助けてあげる性格だから!」
「本当に!ありがとう!!」
「あ、そういえば駅前にあるパン屋知ってる?新しく出来たんだって」
「そうなの?」
「あそこのパンすっごく美味しいって有名なのまた行ってみない?」
「もちろん、行く行く!」
なんであいつあんなに佐奈さんと仲良くなってんだ?俺よりも仲良くなってねえか?いつの間にあんなに仲良く・・・
「あ、蒼?なんでそんなに目を怖くしてるの?」
「ふ、冬、俺そんなに怖かった?」
「うん、目つきが全然違った」
なんでだろ、佐奈さんと誰かが仲良くしてるとどうもイライラしたり、言葉では表せない感情が出てしまう。
でも、これを今冬に言ったら佐奈さんにも聞こえてしまう。
「いや〜最近寝不足だからちょっと目つき悪くなってたのかな?」
こうやってごまかさないと、本当の事は言えないし。
こう言ったら冬は心配して
「大丈夫?寝不足とか体とか肌とかにも悪いし、なにより勉強とか頭に入らないよ」
そんなに深刻に心配してくれなくても大丈夫だから、嘘だから普通に寝てるから。
「渉みたいな例外の人もいるけどね」
いや渉は例外中の例外だろ。今も寝てるし。
多分もう少しで先生くるし、そろそろ起こさないとな。
「おい渉、起きろ!そろそろHR始まるぞ!」
渉の体を揺すって渉を起こさせた。
机に突っ伏して寝ていた渉が起きたけど、まだ目を閉じていた。
「起きろよ!」
「起きてるって」
なんでこんなに眠れるんだよ、逆にすげえよ。
先生が教室の扉を開けた。
立っていた生徒達が一斉に席に座った。
「はーい、とりあえず一学期はこれで終わりだけど夏休みの宿題とかやらないと大変なことになるよ〜、気をつけるようにして夏休みを楽しむように。
私からは以上!またね〜」
そう言い残して先生は教室から出ていった。
この時全員が思った
「テキトーだな」
全員が帰る準備をしていると
「ねえ〜、今日また皆で家に来ない〜?」
花梨さんが俺達を家に来ないかと言ってきた。
「これから夏休みだから皆で遊ぶ事ちょっと少なくなるかもしれないから、今からいっぱい遊びたいの〜」
まあ、毎日会うわけじゃ無いから会う頻度は少なくなるな。
「確かにね、僕達皆で会う事は学校以外はあんまり無いから今日遊ぶのもありだね」
冬の言う通りかもな、学校以外ではこのメンバーほとんど集まらないからなぁ。
「よし!俺今日は何も無いから花梨さんの家に遊びに行けるよ!」
俺がそう言うと、皆も
「別に何も用事とか無いし、行こうかな」
「私も何も無いから大丈夫よ」
「勉強しないといけないけど、たまには息抜きも必要ね」
「僕も特に無いし行こうかな」
全員が行くことになった。
渉は帰る準備をして席を立って帰ろうとした。
俺は帰ろうとした渉の手を掴んだ。
「お前も来るよな?」
「いや、ねむ・・・」
「来るってさ」
基本眠いからとかはいつものことだからそう言う時は連れていくようにしている。
渉は口を開けたが、すぐに閉じため息を吐いた。
というわけで全員また花梨さんの家に行くことになった。
すると
「お姉ちゃん、一緒に帰ろうー」
クラスに佐奈さんの妹、紀乃ちゃんが来た。
「あ、紀乃、ごめん今から友達の家に遊びに行くの」
「え?あ、皆さんどうも」
紀乃ちゃんが俺達に頭を下げた。
「佐奈ちゃん、この子だぁれ?」
「一年生だよね?」
あぁそっか、前に紹介した時冬も花梨さんいなかったから知らないんだ。
「まだ紹介していなかったね、私の妹の白石 紀乃!」
佐奈さんが紀乃ちゃんの事を紹介すると
「いいよお姉ちゃん、自分で言うから」
「えーいいじゃん、自慢の妹なんだし」
ま、まずい、この展開は佐奈さんが泣き出すパターンだ、止めないと!
「あ、あの!・・・」
「それよりもさぁ〜」
か、花梨さん?
「紀乃ちゃんも一緒に来ない〜?」
花梨さん!?そんな初対面の人を誘うなんて!・・・
「・・・渉先輩も行きますか?」
「うん、渉君も来るよぉ」
そう聞くと紀乃ちゃんは渉を気づかれずに見て
「なら私も行こ、何も無いし」
なんで渉に・・・そっか、紀乃ちゃん渉の事が好きだったんだよな。前に告った事あったらしいけど結局渉は振ったらしい。
それでも紀乃ちゃんはあきらめてない、だから多分渉と一緒がいいんだろうな。
皆は知らないらしいけど。
「それじゃ決定だ〜、皆行こうよ〜」
こうして、紀乃ちゃんを入れた俺達は花梨さんの家に遊びにいった。楽しい時間だと思うけど今俺の家ではいろんな意味で大変な事が起きていた・・・
一方そのころ蒼の家では、ルシファーと蒼の母さん、風間 藍璃が掃除道具を持って蒼の部屋にいた。
「今どきの男子は部屋を綺麗にしとかないと女の子にも嫌われてしまう」
「とう言うわけで、蒼の部屋を片付けようと思います」
二人は蒼の部屋を片付けようとしていた。
「ありがとうルシファーちゃん、蒼はなぜか私を部屋に入れてくれないのよ。こんなに部屋も汚して、このままじゃミカエルちゃんも病気になっちゃう」
蒼の部屋は男子の中ではまだ綺麗にしている方だけど、女子から見たら汚いらしい。
「それに女の子も部屋にいるんだからもっと女の子っぽくしないと」
「蒼は本当に純粋な子って事が改めてわかりましたよ、寝ている時も何もしないですしね」
ルシファーは蒼と一緒に住んで純粋な心を持っているということを改めて認識した。
「でもあの子、女の子を部屋に連れてくることなんて幼馴染みの鈴音ちゃんぐらいだから、そういう事に関してはあんまり知らないんじゃないかしらねぇ」
「どうでしょうね〜」
藍璃がほうきを両手に持ち
「それじゃ、早速始めましょうか」
二人は部屋の掃除を始めた。
「もぉ、蒼ったらこんなに散らかして、このままじゃ部屋がゴミ部屋になっちゃう」
「今の男子校生の部屋って感じですね」
蒼に文句を言いながらも掃除をしているが、蒼はどっちかと言うと綺麗好きな方だから汚しているのはミカエルのほうだ。
ルシファーが来た時にはミカエルが色々と散らかしていたためルシファーは蒼が散らかしていると思い込んでいた。
しばらくして、蒼の押入れをルシファーが開けた。
「なんか色々とごちゃごちゃになってるわね・・・あれ?」
ルシファーがある雑誌を取り出した。
「何かな?」
「どうしたのルシファーちゃん?」
その内容とは・・・
・・・なんだ、今一瞬めちゃくちゃ背筋凍って寒気が起こったんだけど、何かな?
「着いた〜」
あ、もう着いたんだ。
全員が花梨さんの家に入って
「おじゃましまーす」
家の玄関に入るとたまたま玄関の前を通りかかった空君がいた。
その空君を見た紀乃ちゃんが驚いた表情で
「あれ、空君!なんでここにいるの!?」
自分の名前を呼ばれてこちらを振り向く空君はあまりわからなかったけど少しまゆを上げて少し驚いた表情をしていた。
「空と知り合いなの?」
花梨さんが紀乃ちゃんに聞いた。
「いえ、知り合いも何も私のクラスメイトですよ」
え!?空君俺達の学校にいたんだ・・・全然気づかなかった。
「へぇ〜そうなんだ、空はあんまり話さないから、わからなかったよ〜」
ほとんど無表情だけどな。
立ち止まっていた空君は二階に上がる階段に登っていった。
「あ、ちょっと!」
紀乃ちゃんがその後を追った。
「やっぱり空君学校でも話さないのかな?」
「友達とかいるのか心配だなぁ」
佐奈さんと冬は空君を心配したが
「別に友達はいるよ〜、何回も家に連れてきてるし」
この言葉に二人はホッとした顔になっていた。
いつか空君が話せる日がくるかもな。
「それより私の部屋に行こ〜」
花梨さんは先に階段を上がっていった。
俺達もその後についていった。
「で、何すんの?」
花梨さんの家に来たのはいいけど確かにやることは無いな。
「あ、じゃあ私これをやってみたい!」
え、佐奈さん?そう言って佐奈さんはスマホを見せてきた。
「これって人狼ゲームだよね」
佐奈さんが見せてきたのは人狼ゲーム。
人狼ゲームをざっくりと説明すると一番初めに全員の役割を決める、その役割の中に人狼と言う敵がいる、その人狼を当てるゲーム。
昼、夜があり夜は人狼が市民達を襲撃したり色々とする。
昼は誰が人狼かを決めて人狼と疑われる人を処刑する。
その処刑で人狼だった場合ゲームは市民側の勝利。
市民の数が人狼と一緒になった場合もしくはそれ以下になった場合は人狼の勝利。
役割のカードは市民、ナイト、占い師、人狼の4枚。
市民は一番多いカードであり一般的に何もしないカード。
ナイトは、夜に人狼から市民と占い師を守れるカード。ただし自分の役割しかわからないため誰を守るか慎重にしなくてはならない。
占い師は、夜の時に誰かひとり占ってその人が人狼か市民かが分かるカード。
そして人狼は、夜の時に誰かひとりを襲撃する。ナイトに守られたら襲撃失敗だがナイトを襲撃することも可能。だが人狼も誰か誰かがわからないため、襲撃も慎重にやらなくてはならない。
色々と説明しましたけど一言で言うと、嘘をついてる人を当てると言うゲームです。
皆に人狼ゲームを見せた佐奈さんは
「前からこれやってみたかったの、皆が揃ったらやるって決めてたの」
人狼は確かに大人数でやるからおもしろい。
「よし、じゃあやろっか」
俺は佐奈さんのやることには賛成だ、人狼って結構盛り上がるからなぁ。
「ま、まぁやってあげない事は無いけど・・・」
「暇だしやるか」
「結構な心理戦ね」
「楽しそうだね」
「うわぁ〜やるよ〜」
どうやら全員ルールを知っていたようだ・・・ってミカエルも知ってるのかよ、天界にもこういうのあるんだ。
というわけで人狼をやることになった。
「ゲームマスターは冬君でいいよね?」
ゲームマスターとはゲームを進行する人の事である。でもそれを冬にさせるのかな?
「別にいいよ」
いいんだ。
「それでは今から人狼をやりたいと思います。今から僕から右回りで役割を決めていきます」
えっと、冬から右回りだから俺は3番目か。
冬が役割を決めて、その次に鈴音が決めて、次に俺か。
佐奈さんのスマホで役割を決めていたけど佐奈さんのスマホ・・・いやいや、俺何かんがえてんだ、欲しいとか思うなよ!
気を取り直すか、えっと俺の役割は・・・市民か。まぁ普通だな。
俺は次の渉にスマホを渡した。
全員が役割を決めて冬の手元に戻ってきた。
「はい、全員が役割を決めました。
最近夜に連日謎の殺人事件が起こっていました。
恐ろしい夜が明け、朝が来ました」
今からこの中から1人犠牲者が出る、俺以外だろうな、そんなピンポイントに俺が・・・
「昨晩の犠牲者は・・・蒼さんでした!
蒼さんはゲーム終了まで話してはいけません!」
え、俺!?マジかよ今から話せないのかよ。
「それでは誰か人狼かを決めてください」
今からちょっとつまんないけど誰か人狼か俺も考えよ。
「まずは、占い師の人はもし黒だった場合は言って。白だったら言わなくてもいいよ」
冬がゲームを進行した。
しかしこれに対しては誰も反応しなかった。
これで分かるのは占い師が人狼を引いてなかったってことだけだ。
「とりあえずまずは誰かを疑わないと・・・でも誰だろう」
佐奈さんは誰かを疑うようだけど、確かに今は誰もわからないな。
「まぁ、誰かはわからないが、蒼が今噛まれたって事は少なくとも蒼を厄介と考えた奴じゃないか?」
わ、渉?俺を厄介にしてる人って言ったら・・・
全員がミカエルを見た。
「な、何よ、私は違うわよ、確かに不満はあるけどそれでも蒼を噛んだりなんてしないわよ」
「そうなの?」
不満はあるんだ、こっちは不満だらけだけど。
「それは嘘かもしれないわよ、もっとも佐奈や天使ちゃんも疑ってもおかしくないけどね」
す、鈴音?ここに来てのその発言は波紋を呼ぶぞ。
「・・・とりあえず誰かを投票するか」
「そうね、このままじゃいっこうに進まないからね」
「それじゃ、話し合いは終了、今から投票タイム」
投票タイムとは誰か人狼かその人の判断で投票され、一番多い人が処刑されるという。
全員が投票を済まして、誰か処刑されるか決まった。
「処刑されるのは・・・天使さんです!天使さんはゲーム終了まで話してはいけません」
あーやっぱりミカエルか。まぁしょうがないか、全員疑っていたんだから。
ミカエル・・・納得いってない顔だな。
「皆さん容疑者を処刑したにも関わらず再び恐ろしい夜がやってきました、僕からまた時計回りで役割ですることを回すよ」
ミカエルじゃ無かったのか、結構俺は疑っていたけどな。
残っている人のすることが終わった。
「昨晩の犠牲者は・・・佐奈さんです!」
さ、佐奈さん!?マジかよ、誰だよ佐奈さんを殺したの・・・許さないぞ!
佐奈さんも、驚いている、やっぱり許さない!
「じゃあ占い師の人・・・え、もしかしてやられちゃった?」
ここに来て占い師がやられたと言う事はかなりまずい状況だ。今残っているのは、人狼とおそらく市民の3人・・・人狼は少し有利だな。人狼さえ選ばれなかったらその時点で人狼の勝利。
市民は不利だな。
「まぁ、やられたならしょうがない、この中に人狼がいるって言うことだけだ」
「一体だれだろうねぇ〜」
「私は疑っている人は二人いるわ」
鈴音は頭脳派、渉に対抗できる人は俺の中では鈴音だけだ。この人狼は頭を使う、鈴音が人狼の可能性は十分にあるが、ここで鈴音は大きく勝負を仕掛けるつもりだ。
「私は、花梨ちゃんと冬君が怪しいと思うわ」
か、花梨さんが?冬は確かに少し怪しいけどここに来て花梨さんが怪しい理由はほとんど無いけど、一体なんで?
「まず、花梨ちゃんはここまであまり喋らずに黙っていたけどそれは自分が怪しまれないようにしているため、冬君は占い師の事を気にかけていた、いっけん私達の味方をしているように見せて自分も占い師がまだいることを確認していた。
この時点で占い師がいないことは確信している、これで有利に進めるわよね」
す、すごい、鈴音は事の進み方やすべてを見ていたんだ。流石だこれが学年3位の実力か。
しかし、冬も花梨さんも対抗してきた。
「待ってよ鈴音さん、僕はただ占い師が人狼を引き当てていたら言ってくれたらいいと思っただけで、僕は人狼じゃないよ」
「私は市民だよ〜、それに私はよくルールもわからなかったからあまり話さなかっただけだよ〜」
この二人が言ってる事が正しいのなら、鈴音は人狼である可能性はかなり高くなる。
「僕は逆にそういう事を言っている鈴音さんが怪しいと思うよ。
今まで言ってたことは全部決めつけだよね?それに全部鈴音さんが有利に進める話だから自分が人狼って事を外そうとしているとしか思えないんだ」
「確かにここに来ての鈴音の慌てようは怪しいな、人狼の可能性は充分だ」
冬と渉は鈴音が怪しいと思っている。
「私はね、鈴音ちゃんは確かに人狼かもしれないけど冬君も怪しいと思うよ」
花梨さんは冬を・・・アッー!もうわからなくなってきた!
すると、渉はここでの話し合いは無駄だと考えたのか
「とりあえず、投票だな。
このまま話し合っても埒が明かない」
渉の言葉に全員が納得したようだ。
ゲームマスターの冬からまた投票が始まった。
そして、処刑される人が決定した。
「処刑されるのは・・・鈴音さんです!」
やっぱり鈴音か。怪しまれていたからな。
「しかし、容疑者を処刑したにも関わらず再び恐ろしい夜が明け、市民と人狼の数が同じになったので人狼の勝利です!」
えっ、人狼の勝ち!?一体誰が・・・
「結局人狼って誰なの?」
鈴音が聞くと、以外な人だった。
「俺が人狼」
わ、渉なのか!?まったくノーマークだった。これが学年1位の力か。
「渉なの、全然気づかなかった」
「すごいね、渉君はやっぱり、私は冬君に投票したのに〜」
「やっぱりね、最後の投票、実は渉君に投票してたの」
鈴音はわかっていた、渉が人狼だって事が。
後から聞いたら鈴音は元々渉を疑っていたらしいが、ここで渉が怪しいと言ってしまったら渉の言葉で冬と花梨さんは渉の味方についてしまう可能性があるため、あえて二人を怪しいと言っていたが、冬が逆に鈴音を怪しいと思ったため計画は失敗に終わったようだ。
つまり今回の役割は、俺と冬と花梨さんと鈴音は市民。
渉は人狼。
佐奈さんは占い師。
ミカエルはナイトと言う事になった。
面白いから二回戦もやることになった。
また冬から右回りで役割を決める。
今回俺は・・・ナイトだ、えっと、最初にナイトは守る人を決めて人狼から守れるんだよな。
俺は・・・やっぱり最初は佐奈さんを守ろうかな、別にあれだよ、好きとかそう言うのじゃないから、ただ佐奈さんは戦力になるから守るだけだからね。
「最初の犠牲者は・・・渉さんです!
渉さんはゲーム終了まで話してはいけません」
今回は渉が最初か・・・大きい戦力を失ったよ。渉ほど即戦力になるやつなんてあんまりいないからななぁ。
「それでは話し合ってください」
う〜ん、渉がやられたらのは予想外では無いけど、人狼は結構考えている人だってことは分かる。そうなってくると、鈴音か冬?
「まずはやっぱり占い師の人は黒だったら言って」
冬が話を進める。
やはり誰も名乗らない。まぁ最初から当たる人なんてあんまりいないからな。
「また話が進まなくなったね」
「どうするのよ?」
すると冬がここで
「じゃあ、僕はここは吊られるよ、さっき結構楽しんだしね。
ちなみに僕は市民だよ」
冬、ここに来て自分がやれるようにするなんて流石だな。
「じゃあお願い」
今回は冬が処刑された。
「容疑者を処刑したにも関わらずに再び恐ろしい夜が明けました」
恐らく冬は市民だ。嘘では無いと思う。
俺にスマホが渡されたけど、どうする誰を守る?佐奈さんが人狼だって可能性はある。でも、俺は佐奈さんを守る。だって佐奈さんはさっきも人狼にやられたから、今回は俺が守らないと。
そして、冬の手元に戻り
「昨晩の犠牲者は・・・花梨さんです!」
花梨さんが今回の犠牲者か、まずい、ますますわからない。
「それでは話し合ってください」
開始早々佐奈さんが手をあげて
「私は占い師です!」
占い師?ここに来ての占い師は心強いけど誰を占ったんだ?
「最初は花梨ちゃんを占って違ったんだけど、次に鈴音ちゃんを占ったら・・・人狼は鈴音ちゃんだったの」
やっぱり鈴音だったんだ。流石佐奈さん、感のいい。
「佐奈、私は市民よ。自分が人狼じゃ無いって私を売らないで」
「す、鈴音ちゃん?」
「勝負に出たわね佐奈。ここで私を人狼と言って私を処刑しようとしたけど、私は引っかからないわ。
こう言う事を言うのは人狼の人だけ、つまり佐奈が人狼よね」
これは・・・佐奈さんを信じるか鈴音を信じるかの二択に縛られたのか。
単純に考えたなら俺は佐奈さんを信じて鈴音を疑うが、鈴音ほどの頭がきれる人がこんな見え透いた嘘をつくか?
そうなってくると佐奈さんが本当に・・・
「でも、鈴音ちゃんは市民で佐奈ちゃんは占い師って言ってるけど、これが本当なら鈴音ちゃんを疑う理由はあんまり無いけど、人狼って言いきっているから、私は鈴音ちゃんを疑う」
ミカエル、お前・・・俺も便乗させてもらう。
「確かに佐奈さんが占い師って確率はかなり高いね、嘘をついて無いかも」
俺が便乗すると、鈴音は
「て言うか蒼君だって結構怪しいよ、天使ちゃんは市民だって事はわかるけどあなただけはまだ何かわからないもん」
まさかの俺!?この中だったら一番怪しく無いのに!
「俺は絶対人狼じゃ無い!」
「じゃあなたは何なのよ?」
「俺はナイトだよ!」
「じゃあ誰を守ったのよ?」
「えっ・・・それは・・・」
言えない・・・佐奈さんを二回連続で守ったなんて言えない。
「誰なのよ?」
・・・あっそうだ!
「最初は佐奈さんを守ったけど、二回目は天使を守った」
この手があったか、俺ナイス!
「なるほど・・・このままやって多分時間の無駄ね、投票しよっか」
これでどちらかが嘘をついてるってことが分かる。
スマホを皆で回し俺の手に渡った。
俺はやっぱり佐奈さんを信じたい、だから俺は鈴音に投票する。
「処刑されるのは・・・鈴音さんです!」
鈴音がか。
「皆さん・・・昨晩の犠牲者はいなかったので鈴音さんが人狼だったことで、市民チームの勝利!!」
よし!勝った!!
「まったく佐奈が私を占うなんて思ってなかったわ、意外だったわ」
「本当はあんまり占いたく無かったけど、もし人狼だったら多分勝てないと思っから占ったの、そしたら本当に人狼だったからびっくりしちゃったの」
じゃあ占い師は佐奈さんだったんだ。佐奈さんが言ってたこと正しかったのか。
今回はだから
ミカエルと渉と花梨さんと冬は市民で
鈴音が人狼で佐奈さんは占い師。
そして俺がナイトって言う事だ。
この後結構人狼をやって、時間がたった。
「いい時間だし、そろそろ帰らない?」
鈴音が提案した。
「確かにもうこんな時間か、楽しんだし帰るか」
「蒼が帰るなら私も帰らないと」
「うん!楽しかったよ!」
「帰って寝よ」
「こんな遊んだのは久しぶりだ」
「今日は皆ありがとね〜」
皆もう帰るらしい。
「紀乃、空君と何してるんだろ?」
佐奈さんは部屋の扉を開け
「花梨ちゃん、空君の部屋どこなの?」
「私の隣の部屋だけど?」
「もしかしたら空君と何かあって、喧嘩してるかも・・・」
「そっか、とりあえずじゃあ私も行くよ」
佐奈さんと花梨さんは空君部屋に行った。
「私ちょっとトイレ」
鈴音はトイレに。
俺らは4人残された。
「そういえばさ」
冬がいきなり話し始めた。
「明日って夏祭りだね、皆行くの?」
夏祭りか〜、去年は行ってないなぁ。
「俺は行く予定無い、多分寝る」
「俺も別に行く気は無いなぁ〜」
祭りとかは行くけど明日は別に行かないな。
「冬行くの?」
冬からふったから行くのかなって思ったけど
「皆が行くなら僕は行くけど皆あんまり行かないなら行かないかな」
ふ〜ん、そうなんだ。
夏祭りか・・・祭りは好きだけど1人とかではなぁ、それに誘う人って言っても渉は寝てるし・・・佐奈さんでも誘おうかな、いやいや何言ってんだ、もし二人の現場を見られたら付き合ってるって勘違いされてしまう。
それは俺にとっても佐奈さんにとっても、迷惑になってしまう・・・でも、佐奈さんと話したり、一緒に金魚すくいとか色々やりたい・・・まぁ無理だろうな。
こう考えていると佐奈さんと花梨さんが来た。
「どうだった?」
「別に何にも無かったよ、一緒にマ〇オカートしてたし」
「空はあれ本当にうまいの、私勝ったことないの」
マ〇カーって今までずっとやってたってことか?
「なんか勝てないからもう一回とか後一回とかやってるから多分勝つまでやるのかな?」
意外と負けず嫌いなんだ。
鈴音も戻った。
「そろそろ行こっか」
戻ったとたんに鈴音が行く準備をした。
鈴音を先頭にみんなも帰る準備をした。
「紀乃〜、そろそろ行くよ〜」
紀乃ちゃんはまだマ〇カーやってんのか。
「紀乃〜!」
全員は空君の部屋に紀乃ちゃんを迎えにいった。
「空〜入るよ〜」
花梨さん、躊躇なく開けたよ・・・
「あーーーもぉ!!!なんでそんなに上手いのよ!一度ぐらい勝たせてよ!」
まだ勝ってなかったんだ。
「もう一回!」
「紀乃!空君困ってるでしょ!」
空君の方を見たら無表情だけどちょっと困った顔にはなっていた。
佐奈さんはさすがにちょっと怒り、紀乃ちゃんの手を引っ張り
「いい加減にしなさい!」
やっぱりお姉さん個性入ってるのか・・・その感じも俺は・・・
「ちょ、お姉ちゃん・・・」
「ごめんね空君」
空君は佐奈さんに座りながらぺこりと小さく頭を下げた。
全員が玄関に行って
「おじゃましました〜」
家を出た。花梨さんも一緒に。
すると、どこか聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「おーい、蒼、天使〜」
この声って・・・毎日聞いてる声だよな。
家に帰って、毎日出迎えてくれる・・・
「お、お姉!?」
そこにはミカエルの姉、ルシファーさんがいた。
「?誰なの?この人?」
佐奈さんが疑問に思ってる、でも天使なんて言えないしなぁ。
「私は天使の姉で〜す」
「えっ、天使ちゃんのですか!?」
「そう、天使の姉の瑠花で〜す」
ルシファーさんは瑠花と名乗った。
そらゃ、ミカエルと一緒で翼を閉じてたら普通の人だけど、大丈夫かな?ルシファーさんなんかポロッと言いそうだから。
「わ〜、瑠花さんすっごい可愛いですね〜」
花梨さんいきなり容姿を褒めたよ。
「そうかな〜?自分でもあんまり自覚が無いのよ〜、そういうあなたも可愛らしい顔をしてるわよ」
「本当ですか、素直に嬉しいです!」
いきなり意気投合してるし、話多分あの2人は合いそうだね。
「それよりも、ルカ姉どうしてここに?」
確かになんでここにいたんだ?場所も分からないだろ。
「あなた達が遅いから迎えに来たのよ、場所は私のかんで」
かんでって、絶対何かあるだろ。
「さぁ、もういい時間でしょ、皆帰りましょ」
帰ろうとしたらあなたがいたんだよ。
「そうだ、私も帰らないと」
「それじゃあ私と佐奈はこっちだから」
鈴音と佐奈さんは先に帰っていった。
「それじゃあ私も家に行くよ、ばいば〜い」
花梨さんも家の中に入っていった。
「それじゃあ僕らも行こっか」
俺達は途中まで一緒だから皆で帰ることに。
歩きながら話していて、十字の交差点で
「僕はこっちだから、またね!」
「俺はあっち、じゃあな」
「ああ、じゃあ夏休み中も遊ぼうな!」
俺達は別れた。
そして、俺の家に着いた。
俺は腕を上げ伸びをしながら
「う〜ん、疲れた、ご飯出来てるかな?」
「私もお腹空いた。あっでもいい匂いするからご飯できたんじゃない?」
俺らはリビングに入ると、かなり深刻そうな顔で母さんがソファに座っていた。
「蒼、そこに座りなさい」
母さんは母さんが座っている向かいにテーブルがありその向こうにあるソファに座れと言ってきた。
「な、何?」
母さんはどこからともなく雑誌を取り出した。
「か、母さんまだこういうの早いと思うのよ」
・・・え、これって・・・
俺は体中が真っ赤になり、体や顔から変な汗もかき、空いた口が塞がらなかった。
その雑誌は、俺が押し入れに隠していた・・・
「な、ななななんでこれを・・・」
「あなたの部屋を掃除していたら出てきたの」
「なんで俺の部屋勝手に掃除してんだよ!」
「だってルシファーちゃんに聞いたわよ!あなたの部屋は汚いって!」
「汚してんのは俺じゃなくてミカエルの方だよ!!」
母さんとルシファーさんは驚いた顔になり
「そ、そうなの?ミカエルちゃん」
話を振られたミカエルは焦り
「べ、別に片付けられない性格とかじゃなくて私は片付けないだけです!」
こんな時もその口調なんだ、素直に話せ無いのかよ。
「こう言ってるけど、蒼、どういうこと?」
なんで信じたの!?
この後なんとか話を誤魔化して誤魔化して誤魔化して、なんとか友達のを借りたってことにした。
マジで焦った・・・
「・・・眠い」
ここは渉の家、渉は自分の部屋でもう眠ろうとしていた。
「明日何しよ、とりあえず夏休み用の宿題があったな、それ終わらせるか」
明日の予定のことをつぶやいていたら、渉のスマホが鳴った。
メールの音だ。
「誰だ、こんな時間に」
スマホを手に取り、見てみると
「花梨?」
花梨からのメールだった。
その内容に渉は頭をかいた。
「明日一緒に夏祭りに行かない?」
一方、冬も明日何をするか考えていた。
「明日何しよ・・・僕の好きな人のライブも少し先だし、蒼誘ってどっか行こっかな」
冬が好きなアーティスト、After 〇 Rainのライブがあるが少し先の事、しかもそのライブに蒼も参戦する。
初めは蒼も別に好きでは無かったが冬が押しに押して、一度聞いてみたら一瞬で好きになってしまって一緒にライブを見に行くことになった。
スマホで蒼に連絡しようと思ったら
「冬、明日何も無かったか?」
蒼からメールが来た。
「別に何も無いけど」
と、返したら
「明日冬と一緒に夏祭り行きたいって言う人がいるんだ」
「・・・えっ」
「はぁ、なんか疲れたな」
色々ありすぎて本当に疲れた。今日はもう寝よう。
俺は自分の部屋の床に布団をしいた。
母さんにちょっと怒ったけど掃除してくれたのはありがたいなぁ。
「お母さんには感謝ね、こんなに綺麗にしてくれて」
全部お前が悪いんだろうって言おうとしたけどやめとく、そんなことを言う元気もない。
さぁ、寝よ寝よ。
「あ、そうだ、蒼」
ミカエルに呼ばれた。
「何?」
手短にすまして欲しいと思った。
「明日の夏祭り一緒に行く?」
えっ、ミカエルと?
さて!どうでしたか?今回の語り手は!
まぁ自分的にはよく出来たんじゃないかなって思います。
まあお前にしてはな。
え!渉なんでいるの!?
ずっと見てたからな、お前がへましないかどうか。
大きなお世話だよ!
そうだな。
まぁ次は夏祭りに行くということで俺も楽しんで行くので、よろしくお願いします。
ではまた。
なんでお前が最後言うんだよ!
え〜と、夏祭りもよろしくね!!