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天然の空君

どうも、白石 紀乃です。


修学旅行に行ってるお姉ちゃん達と思ってたかもしれませんけど今回は私達一年生がメインになります。


もう修学旅行編も飽き飽きしてると思いますので普通の暮らしをしている私達を箸休めと思って見てください。


では、どうぞ。



先輩達が修学旅行に行ってる間は一年生だけで練習メニューを決めていかないといけない。


その練習メニューを皆と話し合って私が考えることになった。まぁ本格的にはまだ練習が出来ない私だから出来るんだけどね。


今の私はマネージャー的なポジションにいる。

試合とかでは皆の動きを見て今のチームにあるものと無いものを見て自分はそれに適応するようにイメージしたりと、ボールに触らなくても練習になると怪我をして初めて分かった。


実践での経験だけじゃなくてこういった動きを見る必要があるってだけである意味では怪我をした意味もある。


そして現状の足の容態は・・・先生曰く思ったよりも回復が早くて三ヶ月と言ってたけどこの調子で行けば最速二ヶ月で復帰出来ると言ってくれた。


さらに松葉杖も無くして簡単な練習であればしてもいいとのこと、シュートとかドリブルとかはやっちゃいけないけどボールを持ってパスとかは出来る。


ようやく新しい私が形になってきた。試合に出たくて出たくてうずうずしてる。


あぁ早く時間が経たないかな・・・



先輩達が修学旅行に行ってから二日目、今日も私が練習メニューを考えないと。


試合を外から見てみたら確かに攻めに関しては他の学校よりも一線を超えて強かったとは思うけどその分シュートを外して相手ボールになった時に戻りがどうしても遅れてそのままカウンターで入れられる事も多い。


こういう点も踏まえて今日は反射神経を鍛えたり走り込みとかを多くしてよりカウンターに備える練習をした方がいいかな。


授業中隠れてノートを取りながら練習メニューを考えた。


放課後になって体育館に行って考えた練習メニューを皆に伝えて練習をスタートさせた。


結局考えついたのは相手をマークしてマークした相手のボールを取るという走り込みでは無い結果になった。


実際案は言ってみたけど反射神経を鍛えるんだったらボールを持って実践の方がいいんじゃないかなってチームメイトに言われちゃったからそうなった。

それに今日は私は練習には参加しないし、動き回るし一応まだマネージャー的な感じだし。


これはキャプテンになるのも一苦労しないといけないかな。


椅子に座ってチームを観察することに


それに何故か今日は・・・


「志穂もう一回聞くけどなんでいるの?」


私の友達の志穂が来ている。


「言ったじゃん、バスケ部の練習を見学させてもらうって」


突然見学したいって言われてダメと言う理由も無かったから連れてきたけどどう見ても私達女子バスケの方は見ずに男子バスケ部の方を見てる、しかも特定の人。


「へ〜空君って本当にバスケ上手いんだ。やったことない私ですら分かる」


「あんた空君見たいだけじゃないの?」


「ピンポーンあったり。一回見たかったんだよね空君がいかにバスケをしてるかを」


「見てどうするの?バスケなんて見たところでやらないでしょ?」


「うん、やんない。体育なんて苦手中の苦手だし」


口には出さなかったけど控えめに言って帰ればとは思った。


空君も二年生がいないからキャプテンのような立場に今はなっている。


明らかに他の男子よりも上手いし人望もあるから来年確定でキャプテンになるからそれの練習ような感じで空君はいるのかもしれない。


休み時間に空君に話に行ったら男子の練習メニューを決めてたっぽいからその気なのかな。


「まぁあんな空君も見れて良かったって思えれば来た意味もあった」


「空君のファンにでもなったの?」


「いやいや〜まさか。でも実際にファンクラブはあるらしいよ」


「あるんだ・・・まぁでもあっても不思議ではないと思うけど。

イケメンで運動神経抜群でクールで優しくて照れたりしたらちょっと可愛くなるとかモテ要素はいっぱいあるから。

空君からしたら勝手にやってることだから好きにやらせとけばいいって思ってるんじゃない?

だいたい物事に対して驚いたり無表情であんまり感情を表に出さない人なんだから静かに暮らさせて上げるのが一番いいし、コミュニケーション能力だって無いわけじゃ無いからいざとなれば自分で話しかけるでしょ。

後それから・・・」


「紀乃〜なんでそんなに空君の事熱く語ってるの?」


無意識に空君を全面的に押し出していた私がいた。


「え、いや、別に語ってるわけじゃないけど・・・」


やばっ体が暑い、変な汗もかいてきたし。


「あはは、照れてる紀乃もいい顔だよ」


「うるさいなぁ!」


「じゃあ私帰るよ。また明日ね」


「うん」


最後は私をからかって志穂は帰って行った。


結局最後まで目的が分からなかった、空君が見たかっだけってどういうこと?

なんか裏でもありそ。


「おぉー」


男子サイドから歓声のような驚いている声が聞こえた。


私は男子サイドを見るとすいすいとプレーヤーをかわして最後は大きくジャンプしてそのままダンクシュートを決める空君が脚光を浴びていた。


高校生でダンクを決める人なんてそうそういない。ましてや身長もそこまで高くない空君が決めることが出来るなんて、跳躍力と才能が無いと出来ない芸当ね。


やっぱり空君から学ぶバスケは多いなぁ。同い年の私とこんなに差があるなんて。


もっと努力しないと。頑張って背中が見えるように。


男子サイドから自分達のチームを見ようとした時に空君にある異変が。


「・・・はぁ、はぁ・・・んはぁ」


練習時間もそこまで経ってないのに酷く疲れてる空君。


珍しい。普段の練習とかでも息をあんまり切らさないし試合でもフルで動いても何も無かったようにそのまま練習するのに。


息を切らしながらでも空君はいつものキレを出してシュートを繰り出してるけど明らかに脚がふらついて上手く動けてない。


それに今日の空君ずっと授業中でも寝ていた。勉強に関してもしっかりとノートを取って予習とかもしてるから寝るなんて考えられない。


・・・顔、赤くない?ずっと汗もかいてるし、体もすごくダルそう。


間違いないと確信して私は立ち上がって男子サイドの方に行って


「空君!ちょっと来て!」


声に反応して私の方を振り向いて、どうしたの?と言う顔をされながら練習を一度中断するような合図を出して私の元に来た。


私は空君のおでこを触ろうとすると空君は一歩後退した。


いやそれはちょっと・・・と言うのを感じたけどお構い無しに


「いいから早く」


無理やり近づいておでこに手を当てた。


・・・当ててみて分かったけどこれすごく熱い。


「空君風邪引いてるよ」


ストレートに伝えると、え、えぇ!本当に?と、まぁ驚いた表情をしていた。


「とりあえず保健室行こっか、私がついていくから」


私がそう言うと空君は首を横に振った。


少しイラッと来た私は手を掴んで


「そんな状態じゃバスケなんて出来るわけないよ!早く来て!!」


風邪引きながらバスケやるなんて馬鹿じゃない?自分の体が一番大切なのに。


・・・それを教えてくれたのは私が今引っ張ってる人だけど。



「38℃2分、高熱じゃない。とりあえずベッドで寝て」


保健室まで来て先生に熱を測ってみた所案の定高熱。分かってたけど。


私がいない状態で今は練習をしている、練習メニューは伝えてあるから大丈夫だと思うけど。それは男子サイドも一緒だったようだけど。


先生に言われて空君はベッドに横になった。


「私、今から用事あるから。看病お願いね」


そう言って先生は部屋から出ていった。


今、保健室にいるのは私と空君の二人だけ。


いつも帰る時は二人きりなのに今日の二人きりはなんだかいつもと違って少しドキドキしてる。状況は変わらないはずなのにどうして?


誰もいないことに気づいた空君は


「・・・どうして」


私にしか聞こえないぐらいの声量の声で話しかけた。


そして相変わらず可愛い声。最近は慣れては来たけどいつも予想してる以上に可愛いからちょっとキュンと来る。


増してや今は風邪で病んでるから弱ってる声・・・空君のせいで声フェチになったかもしれない。


「どうして俺が風邪引いてるって分かった?」


「分かるよ。あんなに顔赤くしていつも以上に疲れてたら。

頑張るのもいいけどもっと自分を大切にしなよ」


私が言っても説得力無いとは思うけど。


「そっか・・・紀乃が気づいてくれてなかったらあのまま倒れてたかもしれない。

あいつら近くにいるんなら言ってくれればいいのに」


「言いたかったかもしれないけど空君結構ストイックに練習するから邪魔したら悪いと思って言い出せなかったんじゃない?」


それに皆に指示してたからちょっとピリピリしてる感じしたし。


「どうだろうな。鈍感なヤツらだし気づいてなかったかもしれない。

礼は言うよ紀乃、ありがとう」


感謝を伝えられたと同時に心臓がドキュンと言う音がなった。


不意打ちありがとうは予想出来ないし・・・


「紀乃、顔赤いぞ?もしかして俺の風邪が移ったんじゃ」


「え!いやいや違う!それよりも空君は病人なんだから寝てないと!」


言い訳も考えられずに無理やり空君を寝かせた。


案の定すぐに寝てくれたから良かった。


一段落してなんだか肩の荷が降りたようだ。


顔が赤くなるのはなんとかしないと、絶対また志穂とかにからかわれる。どうにも出来ないとは思うけど。


・・・まぁでも志穂はもう気づいてるようね。


初めはこの感情に嘘をつきたかった、また苦しい想いをすることになる可能性だってある。


現に空君は綾芽先輩だし。


でももう嘘はつかないし嘘なんてつけないし。諦めるなんて言葉はもう昔の自分に与えたから今はもう違う。

今の私に一番似合う言葉は挑戦者、空君が誰に想ってるなんて関係ない、私が絶対に私の方を振り返らせてやる!


空君・・・私が好きになったんだからそれなりに覚悟はしてね、もう止まらないんだから。



・・・あれ?いつの間にか私も眠ってたようだ。椅子に座りながら寝るなんて・・・そう言えば昨日なんだかんだで勉強遅れてたから夜中まで予習してたんだ。


スマホで時間を見ると六時か、皆もう帰ってる時間だ。


あれ?ベッドで寝ているはずだった空君がいなくなってる。


まさか私が寝ている間にバスケの練習に行ったんじゃ!


急いで体育館に向かおうとすると扉が開いて


「あ、起きたんだ。コーヒー飲む?」


扉を開けた目の前に空君が缶コーヒーを持っていた。


「コーヒー?自販機行ってたの?」


「寝起きだし。

紀乃の分もあるけど飲む?」


「う、うん。でも良かった、体育館行ってバスケやってたらどうしよって思ったよ」


「そこまで無理は出来ないよ。絶対に紀乃に怒られるし」


「怒らないよ。今度は絶対に目を離さいから、いついかなる時もね」


別にそんな気があって言ったわけじゃ無かったけど多少空君は引いてるようだ。


誤解なのに。


「それで風邪は大丈夫なの?」


「先生に測ってもらったらだいぶ熱は下がってた。どうやら一時的なものだったらしいからもう大丈夫」


「そっか、良かった」


「さて、帰るか」


下校時間は過ぎてるから私達は帰ることに。すると空君が


「俺携帯どこにやった?」


空君の携帯が無くなったらしい。


「ベッドの方に無い?」


「ちょっと探すよ」


空君はベッドの方に探しに行った。


「あれ、無いな」


探している間私は気になったことを聞いてみた。


「そう言えばなんで私がおでこに手を当てる時にちょっと戸惑ったの?」


あの時は無意識におでこを触ったけど最初はなんか遠慮してた感じがした。

今考えたらちょっとおかしい、理由を聞いてみたら少し照れるような素振りを見せて


「その、女子に手を当ててもらうことなんてあんまり無かったから、恥ずかしかった・・・」


女性経験があんまり無いって言ってたけどここまでなんて。

これは私が慣れさせていかないと。


それにしてもまだ探してる。一体どこに・・・あっ。


私が座っていた足元に空君のスマホが落ちていた。多分立ち上がったと同時に落ちたんでしょうね。


私はスマホを拾って空君に伝えようとした。


「空君あったよ。これで・・・痛っ!」


今まで痛くなっていなかった怪我をした足が突然激痛が走った。痛みは一瞬だったけど。

後から考えて痛みの原因は薬の効果が切れてしまったとしか考えられなかった。

薬の中に痛み止めも入ってるからそれの効果が切れた。


ちょ、やば!立ってられない。さらに体制も崩れて倒れ込んでしまった。


「紀乃・・・ってわぁ!」



うぅ、記憶が曖昧になってる。確か足が痛すぎて倒れちゃったんだっけ?


これじゃあまだ試合は出られないね。


それにしても倒れてどうなったの?倒れた痛みがないのはベッドの上だから?


目を開けて確かめてみると何故か目の前に目を閉じている空君がいる。


なんで空君がこんな近距離に?


・・・て言うかこれ感触的にベッドじゃない。もしかして・・・


すぐに起き上がると私が倒れてる空君を襲おうとしてる絵になってるし!


じゃ、じゃあ私のクッションになってくれたのは空君!?


あわわわわ、急いで離れないと!


あたふたしてると空君が目を開けてしまって今の状況を見てしまった。


完全に上手になってる私に対して空君は


「・・・紀乃、俺達まだそういう関係じゃないとは思うけど・・・」


待ってーーーーー!!!分かってる分かってるからその照れて困った顔はやめて!!


本当に恥ずかしいし・・・空君のイメージが!


「あっでも風邪引いてる俺に対してやったって考えたら・・・容態はもう大丈夫だからこういうのも対処出来るようになったって考えたら、なるほど」


なんか自分の中で解決してる。天然?



その後?別に何も無かった、普通にもう二人で帰ってはい終了。


残念な気持ちには多少なったけどまぁ少しだけでも前身したからいいかなって思ってる。


そろそろ告白・・・はまだ早いかな。


こんな感じで終わりにさせていただきます。


次回はまた修学旅行のお姉ちゃん達に戻るのでよろしくお願いします。


それでは、どこかで。

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