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決戦 温泉の死闘

はい、蒼です。


前回の続きで初めから最悪の展開です。


ここから俺と冬のデットオアアライブが始まります。


では、どうぞ。



何故この男湯にミカエル達が来たのかはわからない。そもそもここが男湯なのか女湯なのかすら今の現時点でわからない。


幸いここは岩があって死角になって俺達側からは見れるけどあっちから俺と冬は見られない。


それに更衣室から出てすぐの所で温泉に浸かっている、奥に来てない状態でどうやってここから脱出すればいいんだ。


「蒼・・・どうするの、一体どうやったらここから抜け出して生きて帰れることが出来るの?」


震えながら俺にそう言った。冬がここまで怯えるのは初めて見るな、状況が状況だけにそうなるのはわかるけど。


俺がテンパっても仕方ない。ここは冷静に分析して脱出経路を辿るぞ。


「落ち着け冬、まだ俺達が見られてないのが不幸中の幸いだ。このまま見られないまま外に出ればいいだけの話だ」


それにこういう温泉はスタッフ用の出入口があるはずだ。そこを探せば外に出られる。


俺はその謎の自信を冬に伝えることにした。これで冬も少しは安心出来るはずだ。


「まずはスタッフ用の出入口を探せ。そこからだったら抜け出せるはずだ」


「そんなの無いよ」


即答で返されて俺は驚く間もなく


「え?どういうこと?」


「露天風呂で壁が囲われてて更衣室の入口以外は完全に外に出るんだよ。外からわざわざここに入る人なんていないよ。

それに温泉に浸かろうとした時に周りを見たけど入口みたいなドアはどこにも無かった、つまり完全に抜け出すにはあの更衣室からの脱出しか不可能なんだ。

見つからなかったとしてもその後でもしまた誰かが来たら・・・もう僕達は終わりだよ」


予測で話す俺とは違い確定で話す冬。


・・・さっきまでの余裕が嘘のように消えていく。


「で、でもバレたからって決して殺されるわけでも無いし」


「だって人じゃなくて天使の二人がいるんだよ?多分その気になれば僕達のことなんて一捻りで・・・」


確かに佐奈さん達だけならまだしもミカエルとメタさんもいる。ミカエルの翼を出した時にあのコンクリートを一瞬で割った衝撃が今甦ってきた・・・あれが自分の体に直撃でもしたら吹き飛ぶどころじゃない。


「冬・・・生き残ったら二人でドリームに行こうぜ」


「うん、僕ももう迷わない。死ぬ時は一緒だよ」


俺と冬は目を見つあって最後になるかもしれないから固く握手を結んだ。


覚悟を決めた俺達に一人の声が聞こえてきた。


「蒼、冬まだ大丈夫か?」


どこからともなく声がした。ここにいるはずのない奴の声が。


俺は声を出さずに心の声で


「お前どっから声してんだよ、渉!」


その声の正体は渉。さっきここから出たばかりなのにあいつどこから話してるんだ?


「お前達の心に俺は話しかけてるんだ」


心・・・?


「渉、どういうこと?蒼も話してないのに僕に聞こえてきたんだけど」


冬の声も聞こえる、冬も口を動かしてないのに。


「天使達が出来るテレパシー能力だ。それを今は俺が使ってる」


テレパシーって話さずとも心で会話することか。


「な、なんでお前がこんなこと出来るんだよ!普通の人間だろ?」


「今回のことを部屋にいる天使の皆に話したんだ。

そしたら色々と分かったことがある、まずはそこが完全に女湯だ。俺達が間違えて入ったんだ」


「でも僕達が入る前は右が男湯で左が女湯だったはずだよ?さすがに間違えるわけ無いよ」


冬の言う通りだ。俺達は男湯に入ったはず、でもここは女湯、間違えるはずがない」


「ああ、俺もそれは思った。だが実はな・・・」



蒼達が温泉に入る少し前、ウリエルとラファエルが二人でトイレに行った際の事。


「スッキリスッキリ〜、ラファお姉はまだ入ってるのかな?お姉が帰ってくるまでここで・・・あ!あれって!」


ウリエルはあるものを見つけて走り出した。


そのあるものとは


「ウリ一度はこれ見て触ってみたかったんだ。この天界には無い温泉の幕!」


子供だから興味がどこに湧くのかが分からないがウリエルは温泉ののれんを男湯と女湯を両方に触った、しかし少し背が足りないらしく背伸びをして引っ張るように触ってしまった。


するとのれんが二つとも落ちてしまった。


「あ・・・これどうしたら」


あたふたするウリエルの元に


「ウリ、何をしてらっしゃるの?」


トイレから戻ったラファエルが来た。


「お、お姉!ち、違、これウリがわざとやったわけじゃ・・・」


今にも泣きだしそうなウリエルにラファエルは少し微笑みを見せてウリエルの頭を撫でながら


「分かりましたよ。お姉ちゃんが直しますからその涙は大切な時まで閉まっておきなさい」


「ラファお姉・・・」


ウリエルは涙を拭いて


「うん!」


妹に対してはどこまでも甘いラファエルである。


「これはどっちが男湯で女湯?」


落ちた際にぐちゃぐちゃになってしまい見た目ではどっちかどっちか分からなくなってしまっていた。


「えっとね・・・確か右が男湯で左が女湯だったかな?」


ウリエルは覚えていないらしく予想で答えていた。


その答えにそのまま応じて右に男湯ののれんをかけて左に女湯ののれんをかけた。


「よしこれで大丈夫。皆が待ってる部屋に帰りましょ」


「うん!」


姉妹は手を繋いで部屋に帰って行った。


その一分後ぐらいに何も知らない蒼達が右の男湯に入った。


さらにそこから三分後、旅館の店員さんが偶然通りかかってそれに気づいて


「あら、どうして逆になってるのかしら?」


蒼達が入ってるとも知らずにのれんを逆にして右が女湯で左が男湯にした。


「まったく誰がこんなイタズラを」


少し怒り気味でそのまま歩いていった。



「つまり、ラファエルさんがのれんを逆にしてしまってそれを知らずに俺達が入って後からスタッフの人が治したんだろうな。

だから結果的に右が女湯で左が男湯なんだ」


渉の説明を一通り聞いて俺はあまりにもふざけた理由でこんな目にあってしまったことに


「あの自称アイドル天使めぇ!!」


と、思わず声に出さずに心の中で言った。


冬はそんな俺を見て


「あ、あはははは」


苦笑いを浮かべていた。


「逆になってる理由は分かったけど問題はなんでお前がそのテレパシーを使えてるんだ?」


肝心の部分がまだ聞けてない。


「話を最後まで聞け。

天使の皆に話して原因が分かったからウリエルはガブリエルさんに泣いてもやめない説教されてラファエルさんは俺に謝ってきた」


泣いてもやめないって相当スパルタだな。


「それで原因がこっちにあるって言ってお前達を脱出させる協力をしてくれることになった。

それでラミエルさんが


『全部知ってるのはあゆむ君だから私の力を少し貸してあげるね』


『渉です』


名前を間違えられたけどラミエルさんはどうやら生きてる者に対して天使の力を時間制限はあるが授けられる能力を持ってるらしい。

それで俺がその力を貰ってこうやって心に話しかけれるってことだ」


天使階級第一位にまでなるのそんなことまで出来るのか・・・誰でも天使には出来るってことか。俺も頼んでみよかな。


「でも協力って脱出の協力だよね?」


「ああ、俺は今男湯にいる。幸い誰もいない、俺と一緒にラファエルさんも来ている」


サラッととんでもない事を言ったな。


「なんでラファエルさんまでいるんだよ!そっち男湯だろ!」


するとラファエルさんの声が聞こえて


「それはご安心ください。私の事を知る人だけが今は見えるので普通の人からは見えません」


見えない・・・ってそうか、確か前にミカエルも堂々と翼を広げたけど俺達以外は誰も気がついてなかった。

ミカエルだけかと思ってたけど同じ姉妹でも出来るんだな。


「微力ながら私もそこからの脱出を手伝わさせていただきます。

私は空間を別の空間に繋ぎ合わせる力を持っております。その力を駆使して蒼さんと冬さんをこちら側に移動させます」


俺も冬も目を合わせて二人で


「・・・え?」


「要するにそこからこの男湯までワープ出来るってことだ」


「マジか、ラファエルさん俺達を早くそっちに送ってください!」


「ですが残念ながら私はお二人の場所が分かりません。見える場所でございませんと空間と空間を繋ぎ止める、言わゆるワープホールが出せないのです」


「それじゃあどうやって?」


「私はまだ温泉にも入っておりませんのでそちらの地形が分かりません。

ですがランダムにならこのワープホールが作れることが可能です。ですのでミカお姉様達には見えないワープホールを出現させていただきます、そこから入ればこちら側に来れるはずです。

それでは、行きます!!」


「自分達の後ろに出る可能性もある、神に祈ってろ!」


あまりに突然過ぎて反応出来なかったけどここから出られるチャンスが出来た!


・・・・・あれ?少し覗いて見て勿論女子達の方を見ずに見渡すと何も変化が無い。


「お、おい、これ本当にワープホール出てるのか?」


「そんな、出ているはずです」


「湯の中とか見てみろ」


すると冬が湯の中に静かに潜ったらすぐに出てきて


「蒼あったよあれだ」


俺も潜って見ると、女子達から少し右にそれた場所に渦をまいた漆黒のワープホールがあった。

あれ入って大丈夫なのか・・・?


「私が出来るのはここまでございます」


「後はお前達が考えてくれ」


渉とラファエルさんには感謝だ。こっからは俺と冬だけの戦いだ。


「さて冬、どうやってあそこまで行く?」


「どうやってってバレずに行くなんて無理でしょ。だってあそこまで行ったら絶対にバレるって!」


確かに少し右にそれてるって言っても泳いだ所で見つかるのは確か。


俺は考えた、この状況、ここから二人で出るには・・・


「冬、俺から三つ案がある」


「三つ?」


「一つ、ワープホールには入らずにこのまま出てって振り切って笑顔で誤魔化す」


「無理に決まってるよ!それじゃ渉達の協力の意味無いよ!」


ま、まぁ確かにそうだな。


「二つ、潜ってあそこまで行く」


「潜って・・・息とか続くかな」


「三つ、一人が飛び出してその隙に一人がワープホールに飛び込む」


「一人が犠牲にならなきゃ行けないの!?」


「俺が考えつくのはこの三つぐらいだ、どうする?どれで行く」


俺達が話し合いをしていると女子達の声がどんどん近づいてきた。


「やばいこっちに来た!冬、早く決めろ!」


俺は決断を冬に任せた。


約一秒の間の末冬が出した決断は


「二の潜って行く!」


俺は目を合わせて頷いて息を大きく吸って湯の中に潜った。


女子達が俺達の所に来た時に静かに回り込んでその場から離れてなんとかやり過ごした。


「こっちは別に何も無いね」


「そうね、さっきの場所に戻りましょ」


あそこはやりきったけど問題はまだ残っている、だが幸いあの場から離れてくれたおかげで行きやすくはなった。だが戻るって声が聞こえたから時間の問題か。


俺は冬に伝わるか分からないがオリジナルの手話で


「一刻も早くあのワープホールに飛び込むぞ!」


そお手話でしたら冬も手話で


「おっけー!」


俺はそう解釈した。


俺がそこまで泳ごうとすると


「でも温泉って本当に気持ちいいよね〜こうやって飛び込んだら・・・えいっ!」


佐奈さんの声が聞こえたと思ったその時佐奈さんが俺達の目の前に飛び込んできた・・・か、体!佐奈さん見えるって!!!


さすがに見れない・・・本音を言えば見たいけどマジで俺が耐えられない。


「佐奈危ないわよ。飛び込んなんて子供がすることよ」


「えへへ、ごめんごめん。ちょっとテンション上がっちゃって」


「ほら、行くよ」


佐奈さんは起き上がって元いた場所に戻っていった。


あ、あっぶね、声出しそうになってた。幸い気づかれてはいないみたいだ。

でもやばい焦りすぎて息が続かない。


冬を見ると冬も目をつぶっていたようでなんとかやり過ごしたようだ。


このままじゃ無理だ。


俺はまた手話で冬に


「一度上に上がって息を吸いたいんだけど」


と、またオリジナルの感じでやったら冬は


「ダメダメ!今はバレるよ!」


また冬も手話で俺はそう解釈した。


じゃあどうしたら・・・まずい本当に続かない。


すると冬は俺の後ろを指さした。


俺は振り返ると浮いている桶があった。


「あそこで息を吸って、少しなら回復するから」


なるほど、言ってはないけど多分手話はそう言ったはず。


俺は急いで泳いで浮いている桶に顔だけ出して息を吸った。


息苦しいけどまだ吸えるだけマシか。


さて、あそこまでどう行くか・・・


「ねぇ、あの桶なんだか少し動かなかった?」


やば!佐奈さんが気づいた!?顔が少し桶に当たったか?


「えーじゃあ誰かいるってことじゃん。そんな変態には死んでもらうしかないじゃん!」


・・・なんかメタさんがそう言ったの聞こえたけど気のせいか?


とりあえずもう潜っとくか。俺は湯の中に静かに潜った瞬間、桶が木っ端微塵に破裂した。


な、何が起こった?あんな短時間でそれにこっちまで来てないんだぜ。二秒ぐらい潜るの遅かったら俺の頭があんな風に・・・想像したらゾッとしてきた。


あの光景を見た冬も体が震えていた。


殺されるって言うのも本当かもしれない・・・


冬に手話で


「冬!バレるバレないとかもう関係ない!あのワープホールにさえ入れば仮に気づいたとしてもごまかせる!

最速で泳いで入ればそれで解決だ!!」


メタさんと恐らくミカエルもだが力を解放したら身体が無いと思う。


冬は解釈したようで親指を立てて頷いた。


「ちょメタちゃん!お店のもの壊しちゃダメだよ!少し動くなんて湯に浮いてたら動くよ!」


「あー確かに。いやマジで動いたと思ったけど・・・でもいっぱいあるしバレないバレない」


「そういう問題じゃ無いと思うけど」


佐奈さんとメタさんが話し合ってるし今湯に注目してる人はいない!


冬、今だ!!


すると冬は割と距離があるワープホールまで歩くよりも早く泳いで一瞬でたどり着いた。


あいつあんなに早いの!?それに音とか一切立てずに・・・いや、なんか人間離れし過ぎじゃないのか。


ま、まぁいい冬が脱出したら俺も・・・


「でもあれどうやって壊したの〜?私ちょっと見てくる・・・ってうわぁ〜」


冬のすぐ横にいた花梨さんが立ち上がる時に花梨さんが足を滑らせてそのまま倒れ込んだ。


その倒れ込んだ先にはワープホールに入ろうとしている冬がいた。冬がクッション替わりになり花梨の体に押しつぶされた。


「がハッ!」


さすがの冬も思わず声が出てしまったらしい。つーか声出したら・・・


「佐奈ちゃん大丈夫?」


「う、うん〜なんか全然痛く無かったし誰かの声が聞こえた気がしたし」


「誰かの声?」


冬早く入れ!花梨さんも離れたしなんでそこに・・・って気を失ってる?ヤバいこのままじゃ冬がバレる!


みんなも花梨さんが心配でこっちに来てる、水面は泡でまだよく見えてない。


今しかないか。


俺は冬には負けるが全速力で泳いで冬の足に手を当てて押し込んだ。


お前だけでも脱出しろ!


冬を押し込むと冬はワープホールに吸い込まれるようにその場から消えていった。



「・・・ゆ・・・冬!」


目を覚ますとそこはお湯の中じゃなくて夜空と渉が僕の目に入った。


「渉?あれ、ここって、僕はどうなったの?」


まだ頭がボーッとして状況が理解出来ない。


「ワープホールから出てきたお前は気を失ってたんだ、ここは男湯だ。逆に聞きたいのは俺の方だ。

蒼ともまだ会話が出来てない、あっちで何があった?」


蒼がまだ来てない・・・そうだ思い出した。


「僕はワープホールに入ろうしたら何かに押しつぶされたんだ。柔らかい何かに、それで僕は気を失って気がついたらここに。

蒼はまだ来てないの?」


「ああ、一緒じゃなかったのか?」


「・・・渉ってまだ心に会話出来る?」


「まぁ一応な」


「蒼と会話させて」


「ああ・・・ただその前に服着たらどうだ?

ラファエルさんがワープホールから出てきたお前を見てずっとああなってるんだ」


ラファエルさんがいなかったからこの脱出は出来てなかったからありがとうございますって言いたいけど、ああなってるって・・・ラファエルさんは隅によってしゃがみこんで両手で顔を当ててずっとブツブツ独り言を言っていた。


「ど、どうしたの?」


「まず自分の姿を見て考えろ」


僕の姿?それって、あっ僕今は裸だった。それをラファエルさんが見て・・・なんか体が熱くなってきた、すごく恥ずかしいよ。


「渉、ラファエルさん僕のアレを見て・・・」


「察せ」


僕は急いで更衣室に行って浴衣を着て戻ってくると僕の心に声がした。


「そっか冬は無事か」


「後はお前だけだ」


渉と蒼が僕の心を混じえて話してる。


「蒼!そっちは大丈夫?」


「なんとかな。

お前を押し込んだ後は急いで隠れてた場所に戻った。まだバレてはないけどさすがにあっちでも不思議がっている。

どうやら冬の声が少し聞こえたらしくてワープホールの場所に人が集まってる、しばらくは動かなさそうだ。

なぁラファエルさんに聞いてみてくれないか?もう一度別のワープホールを出してくれないって」


「それなんだが多分だけど今は出せる状態じゃ無いと思うが」


「どゆこと?」


「そっちじゃ分からないけど僕のせいでラファエルさん消沈しちゃって顔すら上げてくれない。協力は無理っぽい」


「なんで冬のせい?」


「乙女心を刺激された」


「え?」


「とりあえず他の脱出方法を探すしか無い」


「他なんて無いだろ!あの作戦ですら無理難題だったぜ!もう俺の考えすら何も思い浮かばない!」


なんだか蒼イライラしてきてる。僕だけ脱出したのが気に食わないのかな・・・こんなこと考えても仕方ない。僕も脱出の経路とか考えないと。


僕が色々考えてるとある人が来た。


「おーまだあっちいるのか?」


「・・・え?」



あーーーダメだ!なんにも思い浮かばない!

潜るのもダメ、出ていくのもダメ、囮になる人もいないからダメ!何もかもダメに繋がる!!渉と冬も何も話さなくなったしよ。


もういっそバレてもいいからあっちの男湯に乗り込もうかな、あの塀ぐらいなら登れるし後ろ姿ならなんとか行けそうな気がする。


・・・無理だな。


思考停止して何もすることが無くなって呆けていると男湯の塀から謎の小さな袋が投げ込まれた。


俺の目の前に落ちて女子達は気づいていない。袋を拾って中身を見ると何かの錠剤が一粒入っていた。


何だこれ?そう思っていると


「蒼〜大変そうだね」


心に声が聞こえその人の声は


「る、ルシさん!なんでここに?それにこれなんですか?」


「いやずっと盗み聞きしてて蒼ピンチっぽかったから私が手助けしに来たってこと」


渉と冬も会話に参加し始めた。


「だったら最初から入ってきてくださいよ」


「いやなんか面白そうだったから」


「ルシさんこれ何?」


「それはア〇〇〇シンって言う世界的にも有名な薬で飲むと子供になるって言う」


「マジで!?つーか本当にあるの?」


「まぁ嘘だけど」


「気持ち返してください」


「それは私が作った薬でガールキラキラ(仮)って名前の飲むと女の子になる薬」


女の子にって・・・なんか前もあった気がする。気がするじゃなくてなった。

詳しくは番外編二をご覧下さい。


「俺また女の子になるってことですか?」


「え、蒼またって何?」


しまった冬は知らないんだ。


「悪い言い方を間違えた。女の子ってずっと?」


「いや試作品だから効力的には五分から十分ぐらいかな。それ飲んで早く出て来なさいよ。私はラファを連れてって女の子同士で話し合うから」


「ルシさんこれ副作用とか何も・・・」


「ばいば〜い」


「ルシさーーーーーーーん!!!!!」


「ラファエルさん連れってもう行ったぞ」


あの人マジで都合悪くなるとどっか行くな。でもこの薬飲んだら一応堂々と出られるってことだよな。体は女になるけど心は俺。


ただ完全に女子の裸を目の前で通ることになるってことだよな、なんかそれはそれで罪悪感があるし・・・


「渉、冬、俺これ飲んで正解だと思うか?」


二人に聞いてみよう。


「そんなのお前で考えろ。少なくともお前の現段階での状況や状態を考えたら分かるだろ」


「渉の言う通りだよ。考えることもあると思うけどそれはもうこの際仕方の無いことだって割り切るしか無いよ」


「・・・どうやらラミエルさんの天使の効果が切れてきた。最後の一言だけになる。

出来る限り女子の裸、主に鈴音のは見るなよ」


「蒼待ってるよ。あんまり花梨さんの裸を見ないでね」


二人との会話が途切れた。結局忠告されるのはその事か。


でも確かに割り切るしか方法は無い。こうなったらやるしかない!


俺は錠剤を口に入れて飲み込んだ。


そして結果は・・・自分の持っていたタオルで体をまいた。


「またこの姿になってしまった」


俺の体は何か違和感を感じる間もなく女の体になっていた。効力すげーな。


五分から十分って言ってたからモタモタは出来ないな。


ひっそり隠れながら行かないとバレてもまだ大丈夫だけど女子の話は長い、平気で五分十分かかるからな。なるべく絡まれても避けるように行かないと。


俺は静かに皆が注目している逆の方に静かに歩いていくと案の定


「あれ〜?あそこに女の子いるよ〜」


花梨さんが俺に気づいて近づいてきた。


「私達の学校じゃない人だ〜名前は?」


人見知りしない花梨さん、俺の情報を聞き出そうとしている。まぁ名前ぐらいはスっと言えるけど。


「えっと、蒼子って言います」


前の名前をまた使う。蒼子ならどっかにいる名前だろ多分。


「蒼子ちゃんって言うんだ〜。一人?私と同い年なの〜?」


「う、うん。今日はその、あの・・・恋人と一緒にお忍びじゃ無いけど来ててね」


「え〜!彼氏さんとお泊まりデートなんて羨ましいな〜。彼氏さんのお名前は〜?」


「え、えっと〜はやて君」


昔のアニメの名前がとっさに出てよかった。


「颯君〜かっこいい名前だね〜」


このままじゃ話を続けられる。早々に切り上げないと。


「わ、私はこの辺で、颯君が待ってるので」


「蒼子ちゃん、恋愛に対してちょっと相談してい〜い?初対面の人にこんなこと言うのはおかしいけどね」


花梨さん人の話聞いて!


すると佐奈さん達も来て


「花梨ちゃんの知り合い?」


「ううん〜初めて会ったの〜、名前は蒼子ちゃんで恋人と泊まりに来たんだって〜。だから私の恋愛相談聞いて貰いたくて〜」


「彼氏とデート・・・渉君と一緒にこういう場所に行くのには経験者からの言葉は必要。

蒼子ちゃん私にもアドバイス送ってくれないかしら」


「彼ピッピとお泊まりデートなんてマジ卍じゃん。ウチにも教えくんない?恋バナ聞くの好きだから」


「私も好きな人・・・ま、まぁあれだけど、でも蒼子ちゃんの幸せな話は私聞きたい」


ま、まずい。変な嘘からここまで広がるなんて・・・絶対に五分十分以上かかる。


ここで蒼になったらその時が最後、引かれてボコボコにされて天に召されるだけだ。


それに今は全員裸、目のやり場が・・・


キラキラした目でこっちを見られてるけど、無理がある。俺は少し声を張って


「あ、あの!颯君が部屋で私を待ってるのでお話はまた機会があればでいいですか?」


俺は必死な声で言うと皆は少し黙って


「まぁ彼ピッピ待たせてるなら無理に止めてもしゃーないか」


「そうだね〜幸せの時間を止めるなんてあんまりだしね〜」


「経験者からの言葉もまたにするわ。大切な人に会いたいのはお互い様ね」


「好きな人同士一緒にいればどんなことでも大切な時間になる、またその幸せを聞かせてね」


良かった皆話が分かってくれる人で。


でもさっきからなんか違和感がある、この見られてる感じ、なんだ?


「つーかミカどうしたの?ずっと蒼子見て?」


「いやなんか、あの蒼子ちゃんってどこかで見たことある気がするよね・・・思い出せない」


ミカエル・・・つーかミカエルは俺が女になったこと前は知ってたからこの姿に見覚えがあるんだ!


このままミカエルが思い出されたら終わりだ!


「そ、それではご機嫌よう」


俺は急いで女湯から出ていくことに。


浴衣を着て冬と俺の服を持って誰もいないことを確認して廊下に出た瞬間俺は男に戻った。


なんとかバレなかった安堵で俺は壁にもたれかかってそのまま座り込んだ。


はぁ・・・色々疲れた。


「蒼!大丈夫だった?」


「よく無事だったな」


冬と渉が俺に駆けつけてくれた。


「まぁなんとかな。マジで死ぬかと思った」


「僕達は生き残れることに成功したってどこかの新聞とかに載らないかな?」


「載ることはつまりバレることで載るかもな」


「ただの変質者じゃねえか」


なんかもうツッコミを入れる元気が無い・・・



あの事件から少し時間が経った。


ラファエルさんとルシさんがいなかったら俺達はここにはいなかった。俺と冬はルシさんとラファエルさんにしっかり感謝の言葉を言った。


二人共別にいいよみたいな感じだった。


俺と冬は部屋に戻る帰りに色々話していると俺達の帰りを待っていたかのように部屋の目の前にミカエルがいた。


「ミカさん?」


「冬君は部屋に入ってて。私は蒼と話があるから」


なんか少し怒っているミカエル。


冬は言葉通り怒っているミカエルにビビりながら部屋に入っていった。


二人きりの空間になりミカエルは俺に近づいてきていきなり頬をつねられた。


「いててて!」


引きちぎるように離した。


「な、何すんだよ!」


「あの蒼子ってあんたのことでしょ?」


心臓が掴まれるような感覚に襲われて変な汗もかいてきて。


「な、なんのこと・・・」


「とぼけないで。なんで女の子になってるかは知らないけど私はあの子の姿を知ってる。あの子はあんたが女の子になった姿なのよ!

覚悟は出来てる?」


や、やっぱミカエルにはバレるか・・・仕方ない。ミカエルには言うしかないか。


「ミカエル違うんだ。色々理由があるんだ」


「理由?」


俺は今回の事件をミカエルに説明した。



「つまり間違えて入ったってこと?」


「まぁ簡潔にまとめるとそうなる」


説明してそれかよ。


「まぁそうなら今回は見逃してあげる。不可抗力だし努力が身を成したしそれを含めて仕方ないってまとめてあげる。佐奈ちゃん達にも言わないであげるから」


ミカエルも話が分かってくれるのか、意外って思ってる俺も失礼だけど。


でもこれで万事解決だな。


「でも」


そう言うとミカエルは俺にビンタを食らわされた。


めっちゃ痛い・・・


「な、何?」


「不可抗力って言っても私達の裸を見たわけでしょ・・・わ、私の胸とかも・・・」


ミカエルは涙目で顔を真っ赤にして俺に問いつめてきた。


「ま、まぁそれは・・・」


ミカエルのは・・・見たかも・・・俺も恥ずかしくなってきた。


俺の言葉に口を開けて火山が噴火しそうなぐらい顔が真っ赤になり


「へ、変態!!!!」


もう一発ビンタを食らわされた。


しかもまた痛くなってるし・・・もう温泉はこりごりだ。



はい終了です。


なんかもう疲れすぎて何かを語る気力も無いです・・・


まぁでも見てた方々は楽しめたと思うと思います。死にかけたけど


では、また。

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