透明な花
みんな〜こんにちは〜花梨だよ〜。
久しぶりってわけでも無いけど・・・でも久しぶりなのかな〜。
まぁ別にいっか、気にしないでおこ〜。
それで今回は、私が初めて体験することだよ〜。緊張しかしなかったけど・・・
それじゃあご覧下さい〜。
朝、学校に行くため通学路を歩いていると
「花梨ちゃ〜ん」
私を呼ぶ声がして振り返ると佐奈ちゃんがいたの〜。
その後は一緒に喋りながら学校に行って下駄箱で靴を入れようとしたときに、靴箱に何か入ってたの。
それを手に取り
「手紙?」
名前も何も書いていない手紙が置いてあった。
「どうしたの花梨ちゃん?」
遅いと思って佐奈ちゃんが近づいてきたの。
「下駄箱から手紙があったの〜」
それを見せると佐奈ちゃんは
「花梨ちゃん!これ、これ、もしかして!」
「ど、どうしたの〜?」
「花梨ちゃん!!これすごいことだよ!」
驚いて慌てていたの。そんなに驚くものなのかな?こんなの初めてだからわからないよ〜。
とりあえずこれをみんなに見せてみよう。
慌てている佐奈ちゃんと一緒に教室に行ってもうみんな来ていたから手紙をみんなに見せると
「え!花梨さんそれって!」
蒼君は佐奈さんとほぼ一緒の反応。
「花梨ちゃん、やるわね」
ミカエルちゃんは私を褒めたり。
「でも実際見るのは初めて」
鈴音ちゃんは手紙に興味津々。
「今の時代に珍しい」
冬君はなぜか関心してる。
みんななんでそんなにこれが気になるのかな〜?
「花梨、これ何かわかってるのか?」
渉君は聞いてきたけど
「手紙?それはわかるけど」
「わかってないのか。これ多分ラブレターってやつだぞ」
・・・・・ええええぇぇぇぇ!!!!!!
「逆によくわかってなかったな」
こ、こここれがラブレター!?いやいや、まさか私になんかラブレターを送る人なんていないよ〜。
「花梨ちゃん、中を見てみようよ」
佐奈ちゃんが早く開けてほしそうにウキウキしてる。
多分私じゃなくて間違えて入れたに違いない。そう思って開けて見てみると
「突然すいません、こんな手紙を送らせてもらって。でも花梨さんに伝えたいことがあって手紙を書かせていただきました。
この伝えたいことは直接会って話したいと思うので、放課後、体育館裏に来てくれませんか?そこで僕は待ち続けます。花梨さんが来るまで。お待ちしております。
松本 透。」
こ、これ、本当に私宛のら、ラブレター・・・それに
「透君から・・・」
「知ってるの?」
渉君が説明してくれた。
「確か今の男子バスケ部のキャプテンだろ。文武両道で女子からの人気もあるらしい。オマケに顔も良いらしい」
わかりやすい説明だったけど蒼君が冷静に
「それお前が言う?」
この言葉に全員うなずいた。
「でもその透君と花梨ちゃん知り合いなんでしょ?」
ミカエルちゃんが質問してきたけど、知り合いって言うより
「ちょっと前に空のバスケの試合を見に行ったことがあってそこで初めて話したの。優しくてとっても謙虚な人だったの。私も素敵な人だと思っていたけど・・・そんな、私にそんな気持ちを」
初めて会ってから空を通じて何回か会って楽しくお喋りしたこともある。普通の友達としていたのに・・・
「どうするの?花梨ちゃん」
「花梨ちゃんが決めることだよ」
誰かの力を借りることは出来ない。自分の判断で答えるしか。
でも、告白されて、それに答えてあげられないのも・・・それを知ってるから、どうしても勇気が出ない。
「私は・・・」
「まだ時間はある。ゆっくり考えたほうがいい」
・・・確かに渉君の言う通り。放課後までに自分でやることを決めなくちゃ。
何かをやることがこんなにも考えて、行動しなくちゃいけないのが、考えても考えても言葉が浮かばない。自分がやったことを今度はやられる番に・・・ドキドキしちゃうよ〜。
「花梨ちゃん大丈夫?」
私、考えすぎちゃってたからみんなに心配かけてる。それにもうお昼、ご飯なんて喉を通らないよ〜。
「大丈夫だよ〜。でも、ちょっと風に当たってくるね〜」
みんなに心配はかけられないし、それに今は一人で考えたいから。
屋上に登ると今日は誰もいなかったの。今日はちょっと冷えるからみんな教室で暖まってるのかな。
屋上の金網に背をもたれて、そのまま座り込んだの。
なんだか、もう何も考えたくないよ・・・
「花梨さん」
屋上の扉が開いて誰かが私を呼んだ。
またみんななのかな?でも、来たのは一人の
「冬君」
屋上に来てくれたのはいつも相談に乗ってくれる冬君だったの。夏休みのこともあって冬君との距離はすごく縮まったの。それでよく相談とかしてもらってアドバイスとか貰ったりするの。今は私の先生的な感じになってるの〜。
「今回は僕に何も言ってこないんだね」
確かにこんなことがあったらいつも冬君だったから冬君も珍しいって思ってるだろうな〜。
冬君は私の横に立った。
「いつも相談に乗ってくれてたから悪いかなって思ったからだよ〜」
言い訳もこれぐらいしか思い浮かばなかったよ。そんな一人で考えるなんて
「違うでしょ?自分で考えないといけないから相談に乗らないだけでしょ?」
え!
「冬君って、もしかして魔法使いなんじゃ」
「単に予想して当たっただけだよ」
それでもすごいよ〜。びっくりしちゃったよ。
「でも、仮に今回の件を相談してきても僕からアドバイスを送ることなんて無いよ」
「どういう意味?」
「これは花梨さんが決めること。花梨さんの言葉、花梨さんの行動、花梨さんの態度、全部僕ではわからない。どんな気持ちになるのとかね。それを体験するのが花梨さんなんだから、透君にしっかり返事をしないと」
冬君・・・もうそれアドバイスに近いよ〜。
でもやっと決心がついたよ。自分の気持ちを言葉にして透君に伝える。
私は私なんだから。
「ありがと〜冬君。私、頑張ってみるね〜」
冬君は私に笑顔を見せてくれた。
・・・でも冬君寂しく無いのかな?
「冬君、もし私が」
「キーンコーンカーンコーン」
途中でチャイムが鳴った。
「あ、もう予鈴だよ。急がないと遅れるよ」
冬君は先に行ったけど、聞いていたのか聞こえていなかったのはわからなかったけど、なんだかちょっと逃げるようだった気がするよ。
あの感じ、なんなんだろ・・・
そして放課後になって、教室で深呼吸して気持ちを落ち着かせているとみんなが来て励ましの言葉を送ってくれたけど、冬君だけは早々に帰っていたようだった。
嫌なのかな。こんな話は。じゃあ、あれは・・・
とりあえず今は置いておこう。目の前のことに集中しよう。
鞄を教室に置いていった。戻って、一人で落ち着きたいから。
廊下を歩いて、外に出て先に向かうとき、何を考えていたのかもう忘れちゃってる。かなり切羽詰まってるのがわかるよ。
そして体育館裏の突き当りに来て、私は壁にもたれて体に手を当て胸をぎゅっと握った。
別にそこまで胸が無いから簡単に握れるよ。平常心を装って、しっかりと。
もう一度深呼吸をして、突き当たりを曲がるとそこにいたのは
「あ、花梨さん。ごめん呼び出したりなんかして」
透君・・・本当にいる。イタズラかなとはちょっとは思ったりしたけど違うんだ。
「あの、その、空がいつもお世話になってるね」
空の先輩なんだから挨拶は欠かせないよ。
「いやこちらこそだよ。空のおかげで勝った試合は多いから」
「そうなの?」
「負けてても空を試合に出すと逆転勝利なんて珍しくないからね」
実際に見たことあるけどあんまり詳しく知らないから空の上手さがわからなかったけどそんなに頼りにされてるんだ。姉としてなんだか誇らしいよ〜。
「話が逸れちゃったね。改めて言わせてもらうよ」
もう心の準備は出来てる。だから、今の気持ちを。
「まぁ、長く話しても仕方ないし、単刀直入に言うよ。
空と一緒に来たときからどうしてもわすれられなくて、なんだかバスケのプレイも集中できなくなっていた。それでわかった、初めて自分が一目惚れしたんだなって。
だから、僕と付き合ってください!」
・・・告白。する方もされる方も、同じ気持ちだと思う。ドキドキと緊張、でもどこか暖かい。火照る身体。なんでだろう、ちょっと涙が出てくるよ。
もうでも決めてるよ。これだけは揺るがないから。
「・・・透君。私、すっごく嬉しいよ、だって告白なんて初めてされたから。
透君は優しくて穏やかで本当に良い人、絶対に誰かを幸せに出来るよ。
だから、その幸せを私じゃなくて違う誰かにしてあげて。
私は・・・透君とは付き合えないよ」
私は透君の気持ちには応えてあげれない。
振られる気持ちは苦しくなるほどわかるよ。告白する勇気も。でも簡単に付き合うとかにはなれないから。
しばらく沈黙が続いているよ。・・・怒っているのかな。
「・・・そっか。なら僕は他の人を幸せにしてみせるよ。ありがと、花梨さん。僕に教えてくれて」
怒ってない、それよりも感謝されちゃってる。
でも、それが透君の優しいところだと思うよ。
「うん。これからも空をよろしくね〜」
「絶対に空をもっと強くしてみせるよ」
透君は振り返って歩いていった。私はその背中を見て、なんだか悩んでいない風にはみえたかな〜。
私も緊張とドキドキが解けて、一気に疲れが出てきちゃったよ〜。
「お、おい馬鹿押すな!うわぁ!」
蒼君の声?すると後ろからドーンって音がして振り返ってみたらみんながごちゃごちゃになってよ。そこには冬君もいた。
「み、みんな見てたの?」
「えっと、気になちゃったから、こっそりと」
ミカエルちゃんが珍しく動揺してる。
「でもロマンチックだったよ!」
「誰も傷つかない告白シーンだったね」
「花梨ちゃんからあんな言葉が出てくるなんて想像できなかった」
「これも一つの恋の形だな」
「お前には絶対出来ないだろうけど」
「なんでだよ!」
みんな各々に話してる。でも一番気になるのが
「冬君も来てたんだ」
「まぁ本当は見るつもりじゃなかったんだけど、やっぱり気になってね」
あ、別に嫌いじゃなかったんだ。なんだかホッとしちゃった。
「でもなんで振ったの?あんなにイケメンで性格もいい人を?」
「私にも好きな人がいるから〜」
・・・なんかみんな黙っちゃったけど。
するとミカエルちゃんが私の肩を持って
「それ誰!私の知ってる人!?顔は?性格は?体型は?どんな人!?」
「そ、それが私でもわからないんだ。誰が好きなのかを」
「ど、どういうこと?」
「前に言われたんだ。私は好きな人がいるって。それで今は好きな人を探しているの」
それが今は私にとっても楽しみになってるから。
「珍しいタイプだねそれって」
冬君が関心してる。珍しいのかな?
「あれ?花梨ちゃん鞄は?」
佐奈ちゃんから指摘された。もうこのまま帰るつもりだったよ〜。
「教室に置きっぱなしだったよ」
「じゃあ、取りに行って帰ろっか」
付いてきてくれるんだ。私はいい友達と出会えたな〜。
私達は教室に戻ってきて扉を開けると
「あれ空?」
何故か空がいた。後から聞いたら今日は練習が休みで一緒に帰るつもりだったらしい。
そして空の手元にあったのは透君のラブレター。
「そ、空、まさか、読んだんじゃ・・・」
滅多に笑わない空が不敵の笑みを浮かべていた。
恥ずかしくて多分も顔も真っ赤になりながら
「か、返しなさい!」
私は空から手紙を取ろうとしたけど私より背の高い空が手紙を上にあげて取らせないようにしてきた。
「ちょ、ちょっと!」
ジャンプしてもジャンプしても移動させたりして取らせてくれないよ〜。
「そ、空!!」
十分後ぐらいでやっと取り返したよ。
その後空にはキツく説教しちゃった。私だって姉だから、怒るときは怒るよ〜。
本当はあんまり見たくなかった。プライバシー的にも。
もし花梨さんがあそこで付き合っていたら・・・僕はどう見たらいいのかわからなかった。
でもそれでもいいって言ってる自分もいた。
何故って?それは、花梨さんが幸せになるなら良いかなって思ったからだよ。
これで終わりです〜。
告白回はやっぱり緊張しちゃうよ〜。あのとき噛んだりしたりどうしようとか思ってたよ〜。
皆さんも告白するときはしっかりと準備をしたほうが私的にはいいと思いますよ〜。
それで次の人は最近幸せになった人だよ〜。
それじゃあバイバイ〜。




