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渉の中学時代(前編)

えーと、何回目だっけ・・・もう数えるのも疲れるぐらいやってるってことだよな。


もう流れで分かると思いますけど、蒼です。


今回は割と、と言うか結構皆が気になっていたことをぶっちゃける話です。俺じゃ無いんですけどね、ある男・・・まぁ渉なんですけど。


渉の過去です。これで全部フラグ回収ですね。


ではどうぞ。



二学期初めてのテストが終わった。


俺はまぁまぁそこそこの点数だった。良くも悪くも真ん中ぐらいだった。


ミカエルは確か


「私、今回は素直に自信はあるわよ!」


素直に自信がある意味がわからなかったけどミカエルに点数を見せてもらおうとしたが、隠して見せてくれなかった。察したけどよっぽど点数低かったんだな。順位を内緒で見に行ったけど、うん、言わない方がいいかも。


佐奈さんは鈴音に基本から教えてもらったらしく見事に学年で9位を取った。

かなり嬉しいらしく鈴音に感謝でいっぱいだった。確か鈴音に


「全部鈴音ちゃんのおかげだよ!9位なんて私にとっては都知事とちじになるぐらいすごいことだよ!」


これに対して鈴音は冷静に


大袈裟おおげさすぎるでしょそれは。私は勉強でわからない所を教えただけで、頑張ったのは佐奈でしょ。この順位も全部は佐奈の努力の証、勉強してよかったね」


あくまで自分は少し手を貸しただけってかっこいいこと言うな。この言葉に佐奈さんの目はうるうるしてきて、鈴音に


「うわ〜ん!ありがとう鈴音ちゃ〜ん!!」


と、まぁ抱きついた。


「ちょ、佐奈、強すぎ・・・」


・・・いいなぁ、あれが俺だったらなぁ。やばいやばい、結構今のは不純だったな。気をつけないとまた渉になんか言われる。


そんなは渉はまた1位だしよ。ただ今回は珍しく全問正解では無かった。基本的に全部正解して


「授業ちゃんと聞いておけば取れる点数だろ」


なかなか周りを馬鹿にする言動だけど実際に取れてるから言い返すこともできない。でもあいつ基本授業は寝てるからちゃんと聞いてないはずだけどな。

しかも間違ってるって言っても1問だけだったから、そりゃ1位になるはずだよ。


珍しく全問正解じゃ無かったんだなって言ったら


「単に見直してなかっただけ、眠かったからさっさと書いて寝た。そしたら1問だけ間違ってたけど、そこまで大差ないから気にするもんじゃないだろ」


見直してたら良かったってことかよ、実質全問正解じゃねーか。


やっぱ渉を越すことが出来るのは鈴音しかいないな。


前回は3位だったけど、今回はかなり勉強したらしく


「寝る間も惜しんで勉強したのよ。それでも点数がせなかったら私はまだまだ勉強不足ってことよ」


ストイックすぎるだろとはツッコんだけど、鈴音はなんと2位になった。


喜んでるはずだけど、あんまり表情には出してなかった。渉を抜くのが目標だから、目標に達してなかったから喜びも少なかったのかな?わからないけど難しい目標だな。


冬と花梨さんは安定の点数だったらしい。順位は俺とあんまり変わらなかった。


「安定でいいんだよ、飛び抜けて賢くなる必要は僕にはないからね」


「私も同意見〜。普通に勉強したらこれぐらいは取れるよ〜」


えらく意見が合う二人だけど、普通に勉強して取れないやつもいるからあんまり口にしては言えないな。


と、まぁこんな感じのテストだった。それぞれ思うことあるけど赤点を取らなかったらそれでいいかもな。赤点取ったやつもいるけど・・・


テストが終わって安堵あんどになっていたそんなある日のことだった。


授業が終わって帰る準暇をしていた。


いつもはミカエルと帰っていたけど今日はなんか女子会があるから先に帰ってって言われてるから先に帰るけど、ミカエル達はいなかった。ずいぶんと急ぎで行くんだなとは思った。


だから今日は途中までは渉と帰ろうと渉を呼ぼうとしたが、渉の姿も無かった。


あいつも帰ったのか、早いな。じゃあ冬と帰ろうと思って後ろの席の冬の方に振り返ると冬もいなかった。


今日全員早く帰りすぎだろ。何かあるのか?でも今日は平日だしそんなイベントもないはずだけど・・・仕方ない、一人で帰るか。


帰る準暇を済まして、教室から出て下駄箱げたばこの方に向かおうとしたけど、喉が乾いたから構内にあるジュースだけ買って帰ろうした。


自販機の方に向かって歩くと、コソコソと誰かが物陰に隠れていた。しかも結構な人数だぞこれ。


少し遠目だったから誰かはわからないけど、大方誰かの告白シーンでも見てるんだろうと思いつつ、自販機があるのはあの人達が見ている曲がり角にあるから行くしかない。その人達に近づいていったら見覚えのある人達だった。しかも全員。もっと近くで見るとそこにいたのは


「ミカエル?」


そこにいたのは女子会でいないはずのメンバー達と冬がいた。


「何してんだここで・・・」


と、聞こうとしたが


「しっ静かに」


ミカエルに止められた。全員で何を見てるんだ?俺もこっそりと見ると、渉と見知らぬ女の子がいた。


「渉!?」


口に出すと怒られるから心の中で叫んだ。


女の子は渉を前に顔を赤くして下を向いていた。


これってまさか・・・


「渉君・・・私、渉君のことが好きなの。だから、その、付き合って欲しいの」


告白!?つーかまたあいつにかよ!

何回あいつ告られたら気が済むんだよ!

俺なんて1回も無いのによ・・・それにしてもあの子可愛いな。


渉の返事に全員息を飲んだ。


渉の答えは・・・


「気持ちは嬉しい。本当に。でも、ごめん、付き合えない」


・・・あの子には悪いけど、予想は出来ていた。渉って何回も告られてるけど全部振ってるから、今回もそうだと思った。でも、あいつが振る理由もわかる。あいつは・・・


女の子は黙り込んでうつむいていたが、彼女なりに勇気を振り絞って


「わかりました!ありがとうございました!」


満面の笑みで走って女の子はその場を去った。


かなり重たい空気になり誰も口を開けない。


そんな中でミカエルが俺達にしか聞こえないぐらいの声で


「あの子、残念だったね」


ミカエルが話したことでようやく佐奈さんも


「告白ってすごく勇気がいることだから、あの子はすごいと思う」


冬はこの現場を見て


「それにしても渉はモテるね、蒼とは違って」


なんで俺?


「冬、さらっとディスるのやめて」


「ねぇ皆」


鈴音が皆に


「渉君こっちに来たんだけど」


見るとどんどんこっちに近づいてくる渉に俺達は慌てるしかなかった。ここで逃げるという判断はできなかった。


バタバタしていると誰かが足をつまづきそのまま全員倒れてしまった。


俺は頭を打って頭を抑えて正面を見ると足が見え上を向くと渉が立っていた。


「何やってんだ、お前ら」


うわ、やっぱちょっと怒ってるかも。やばい言い訳が思いつかない・・・


「あ、あははは」


笑うしかなかった。


他のみんなは無言で俺に委ねていたようだ。無理がありすぎるだろ。


だが渉は怒ることは無く


「別に面白いものでも無いだろ、俺は帰らせてもらう」


と、言い残してそのまま帰っていった。どうやら俺達が見ていたことはわかっていたらしい。


あれ?怒ってなかったのか?昔、告白シーンを見てたら後でめっちゃ怒られたけど今回は何も無かったな。ん〜よくわからないな。


それに何か元気無かったし・・・もしかしてまた昔のことでも思い出しているのかな。まぁでもあんなことあったら立ち直れないよな。


全員立ち上がり喉はもう乾いていなく


「俺も帰るわ」


渉のこともちょっと心配だしな。


俺は帰ろうとすると佐奈さんがあることを俺に言った。


「蒼君、中学生の時、私は渉君と一緒じゃ無かったからわからないけど、小学生の時に渉君と仲が良かった琴海ことみちゃんってどうしたの?」


その子の名前を聞いた瞬間俺の足は止まった。・・・佐奈さん渉と一緒の小学校だったから知ってるんだ。でも、聞かれるとは思わなかった。


「佐奈、誰なの琴海ちゃんって」


鈴音が佐奈さんにその子ことを聞いた。


「琴海ちゃんって言う女の子がいるんだけど、小学生の時に私は渉君の紹介で琴海ちゃんを知ったの。笑顔が可愛くて天真爛漫な子だったんだ。何回か遊んだこともあるよ。それにあの子は渉君とすっごく仲が良かったの。ずっと渉君にくっついて。

それで渉君と同じ中学に入ったって聞いたけど、琴海ちゃんはどうしたの?高校が違うだけなの?」


「琴海ちゃんは・・・」


でもその子のことはあまり喋ることが出来ない。だって・・・


「その子、渉君が言っていた病気で亡くなった人じゃ・・・」


俺はすぐに花梨さんの方を振り返った。ど、どうして花梨さんがその事を。花梨さんに俺は問い詰めた。


「なんでそのことを知ってるの?それを知っているのは渉と俺ぐらいだけど」


「俺ぐらいってことは蒼君は知ってるのね、その琴海ちゃんって子を」


鈴音はどうやら俺が渉の過去を知っていることを確信したようだ。


「教えて蒼君、渉君は昔何があったの?その琴海ちゃんと渉君はどういう関係なの?琴海ちゃんはなんで亡くなったの?教えて、教えてよ」


こんなに熱心になる鈴音はなんだか久しぶり、と言うか初めて見る。そんなに興味があることなのか。


けれどもこっちにはこっちの都合がある。


「でも、この事は渉には口止めされてるんだ。あんまり昔の話をするのがあいつ嫌いだから」


昔の話、特に中学生の時の話をすると渉は嫌がる。俺が無視して話すといつも殴られる。それが痛すぎて最近はあんまり話してないけど。


だがそれでも鈴音は引き下がらなかった。


「私達を信じて。渉君の前では昔の話なんてしないから、お願い蒼君」


ここまで引き下がらない鈴音も初めてだな。


でも皆信頼できる人だから、それにこれで渉が救われる可能性だってあるはず。過去に縛られなくなるかもしれない。


「わかった。教室で話すよ、渉と琴海ちゃんのことを」


俺がそう言うと鈴音が微笑んで


「ありがとう、蒼君」


こうして俺達は教室に戻って渉の過去を俺は話した。


「まず、渉と琴海ちゃんは・・・」



ここから長くなるのでここは前編にします。


後編で渉の過去と琴海ちゃんのことを話します。


久しぶりのシリアスの回だからちょっと違和感あったけど後編もこの蒼がやらせていただきます。


それではまたのちほど。

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