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神様と天星玉と友達

こ、こんにちは。ミカエルです。


3回目なのかな?どうかわからないけど多分そうです。


今回は原点に帰って蒼の割った私の天星玉の話と天界について話していきたいと思います。


後、少し私としては思いきった事を言います。

佐奈ちゃん達にだけど・・・


それじゃあ、私が言うんだから、か、感謝しなさいよ!



私は今女子グループの佐奈ちゃんと鈴音ちゃんと花梨ちゃんで喫茶店でお茶会をしている。


「それにしても鈴音ちゃんどうなの?」


佐奈ちゃんが何かの質問をした。


「どうって何?勉強?」


「違うよ、恋愛だよ」


佐奈ちゃんはやっぱり唐突に言うね。でも確かに鈴音ちゃんの恋愛事情は気になる。だって鈴音ちゃんって勉強ってイメージがあるから恋に興味あるのかな?


「今はそんな余裕無いのよ。もうすぐテストでしょ?勉強しないといい点数取れないから」


まだ勉強するつもりなの?充分賢いから。この前の小テストでも私の倍の点数取ってたし。

え?私の点数?そ、そういうこと聞かないでよ!乙女の秘密よ!ひ、み、つ!!


「でも気になっている人ぐらいいるでしょ?」


佐奈ちゃんも食い下がらないね。


「気になる人ね・・・いないことも無いわね」


え!鈴音ちゃんの気になる人!?


「その人ってどんな人!?クラスの人!?顔は?イケメン!?」


私はかなり詰めかけた。


「て、天使ちゃん落ち着いて。冷静になって」


鈴音ちゃんの一言で私は落ち着きを取り戻した。


「ご、ごめん鈴音ちゃん」


「でも流石にちょっと恥ずかしくて言えないかな」


「えーここまできたら・・・」


また私が詰めようとしたけど鈴音ちゃんの目が完全に恋をしている目になっていた。

私もあの目には勝てない。これ以上聞くのは野暮ね。逆に論破されるかもしれないし。


「鈴音ちゃんも気になったけど、佐奈ちゃんはどうなの〜?」


ここまで話に参加していなかった花梨ちゃんが今度は佐奈ちゃんに話を振った。


「い、いいいないよ、私そういうの疎いからさ」


佐奈ちゃん動揺してる。こう見たら嘘が下手ね。


私はでも今でもあんまり信じられてないんだけどね、佐奈ちゃんが蒼のことを好きってことを。蒼の何を見たのかはわからない、でも、もしあの優しさなら気持ちはなんとなくわかる。

・・・ま、まぁ蒼が特別優しいわけじゃ無いからね!私が蒼のことを・・・な、なんでこんなに言うの躊躇してるんだろ、恥ずかしい・・・


「いつか好きな人できたらいいね〜」


嘘を見抜いてない、花梨ちゃんだから仕方ないわね。


なんか私こう見たら色んな人の恋愛事情知ってるのね。


花梨ちゃんは渉君、今はわからないけど。佐奈ちゃんは蒼。鈴音ちゃんは人はわからないけどいる。


これ一気に相談とかされたら流石の私でも的確なアドバイスなんて出来ないわよ。


いやまぁ佐奈ちゃんは無いかな、だって私と一緒なんだし・・・


「どうする?もういい時間だし、そろそろ帰る?」


鈴音ちゃんが切り出した。


もう6時半か、そろそろ夕飯の時間だし行こっかな。


「そうね、私はもう帰るわよ」


「天使ちゃん帰るんだったら私も行くよ」


「じゃあ今日は解散で〜」


私達は喫茶店を出て


「じゃあまた明日ね」


「またねー」


「学校でね」


「ばいば〜い」


私達は家路に帰った。



家に帰って


「ただいまー」


真っ先に迎えに来てくれたのは


「ミカエルちゃん、おかえり。今からご飯だからちょうどよかった」


蒼のお母さん、藍璃さんがいつもと変わらない笑顔で来てくれた。


ご飯?・・・確かに美味しそうな匂いがしてきた。気づかなかった。


家に上がって、手を洗ってリビングに移動すると、もうご飯がテーブルに置いてあり椅子には既に蒼が座っていた。


私は蒼の横に座り、藍璃さんが来るのを待っていると


「遅かったな、どこ行ってたんだ?」


そういえば蒼にどこに行くのかは言ってなかったわね。


「女子グループで喫茶店よ」


「佐奈さん達ってことか」


「楽しかったわよ、週一で集まろうって言ってるのよ」


「結構な回数だな」


「男子達も行ったらいいじゃない」


「冬はいいかもしれないけど渉が絶対嫌がるだろ」


「確かに、渉君は嫌がるだろうね」


私と蒼が他愛のない会話をしていると


「おまたせ〜」


藍璃さんが私の対面に座って


「いただきます」


家では必ず全員が来てからご飯を食べると言う習慣をしている。皆と食べたら美味しいってことかもしれないけど、一人で食べるよりかはいいかな。


・・・別にここでの会話はそんなに面白く無いから省きます。本題はここからです。


私と蒼は部屋に行ってくつろいでいると蒼があることを聞いてきた。


「なぁミカエル、前々から聞いてみたかったけど、天界って神様とかいるのか?」


突然、なんの前触れもなく言われ私も戸惑った。


「どうしたの急に?」


「いや、単純に天界とかの事情とか聞いてみたかったからさ、ダメか?」


「別にそんな決まりみたいなもの無いからいいけど、でもあんまり他言しないでね。めんどくさくなるから」


と言うことでここで色々と疑問となっていた天界のことについて話していきたいと思います。



「えー、と言うわけで今から天界、天使と神様について話します」


私は説明を始めようとすると


「ちょ、ちょっと待て」


蒼が止めてきた。


「何よ、何か問題でも?」


「大問題だろ、なんで眼鏡かけて、どっからそのボード持ってきた」


え?あぁ私の今の姿を説明してなかったですね。今の私は赤眼鏡をかけて白のボードで説明をする、いわゆる先生みたいな感じになっています。姿は皆の想像ね。


「細かいことは気にしない、さぁ始めるわよ」


「後で片付けろよ」


では改めて説明していきます。


「じゃあまず世界を支える大事な神様三人を紹介していきます」


「なんか敬語ってめっちゃ違和感あるんだけど」


私はボードに三人の名前を書いた。


「はいまず一人、天界を支える女神様、エデン様」


「え、エデン?エデンってエデンの園で有名なエデンか?」


どれだけ名前言うのよ、それに様をつけなさいよ様を!


まぁいいわ、エデン様について話すわ。


「ええ、そのエデン様よ。なんか地上界では場所みたいになってるみたいだけど実際は女神様よ」


「女神ってことは女の人なんだな」


蒼に言ったらなんか妄想しそうで嫌だから、皆様だけに特別に言いますけどめっちゃ可愛いですよ。そこら辺にいるアイドルなんて目じゃないぐらい可愛い・・・私も相当可愛いけど私の倍可愛いですよ。


あぁ、思い出しただけで・・・


「なんでニヤけてるんだ?」


はっ!だらしない顔してしまった・・・恥ずかしい・・・


「と、とにかく!天界を統べるのはエデン様なの!」


すると蒼は手をあげて


「質問、あの有名なアダムとイブってそのエデンさんが生み出したんですか?」


アダムとイブ、確か人類で初めての人ってことよね。


「まぁそうなるわね、エデン様が創造したのよ。そこから地上界が出来たことになるわね。私もそこら辺のことはあんまり聞かないからわからないわよ」


ちなみにこの世界ではエデン様は女神様ってことになってますけど実際はわかりませんよ。昔のことなんで。


「次は地上界を統べる二人目の神様、黄泉様よ」


「黄泉?それ良い神なの?」


この言葉に私は怒りを感じた。


「黄泉様がいないとここで亡くなった人はどこに成仏するのよ、霊が行く場所が黄泉様のいる所よ、悪い神様なんていないわよ!」


「そ、そんなに怒るなよ。悪かったって」


「まったく・・・ちなみに黄泉様はめっちゃイケメンよ、あなたと違って」


「うるせぇ」


黄泉様は私好みの顔立ちじゃないけど誰が見てもイケメンって唸るほど。前に天使達が見ただけで何人か失神してたっけ?あれは信者がいっぱいいそうね。


「で、最後は海を統べる神様、ニライカナイ様よ」


「ニライカナイ、今まで一番しっくりくるな」


今までが逆にしっくりきてなかったのね。


「ただ・・・ニライカナイ様だけは素性がわからないのよ」


「素性がわからないってじゃあなんで他の神様はわかったんだよ」


「会ったことがあるからよ。エデン様は何回も会ったことあるし、黄泉様は2、3回ぐらい天界に来たことあるから知ってるのよ。

でもニライカナイ様は来たことも無いし、そもそもどんな神様なのかすらわからないのよ」


エデン様からもニライカナイ様に関しては何も言わない。黄泉様のことだったら何回か聞いたけど。

私ももちろん気になってるけど、無下に聞けないのよ。何か大きなことが起こってそうで。


「ニライカナイ・・・海か」


独り言なのかはわからなかったけど蒼が急に天井を見上げながら言った。


「なんなのよ?」


「いや、なんでもない」


なんなのよ、突然。


一通り神様の事を話したから次は


「次は私達天使についてです」


ボードに私達姉妹の名前を書いた。


「天使は天界の人間のようなものね、つまり住民ってとこね」


「じゃあなんで姉妹とか名前書いたんだ?」


「私達姉妹はエデン様から天界を安定させるために言われてるのよ。

その筆頭が長女のガブリエルお姉ちゃんなの」


「あの人、そんな大事な事をまかされてるのか」


「基本は一人で全部やるのよ、その方が効率がいいからって。だから姉妹にまかされてるよりガブ姉にまかされてるって感じかな」


実際、私はガブ姉に遊んでもらったことなんてほとんど無いの。それほど忙しくて、大変な人ってことが子供ながらわかった。


「でも、そんなの親にまかせれば・・・」


「お母さんはエデン様の側近をやってるから私達に顔を合わせることなんて年に二回ぐらいよ」


「側近?」


「私達のような天使とは違う、エデン様が認めるような天使なのよ」


お母さんの正体は私にもあまりわからない。どうしてエデン様に認められてるのかも。


「大変なんだな・・・でもこの前ルシファーさんを連れて帰ろうとしていたけど、あれはなんなんだ?ガブリエルさんは全部一人でやるんだろ?」


「ああ、あれは多分ルシ姉がいないと緊急時に即座に対応できないからじゃないかしら。

ガブ姉を支えられる唯一の人だから、ルシ姉がその気になればガブ姉と同じことが出来るから」


「普段からやる気が無いように見えて力持ってるんだな」


「だから合わないのよ、ガブ姉と」


「合わない?」


「ガブ姉は真面目な人、ルシ姉はやる気の無い人、合うはずがないのよ。だから喧嘩もよくする。出ていった理由も合わないからよ」


私からすればどっちもどっちだけどね。


「じゃあラファエルさんとウリエルちゃんは何してるの?」


なんでウリだけちゃん付けなの?子供だからって、さんでいいじゃない。


「ラファとウリは普通の天使と一緒のような生活を送ってるわよ。あんまり使命とかは気にしてないようだから。

ちなみに私もラファ達と一緒のような感じだったわよ」


これが私達天使かな。複雑だけど、なんだかんだ楽しいから。


「じゃあ最後は天星玉についてね」


「俺が割った・・・」


「そうよ、あなたが割った天星玉よ!」


「なんで怒るんだよ」


あたりまえでしょ、壊したせいで私はここにいるんだから。


「まぁでも天星玉についてはそこまで説明はしないわよ、簡単だから」


「簡単?」


「前に言った通り天星玉は天使の象徴になる大切な玉。翼ほどでは無いけどそれでも大切に管理しないといけないの。これを失くしたら一応再発行はできるのよ」


「作れんの?」


「一応はね、元々天星玉はエデン様から授かった玉だから。天使の皆はエデン様から貰った唯一の物だけだから本当に大切にしてるのよ。

でもエデン様から授かるのは一度だけ、再発行はそのレプリカしか作れないのよ。

それで壊した場合、今の私のような状態になって玉は治せるけど時間はかかる、ざっと一年ぐらい」


「じゃあ壊したときとかは天界にはいられないんだろ?お前はともかく他はどうしてるんだ?」


なかなか良い質問してくるわね、私は蒼にある紙を見せた。


「何これ?」


「これは天星玉を失くしたり、壊したりしたら書く書類よ。これを書いて提出すれば二年間は天星玉を持っていなくても天界には入れるのよ。この期間の間に天星玉をなんとかするの。

もし二年間、天星玉を所持することができなかったら永久に天界から追放される」


「こ、怖いなぁ・・・」


「まぁ大抵そんなことはありえないけどね。壊したら治せるし、レプリカも作れるし」


「ちなみに、お前は提出してるのか?」


「私は提出しなくてもいいのよ、仮にも天界を守る五姉妹の一人だから免除になってるのよ。その代わり頻繁には入れないけど」


私はボードを天使の力で片付けて


「これが天界の事情よ」


「今どうやってボード片付けたんだよ」


「天界に移動させただけど」


「・・・やっぱり天使なんだな」


天使なんだなって人間も天使もそこまで大差ないと思うけど。


「まぁでも天界のこととか神様のこととかよく分かったよ、でも案外こっちの世界と暮らしはあんまり変わらないな」


「暮らしなんてどこの世界にいっても変わらないものよ、だから均等になってるんじゃないの?」


「間違いないな」


いい機会だったので天界の事等を話していきましたが、蒼の言った通り暮らし自体はこの地上界とあんまり変わらないです。私が少し裕福な暮らしをしていたぐらいで、しっかりと働いて暮らすのが天界でも普通です。


とりあえず天界の事情はこれで終わりましたが、まだ少し続きます。この話をした翌日です。冒頭でも話しましたが、思いっきります。



翌日、学校に行き授業を受けてお昼を食べるときだった。


突然佐奈ちゃんが


「今日は屋上で食べようよ!」


と、私達に言った。


私は突拍子も無いことに疑問をもち


「ど、どうしたの突然?」


「今日ってすごく外温かいでしょ、そんな日は外で食べた方が美味しいと思うから。外で食べるお弁当は格別だよ!」


確かに夏ほどでは無かったけど最近猛暑が続いたけど今日は春みたいに温かく、気持ちのいい日だった。


屋上で食べるのも悪くないわね。


「屋上で食べるなら私も付き合うわよ」


鈴音ちゃんは佐奈ちゃんに賛成のようだ。


「私も賛成〜、外で食べるなんて久しぶりだから〜」


花梨ちゃんも、だったら私も


「皆も行くなら私も行こうかな」


とりあえず皆に合わせる感じでいいかな。


「それじゃあ決定、屋上に行こー」


佐奈ちゃんは率先してお弁当を片手に教室を足早に出ていった。無邪気な子供のように。


その姿を見て鈴音ちゃんまるで自分の子供を見るような優しい目で


「まったく、本当に高校生かしら」


鈴音ちゃんもお弁当を持って佐奈ちゃんの後を追った。鈴音ちゃん、多分佐奈ちゃんを小学生かなんかで見てないかな?一瞬母性を感じたんだけど。


「私達も行こうよ〜」


花梨ちゃんもお弁当持っていた。急いで私もお弁当を取りに行って二人で一緒に話しながら屋上に行った。


屋上に行ってもお決まりの女子トークでお弁当を食べたけどいつもよりかは美味しいとは思った。環境が変わるとお弁当も美味しなるのかもしれないわね。


お弁当を食べ終わったら佐奈ちゃんと花梨ちゃんが


「ちょっとトイレ行ってくるね」


同時にその言葉を言ってトイレに立ち寄る二人。


鈴音ちゃんと二人になったけど話題がない・・・いや、仲はすごくいいんだけどこう二人っきりは少ないから何を話したらいいか・・・


「天使ちゃん、ちょっと聞いていい?」


鈴音ちゃん?真剣な顔に私も突然すぎてどう反応すればいいかわからなかった。


「どうしたの?」


鈴音ちゃんからある一言を言われ、心に何かが刺さった。


「天使ちゃん、私達に何か隠してない?」


・・・喉から声が出なかった。隠し通しているはずだった。完璧にしているはずだった。

どうして?どうして?どうして・・・

・・・落ち着いて、まだ皆がわかったわけじゃない。


「ど、どうしてそんなこと聞くの?理由があるんだよね?」


まだ、鈴音ちゃんだけならまだ


「私だけじゃないけど、佐奈が一番早くに天使ちゃんが隠し事をしているって気がついたの」


「佐奈ちゃんが?」


「佐奈が私と花梨ちゃんにこう言ったの。

『天使ちゃんは多分、いや確実に何かを私達に隠している。天使ちゃんとなんの話題か忘れたけど話しているとき一瞬悲しい顔をしたの。私には見せたことのないような大きく落ち込んだ姿を。そのときに思ったの、私達には言えない大きな秘密があるのかなって』

佐奈は普段こんなことを言わないから本当に隠し事をしているって信じた。

私より佐奈の口から言った方がいいと思うけど、佐奈は友達を傷つけたくないから言わないと思うの。

これでもし天使ちゃんが何も隠してなかったらそれでいいけど、誰にも言えない秘密があるなら私達には打ち明けてほしいの。友達の悩みを解決したいの」


・・・今の私は油断をしたら涙が出てくる。佐奈ちゃん、不思議ね。そんな所天使でもわからないよ。

確かにあの時きっかけはわからないけど自分の名前の話になった。ずっと偽名を使っている自分を責めた。仕方ないことだけど、ずっと悲しくなってはきていた。その瞬間を見るなんて、すごいね。

でも、こんなにも私のことを大切に思ってくれているのね・・・嬉しいよ、あたりまえに。


「鈴音ちゃん、戻ったよ」


佐奈ちゃんと花梨ちゃんが戻ってきて座ったとき、私は決心した。


「皆、放課後ちょっと教室に残って」


全てをさらけ出そうと。


「伝えないといけないことがあるから」


自分に嘘をつくのはやめようと。


「私の、友達に」


三人は静かにうなずいて


「じゃあ、待ってるね」


佐奈ちゃんは微笑んだ。


昼休みが終わるチャイムの予鈴が鳴り私達は教室に戻った。



授業が終わりのチャイムが鳴って皆が帰る用意をしているなか私は緊張と不安でいっぱいだった。


もしこれで嫌われたらどうしよう、これで距離をとられたらどうしよう、これで口を聞いてくれなかったらどうしよう・・・


マイナスなことしかでてこない。どうやって言ったらいいだろう、どうやったら最低限に収められるだろう。どう言ったらいいんだろう、どう言ったら、


「天使ー、帰ろうぜ」


あ、蒼!ちょっと空気を読んでよ!


「先に帰ってて!」


思わずキツく当たってしまった。


理由もなく怒られたと思った蒼は


「お、おう」


すぐに教室を出ていった。冷静に今は考えられないのよ。今の私は、心のどこかで迷ってる、本当に伝えていいのかと・・・


「天使ちゃん、話って何?」


三人が近づいてきた。伝えなきゃ、伝えなきゃ、自分の姿を・・・


「・・・ごめん、ちょっとトイレ行ってくるね」


この場にはいられなくなりすぐに教室を出た。


トイレには行かずに廊下の窓を開けて深く息を吸ってはいた。外の空気を吸ったけどあまり効果は無かった。何度も何度もやったけど効果は無い。時間だけが過ぎていく。


あまり待たせてはダメ、そろそろ行かないと。


教室の扉の前に立ち、ドキドキと動く胸を握った。静まれ静まれ。まだ心が揺れる。


扉を開けようと引き戸に手をかけるが手が震える。


絶交、距離をとる、口を聞かない・・・脳裏には今まで楽しい思い出が出てくる。


嫌われたくない・・・ただそれだけ・・・


「ポンッ」


私の背中を優しく押した。誰?振り返るとそこには


「なに緊張してんだよ」


帰ったはずの蒼がいた。


「蒼、帰ってなかったの?」


「なんか追い詰められてそうだったからな、帰るふりしてちょっとお前を見てたんだ」


「なにそれ私のストーカーしてたってこと?」


「違うわ!だから、あれだよ、心配してたってことだよ」


心配・・・蒼のくせに生意気ね。でも、ありがとう。


「なんか、あんたと話していたら不安になってた自分が馬鹿みたいになってきた」


やっと心が安らいだ。やっと落ち着いた。


「どういう意味だよそれ。まぁ頑張れよ、俺帰るから。今日は早く帰ってこいよ、お前の好きなオムライスだから」


オムライス!地上界で初めて食べたけどあんなに美味しい物があるなんて・・・考えただけでお腹が減ってくる。


「うん!すぐに帰る!」


私は満面の笑みで蒼に答えると少し微笑んで帰っていった。


さて、私なりに決着つけなくちゃいけない。

もう、どうにでもなれ!


教室の扉を開けた。三人は椅子に座って話していただろうが、私が入ってきたと同時に三人は立ち上がって横に並んだ。


精神を統一させて三人に近づきながら


「ごめん、待たせて。まだ心のどっかで迷っていたから」


こう言うと佐奈ちゃんが首を振って


「いつまでも待つよ、悩み事を打ち明けるほうがすごいもん」


みんな優しいなぁ。こんなに優しい人が私の友達なんだ。


一定の距離を保って、私は話した。


「初めに言っておくと私はみんなに嘘をついてたの。この嘘をつかないとみんなは私の見る目が変わるから。私は友達の作り方なんてわからなかった。私にはお姉ちゃんと妹しかいなかったから。でもみんなと出会って普通に楽しく話して遊んでいたら、これが友達だって思ったの。私はみんなともっと話したいしもっと遊びたい。けどみんなに嘘をつくのがもう疲れたの。だから、見せるね。私の本当の姿を」


私は自分の本当の姿を見せた。蒼に見せるようにではなく、静かに神々しく、自分の翼を見せた。


みんなは驚いている様子だった。


本物の天使だと証明するように少しだけ浮くようにした。


自分の本当の名前を伝えた。


「私は天界から来た天使、ミカエルって言うの。今まで黙っていてごめんね。自分の名前に嘘をつくなんて、最低ね」


これでいいのよ。友達に隠すのはもういいから。それよりも自分の本当の姿を見せたほうが私は・・・


「うわ〜本当の天使だ〜。私本物の天使に会うの夢だったんだ〜」


花梨ちゃん?な、何を言ってるの?なんでそんなに笑顔でいられるの?


花梨ちゃんは怖がる素振りを見せずに


「ちょっと翼触ってい〜い?」


「い、いいけど・・・」


「じゃあ触るね〜」


翼を触った花梨ちゃんは幸せそうな顔になり


「すごくふわふわで温かい、羽毛ぶとんみたいで、なんか眠たくなってくるよ〜」


花梨ちゃん・・・


「何も思わないの?」


「何が〜?ミカエルちゃんはミカエルちゃんでしょ〜?」


もう名前を呼ぶの?


「天使が実際にいるなんて、私もまだまだ勉強不足ね。神様とかの知識があまり無いから」


いや、鈴音ちゃんそれはあんまり関係が無いと思うけど。


「でも、悩み事を打ち明けることはすごいと思うよ、ミカエルちゃん」


鈴音ちゃんも私の名前を。


「す、すごい、本当に天使様っているんだね」


天使様なんてそんな大層な物じゃないよ。


「でも姿は今まで通り天使ちゃん・・・いや、ミカエルちゃんだから、私は隠し事を打ち明けてくれたミカエルちゃんと友達でいたいよ」


佐奈ちゃん・・・


「みんな、人間じゃない私でも友達でいてくれるの?」


みんなは満面の笑みで


「もちろん!これからもよろしくね!」


快く受け入れてくれた。みんな・・・私の友達・・・


「ありがとう、みんな・・・」


嬉しすぎて涙が流れてくる。嬉しいはずなのに涙っておかしいよね。


翼を触っていた花梨ちゃんがハンカチを取り出して


「はい、これで拭きなよ〜」


「花梨ちゃん、ありがとう」


ハンカチを受け取って私は涙を拭いた。


涙を拭いて今度は私がみんなに


「これからもよろしく!」


満面の笑みで返した。


その後はここに来た理由と天星玉について説明した。もちろん蒼の家に居候している理由もちゃんと説明した。

これで友達全員私の正体を知っていると言うことになった。


初めは自分の正体なんて明かすなんて思っていなかった。こんなに楽しくなるなんてことも。

佐奈ちゃん達と出会って分かった、人間とか天使とか身分とかどうでもいい。友達がいたら幸せなんだって。


帰ったらオムライスが待っていた。最高すぎてほっぺが落ちた。



はい、これで終わりです。まぁ、長くてどんどん私も疲れてきましたけど上手くいけたと思います。


天界の事情とかも色々と話したと思いますがこれからもまだまだ出てきますよ。


さて、そろそろ終わります。お疲れ様でした。


・・・なんか、キャラじゃないって感じだけど、案外シリアスもやりますからね。


それじゃあ、ま、また見に来なさいよ!

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